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NLH Study#1 9s9c, QsJc7c 6c (Probe bet)

このnoteについて

  • このnoteはNLH学習の一環として筆者自身のためにまとめているものです。教材や研究発表としての意図はありません。間違っていることを書いているかもしれません。

  • 学習1サイクルにつき10NL Zoomを100ハンド行い、気になったハンドを選定し、GTO Wizardを用いて分析した内容をここにまとめています。

  • GTO Wizard設定はPremium Plan, 6max NL 50, GTO, GTOです。

  • タイトルは記事を全部書いた後に筆者が後で参照しやすいようにつけています。タイトルに書いてある内容と記事が完全に一致するわけではありません。

今回のスポット


リバーでちょっとラッキーしたやつ

プレイ時の思考(+ヘッズならどう動くか)

preflop

特になし。3way。9落ちろ。

flop

マルチウェイなので打ち出しから大きいサイズのbetは使わない。仮に安い金額の
betをされてもドローには勝っている上にクラブの9が発展性あるのでcallできる。

ヘッズアップ、IPの場合はオリジナルの自分までcheckで回ってきたと仮定するとQhi  Hi-Middle not Straight Drawなので中頻度で33%~50%のCBを打つ。
ただ今回はポケットペアなので基本的にはcheckで十分。

Turn

Flush Drawのボードになり、SBからbet。

バリュー本命はQとJのgood kicker。もちろんフラッシュもあり。

Ac、Kc1枚とT9、89でブラフbetできるが、SBがCCに回すレンジでAc,Kc持ちオフスートが正直あまり思いつかなかった(KTo、AToとかくらい…?)。また、2枚の9、特にスペードの9が相手のブラフハンドを強烈に抑えている。

よってSBのハンドは相当バリューに寄っていると判断した上で、99はそれらバリューハンドに対しては負けていること、また後ろに1人控えていることからraise or fold の選択肢になる。

今回は一応クラブのドローがあることから99を早々にブラフに回してraiseするアクションをとってみる。自分がオリジナルなのでフラッシュはそれなりにこちらにあるということも要因の一つ。ターゲットは相手のブラフの中の弱ドロー全てとJ。sizeは相手のBet額と足してPotのなるよう3x。ヘッズでも似た思考でraiseする頻度が高そう。

SBのみC。

River

9拾った、ラッキー。
一応のKTが完成。KTはこのプレイラインならお互いそれなりにあるため、ナッツアドバンテージはターンと対して変わらず。

こちらはセットが刺さったものの相手が多く残せそうなナッツ級ハンド等には負けているため、高いサイズのBetは使えず、Qが Callしてくれそうな金額のBetを選択した上で、Raiseにはfも検討する。Potに対して30%弱の安 bet。

相手はターゲット通りQでPot獲得。

UTGvsSBと仮定した時のTurnアクションについて

Flopはヘッズアップと仮定した際の知識・思考で大きな問題はなかったためここでは割愛。

3wayだと適切なSolutionが出てこないため、UTGvsSBと仮定した時を主軸にTurnのActionを分析する。

AcXcもcallやで

Turnでフラッシュ完成ボードになり、SBからリードされた場合は「なんかある」ハンドは基本的にcall。raiseはない。TT~88、55は「相手のストレートドローをブロックしている」ためfoldの頻度が高くなる。ATs~A8sも同様。callかfかの判断基準はcの有無。全ハンドでraiseがほぼないと知っていればTurnでcallの選択肢を用意できた。実践の判断はミス。

QsJc7cでTurnが開きリードされた時のレポート

QsJc7cからリードされた局面ではたちまち攻められる側に回ったUTGはどのボードに直面しても有力な選択はcallになる。今回のようなflush完成ボードでは極端にraiseの頻度が下がる(fの頻度はほぼ変わらない)。

Turnの6がc以外のスートであればレポートからもわかるようにraiseの選択肢が存在する。単純にQJ、セットなど超強いハンドとQ以外のフラドロの大部分、6s5sあたりがraise候補。

リバーのアクションについてはGTO君にそんなスポットないと怒られたので割愛。

UTGvsBBと仮定した時のアクションについて

UTGvsSBのアクションはあまり実践では出現しないスポットなので、UTGvsBBの場合の類似スポットを考える。

flop QJ hi not monotone board の全体像

QJhi not monotone

UTGvsBB、BB check の場面のモノトーンを除いたQJハイボードの全体像はこんな感じ。
connected とnot connected で当然大きくbet sizeの構成が変わっている。
rainbowとFDとで大きな差異はここだけ切り取ればなさそう。

このうちnot connectedに限定してもcheck~75%までのサイジングの混合戦略が使われており、check or ハーフ以上、で実践だと処理できそうな比率。

戦略+EV

レンジ構成は全ハンドで混合。そもそもUTGのOPENレンジにQJが絡んでいないことの方が珍しいのでレンジアドバンテージをそのままBBに押し付けられる。
88~TT、Axsのクラブなしなどの弱〜マージナルハンドはcheckの頻度が上がるが、c1枚あればハーフサイズ以上のbetができる。それ以外をcに回した上で、これらのハンドを守るために他の強力なメイドハンドとドローにも一部checkレンジを残す。

今回は実践で99をcheckに回したのでUTGがcheck backした際のTurnを見ていく。

TurnのBB側 Probe bet 

Turn BB側のrange

BB側はTurnではレンジの64%でcheckを選択するものの、75%までの混合でprobe bet も存在する。

probe bet は相手のcheckレンジがキャップされている時に特に有効で、特に今回のスポットのようにレンジで高頻度にCBが打てる局面にもかかわらずオリジナルがcheckをしている場面では有力な選択肢になる。

今回のスポットではUTGのcheckレンジはJ hit、TT、99、88(特にcなし)がメインとなり、強いメイドハンドやドローも一部それらを守る意味でcheckに残っている。実践ベースではここで強いハンドをcheckに残せているプレイヤーはGTOより少なそうなので、より自分のプレイの引き出しに適切なprobe betがあるかが重要になってくる。

もちろん全レンジでprobe betが肯定されるわけではないので、レンジ構成が重要となってくる。基本方針としてはマージナルハンドをバリューとブラフでいじめるというホールデムの原則に則り、相手のJ hitおよびTT~88を狙ってレンジを作っていく。

バリューはQの一部から打ちはじめ、役が強くなるほど高いサイズのbet頻度が上がってくる。Qより上のバリューが全てbet候補に入ってくるとなると、ブラフにチョイスするハンドの選定としてはそれなりに多くのハンドを組み込んでいく必要がある。

この場面に関しては何人かに質問をしたりしたが、考え方としてはUTG側が持ちうるターゲットを抑えていないハンド群を多くブラフに組み込むと見た方がやりやすい。つまり

  • c1枚持ちフラッシュドロー

  • OESD(ナッツドローだと頻度↑)

  • hitした上でSDVのない7、6をもち、かつ相手のターゲットを構成するJ~8を抑えていないハンド

  • 下のガットショット(53s、43s)

ここあたりがブラフハンドとしてチョイスができる。

すぐに思いつく上の2項目だけをブラフレンジに回すとリバーでラグ(c以外の5以下)が落ちた時に対応ができないことから、ボードカバレッジの観点より下の2項目も有力なブラフ候補になる。

Turn 6がcでない場合(フラッシュ完成ボードにならなかった場合)

Turn毎の全体像はこんな感じ
6がc以外だった場合

Turnでフラッシュ完成ボードにならなかった場合は、Probe betのサイジングとしては全レンジ混合であることを前提によりポラーなサイジングが好まれる。
ハンドチョイスとしては細かな差はあれど大きな方向性は6cの場合と変わらず。

UTG側の応答

3.4BBを打たれた場合、Jヒットまでfの頻度がある


BBにProbe bet を打たれた場合、UTG側はJまではfoldが多くなる。cがあればcall、なければfで問題なし(6がcやsでない場合はポケットのほとんどがfに回る)。

感想

probe betのハンドチョイスに関しての知識は今回の分析で少し深まった。
特にローヒット&ローキッカーの組み合わせが発展性も加味してprobeに向いているという点はよく理解できた。

1回目でこの分量とまあまあな作業時間をかけてしまいました。今後のこの学習の継続性が心配です。頑張れ自分。

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