ロックンロール黄金伝説46 AC/DC
「構造を燃やし尽くすAC/DCの巻」
彼らほどイメージと音の乖離が見られるバンドは珍しいと思う。
たとえば「レットゼアビーロック」。
最初のコードの響きがもう崇高である。
音が実体化してモノリスのようにそこにある感じは他のバンドが成し得ていない境地だ。
彼らの曲には無駄がない。それは構造を熟知しているから。
もしかしたら製作担当のあのアイデア番長の元イージービーツの兄が一枚噛んでいるかもしれない。
(イージービーツは惜しかった。バンド的体力が曲に追いついていなかった。AC/DCは鋼鉄化したイージービーツともいえる。)
とにかく音にはアホさ加減が皆無なのである。
音響的にはステレオ向かって左に最高のリズムギターマルコムが012からの極太弦特有の中低音がこわばった音を出し、
右のアンガスがスーパースリンキー弦の高音がシャリーーーンな音を出し、それが全ての音域をフルゲインでカバーしているというのが特徴。
ボンスコットは結構破綻なくうまく下品な声を出し、
そしてリズム隊はズーーッと「リズム隊」だ。
特筆したいのはマルコム兄であんなにハイテンションで、リズムがまったく揺れずにキレイでハードな音を出すギタリストを僕は他に知らない。
彼こそAC/DCサウンドの礎だ。
(12nd.Nov.03)
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