故郷を出るということ
生まれてから今まで引っ越しを12回経験している。人が引っ越しする回数は平均3回らしいので、その4倍経験してるということになる。
来月13回目の引っ越しとなるのだが、ついに、生まれ育ったエリア(都道府県レベルではなく、関東エリアなどの広いくくり)から外に出ることとなる。
進学をきっかけに地元を出てきた友人が、「この地域の人はあまり外に出ないね」と言っていた。確かに、進学も就職も遊びも苦労することのない場所で、出なくても人生が滞りなく進む便利な場所ともいえる。
一方、九州では(特に男性)、一生に一度は地元を出てそこで一旗揚げて帰ってくるのがよいと聞いたことがある。慣れ親しんだ地域で一人暮らしをするだけじゃなく、「故郷を出て異なる文化圏で生活する」というのは、精神的にも鍛えられるのだろうか。
いままで、極端に暑かったり寒かったりする地域の人は、なぜ厳しい環境で暮らし続けるのだろうと思っていた。
(自分の地元も外から見たら、あんな治安が悪い環境で何故…と思われているのだろうが。)
特に豪雪地域のニュース(雪下ろし中の事故など)を見るたびに、人生ハードモードを選択してる人たちだ、と思っていた。人生折り返しの歳になって、自分もそのハードモードに飛び込むことになるとはつゆ知らず。
気候、方言、慣習、価値観、仕事、まるで異なるところに住むのは、とても楽しみだ。元々旅行が好きで、観光地を時間ギューギュー巡るよりも、適度に遊び適度にだらけるスタイルを好んでいて、これを「住むように旅する」と都合よくいったものだ。
春に引っ越す地域は、今まで行ったことが無いからという理由で二年前に訪れていた。当時、コロナでの移動制限が解除されてはいたが、まだまだ旅行の活気が戻っていなかった。その市に滞在中、雨が降ってホテルから歩いて無印良品で行き、折り畳み傘を買った。こんなところにも無印があるんだ、人少ないのに、とうっすら思った。そして今週、ドカ降りの雪の中、その傘を差しながら歩いた。大勢の海外からの観光客と一緒に。
とにかく、死なないようにしよう。楽しもう。
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