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HARICOGRAPHY_2022 SUMMER Flyer

 春が終わり、大気が不安定になり気温と湿度の高まる6月末~7月にかけて、体調を崩しがちの方も多いのではないでしょうか。稲作が生活の中心だった時代であれば田植えを終えて疲労もピークになるこの時期に、無病息災を祈願する風習が昔からあります。特に有名なものが京都・八坂神社の「祇園祭」です。平安時代の疫病流行時にはじまり、現在では山鉾巡行が壮麗な夏のお祭りとして親しまれています。この八坂神社の御祭神はスサノヲノミコトという神様で、日本のいくつかの民話では、この神様が蘇民将来(そみんしょうらい)という人物と出会う話があります。この民話の中で厄除けのご利益があるとして「茅(ち)の輪」というものが登場します。現在ではスサノヲノミコトを祀る神社では、茅萱(ちがや)という草で編んだ直径数メートルの茅の輪を設置し、これを8の字にくぐることで心身を清めて災厄を祓い、無病息災を祈願する「茅の輪くぐり」が6月末頃からおこなわれています。
 ここ数年、過ぎる暑さや雨量など、体にこたえる気候ばかりが想起される夏ですが、「茅の輪」にかけた張子や、眺めて涼を楽しむ張子をつくりました。酷暑に負けず、良い夏をお過ごし頂ければ幸いです。

HARICOGRAPHY 渡部剛(2022年7月 梅雨の記憶もおぼろげな、色あせた紫陽花が残る西荻窪にて)

張子制作に使う粘土や和紙や糊やジェッソや絵の具や筆や竹串やなんやかんやを買いたいのでサポートしてください!!