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ロックンロール黄金伝説34 wizzard

「需要と供給を破壊するウィザード」

ここに一枚のアルバムがある。

WIZZARD/WIZZARD BREW

※6曲目までが、wizzard brewというアルバム。

このアルバムこそがロイウッドが真にやりたかったものだと確信する。

ウィザードはシングルでは英国流のフィルスペクター解釈(1) を聞かせてくれる大風呂敷なポップバンドだがこのアルバムではちがう。

ワイルドでアグレッシブでダーティかつ異様にプログレッシブという離れ業を成し遂げたこのアルバムでは全篇においてロイが気合のはいりまくったギターソロ(2) とこれぞロック!といった名唱を聞かせてくれる。

とくにバッファローステイションという曲でのキレ方はまじで胸のすくようなかっこよさだ。



またこのレコードではツインドラムが最高に効果を発揮していてLRに振り分けられたそれぞれのドラムはまるで四輪駆動のバギー。

ヘッドフォンすると耳がなぎ倒されるような感覚が味わえる。

そして何より特筆したいのがホーンの逆回転やムーグの効果音といったスパイス的なモノまでこのアルバムでは必然的な音の暴力として存在している点だ。

そう。この感覚はいままでのロイのレコードにはなかった、、、。

ロイはこのレコードでいわゆる(ロックおたく)をこえて真のパフォーマーに変化した。

ただひとつ残念なのはその音質があまりにこもったロウファイなものという点で聴く人を限定してしまっている点だ。(3)

なによりもこのアルバムは聞いていて何かやる気のようなもの=ロックが腹の底からフツフツとわきあがってくる所が素晴らしく、僕の音楽に迷った時のよりどころでもある。

ああ!今日も聞かないと!!

注釈(1) 英国の人たちはフィルスペ=エコーと勘違いしている。あのでかいリズムこそがフィルスペクターだと分からない所が減点対象。

注釈(2) ロイはギターマガジンの表紙は無理にしても白黒ページで特集を組まれるほどの技量とオリジナリティはもっていると思う。

注釈(3) ロウファイというより単に悪い音ともいえる。ブートなみと考えてもらえればいい。
(12nd.Jun.03)

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