お花が好きだね

わたあめちゃんはお花が好きなんだねぇ。

と、友達に言われて、私はなんとなく不思議な気持ちになった。

何故なら、お花っていうのは皆が好きなものだと思い込んでいたからだ。

よく考えたら、そんなわけないのに。

私は嫌いな食べ物もほとんどないので、食べるのが好きだね、と言われた感覚に近かった。

でも世の中には、食にそこまでの興味がない人だっているわけで、全ての人が食事を好きなわけじゃないのと同じで、皆がお花を好きなわけじゃないのか、と気が付いた。ありがとう友達。

お花が好きだ。

あの色付いた花弁が、フォルムが、香りが、かわいらしさが好きだ。
好きなものの好きなところを挙げるのは簡単だと思っていたけれど、それも人によって違うだろう。
私はたまたま、好きな理由を言葉にすることが好きなだけだ。

そしてお花が好きだ。

花屋さんの前を通れば歩く速度が落ちるし、桜の季節は散歩が増えるし、薔薇も、紫陽花も、それを目的に公園に出かけるくらい好きだ。駅までの道も、遠回りでもお花が咲いている道を選ぶ。押し花を作るのも好きだし、花のモチーフのアクセサリーも好きだ。
お着物だって、お花の柄で選ぶ。

キーヌが撮ってくれた

皆が、春のお花見以外にも、お花を見に出掛けていると思っていた。

ちゃんと考えてみれば、お花の名前を全然知らない人なんてたくさんいるのに、どうして見ないふりをしていたのだろう。

お花を触るのも好きだ。花びらは、少しひんやりしていて水分を感じる。花脈がうっすら見えて、人でいう血管みたいで、生きているなぁ、と感じて愛おしい。

私はお花が好き、というお話でした。

おわり。

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