だから私は過去を語る

コロナ禍というものは、ほんとうに人々の心の中のいろいろな差別感情を露わにするものだと思う。

特に私が強く感じているのが、風俗業界やそこで働く嬢(あるいは男性や、その他の性別を自認するキャスト)たちに対するそれだ。

もちろん、日頃から蔑まれることの多い職業ではあるのだけれど……今は特に「こんな緊急事態に、他人と濃厚接触する仕事=悪」「日頃からろくに納税もせず稼ぎまくって(※誤解です)給付金までせびる悪」という見方をする人が多いのかな。体感的に、普段よりも風俗に対する差別感情を露わにする人が増えているような気がする。(私の勘違いだったら良いんだけどな……)

こんなにもこの話題が気になるのは、私が過去に「オンナを売って生活の余裕を買う」立場の女だったからだ。真っ当な(?)イメクラ、法的にアウトな本番店、個撮モデルの皮を被った個人間取引……エトセトラ、エトセトラ。とにかく色々なジャンルで自分の女性性をカネに変えてきた。ってゆーほど売れてなかったんだけどね。

私の過去語りが、現状を変えるなんて思っちゃいない。トップでも底辺でもない、中途半端なところをふらふらしてきた女の過去に現在を変える力なんてないことは、語り手自身がよく分かっている。私も知らない人の自分語りなんて大してキョーミないしね。

でも、語りたいから語る。誰にも読まれなくたっていいんだ。ずっと秘密にしてきた過去のこと、インターネットの片隅に書きつけさせてください。

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