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ブランディングとマーケティングの知識をしばふに応用すると??

Hiya! 私の名前はWassamuです。
今週からクリスマス休みが始まり、自由な時間がたくさん。
暇なので、ブランディングとマーケティングの本を読んでみました。

私は、琉球大学で「しばふ」という英語学習コミュニティーを運営していたのですが、この3つの本で学んだ知識をしばふに照らし合わせて、マーケティングとブランディングの観点からしばふを分析したいと思います。

顧客を分類する

しばふの顧客分類

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しばふの顧客は主に3つに分類することができます。
[熱血層]
語学試験のスコア獲得や交換留学を計画しており、必死に英語を勉強している層。リピーターになる可能性が高い。残念ながら熱血層の人口は少ない。2・3年生に多い。
[国際交流層]
英語を流暢に話すことよりも、留学生と友達になりたいという理由で参加してくれる人々。既に英語が話せる人や海外経験豊富な人がこの層に分類されます。そのため、英語に対する情熱よりも、楽しむことが第一優先。リピーターになってくれますが、参加頻度は少なめ。また、日本人との出会い目的や新しい日本人の友達を作る目的で参加する人もここに分類されます。2・3・4年生に多い。
[英会話にかじってみたい層]
漠然と、「英語を話せるようになりたい」という憧れで、参加してくれる人々。この層はもっとも人口は多いが、リピーターになってくれる可能性は低い。1人で参加するのが怖いので、仲の良い友達を連れてくることが多い。1・2年生、大学院生に多い。

どこにターゲットを絞るか?

ここでマーケティングの3つのタイプをご紹介します。
①無差別型マーケティング
全ての顧客層に対して同じマーケティング方法を行うこと
②差別型マーケティング
顧客層ごとに売り方を変えながらマーケティングを行うこと
③集中型マーケティング
ある一つの顧客層にターゲットを絞って、マーケティングを行うこと

 2019年前期のしばふ(旧プチペラ)は、全ての人を対象に集客を行なっている(無差別型マーティング)ように見えますが、実は私たちが行なっていたのは集中型マーケティングでした。つまりターゲットを絞っていました。この時期の一番のターゲットは「かじってみたい層」。その理由は、この層の人口が最も多いこと、そしてこの層には1年生が多いため、長期的に参加してくれることを期待できるためでした。
 しかし、それによる弊害もありました。
ネイティブレベルの英語力を持っているS君のコメントによると、「英語を毎日話すことは大切なことだとわかっているし、もちろん会話の相手が日本人であってもそれは同じ。ただ、英語をほとんど話せない人との会話は学びが少ないと感じる。英語で深い話やディスカッションをできたり、ネイティブの人と話せるんだったら、継続的に参加したいかも」とおっしゃっており、熱血層や英語ペラペラ層にとっては、2019年前期のしばふに対しての満足度は低かったのかもしれません。
継続的にしばふを行なっていくためには、安定的な参加者数が必要であり、それを実現するためには全ての層に対する満足度を上げることが大切です。そのため、しばふに関しては、差別型マーケティングが理想ではないかと考えています。

[ここからわかること]
・しばふの顧客は大きく分けて3つに分類することができる。
・しばふの参加者数を伸ばすには、顧客分類に応じてマーケィング方法を変える差別型マーケティングが有効かも

もう一つの分類方法:ライフステージによる分類

 当たり前ですが、人はライフステージ(年齢や立場、収入状況)によってによって消費行動が変わるらしいです。そのため、ライフステージをもとに顧客を分類することができます。

しばふに参加してくれる琉球大学学生のライフステージの例
1年生:英語を話せるようになりたい。留学に少し興味があって、海外にいければいいな、とぼんやり憧れる
2年生:留学に向けて熱心に英語の勉強を行っている
3年生:留学に行くことが決まって、留学のための英語を準備中
4年生:留学帰り。英語力の維持に悩む。ただ、就活やゼミで忙しい

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この図は学年と潜在顧客数(顧客になりえる可能性のある人々)の予想グラフです。
この予想は、ライフステージや実際のしばふ参加者数を参考にした個人的な推測にすぎませんが、大方間違っていないことと思います。

[ここからわかること]
・ライフステージによって、しばふに期待していることが変化していることがわかる。(学年の変化に応じてニーズが変化する)
・学年が上がるにつれて潜在顧客の減少傾向が予想される。

イノベーター理論

イノベーター理論とは、新製品の受け入れやすさによって人をグループ化し、商品普及との関係を理解するマーケティング的な理論です。
具体的に、消費者は以下の3つに分類される

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(写真は、山下貴史. 世界一わかりやすいマーケティングの本、第2章より)

 2019年前期のしばふは、多くのイノベータと、若干名のアーリーアダプタの参加が多かったのではないかと感じています。今後は保守的な人々をも吞み込めるようなコンテンツを作っていけることが理想。図の右側に特徴として「他人に自慢できることを重視する」「他人の意見を気にして追随する」と書かれているように、人間が消費行動を行う際には、他者からどうみられるかを大きく気にする。特に学生はインスタなどでリア充アピールが大好きなので、この心理をうまく利用して顧客を増やしていければと思う。

[ここからわかること]
 このイノベータ理論を活用した具体的な戦略を一つご紹介します。
それは"記念撮影”戦略です。
しばふの終了時間が近ずいたら、GCCメンバーがそれぞれの会話グループに近寄り、彼らの記念写真を撮ってあげるというわけです。記念写真を撮ることで、顧客がインスタに投稿できる写真を手にする。これにより、顧客がインスタに投稿する確率が上がる。これまではしばふ中に写真を撮影する機会はゼロで、顧客がインスタに投稿することもなかった。この戦略により、顧客は英語の活動に参加したことを他人に自慢できるし、それをみたフォロワーがしばふに興味を持つ。加えて、写真をシェアするために参加者同士がSNSを交換する可能性が高く、これがメンバー同士が仲良くなるきっかけになりえる。

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 余裕があれば、この戦略を実験してみて欲しいです

しばふを育てるためのアイディア

しばふをもっと育てるための実験的なアイディアをさらに紹介します。

[しばふFamilyの結成]
しばふの運営は基本的にGCCが行っていますが、しばふの常連メンバーに運営の一部を協力してもらうこともできるのではないかと考えています。例えば、初参加者に積極的に話しかけてもらったり、グループ替えの際に協力してもらったり。具体的には、まずしばふ常連さんのみのLINEグループを作る。そこで事前に「初参加者には積極的に話しかけて、緊張を解いてあげてほしい」と伝えておくことで、初参加者にとってウェルカムな雰囲気を作ることができる。また「時間が来たら、常連メンバーの間でメンバー変更を行って」と事前に伝えておけば、スムーズにメンバー変更が行える。
 このように、「顧客から運営者へ」役割が変わることによって常連メンバーになんとなく責任感と、しばふへの愛着がより一層湧くのではないかと考えています。
また、その責任感から、主体的に広告に協力してくれる可能性も期待できます。
加えて、常連メンバーが運営の一部をサポートしてくれることによって、GCCメンバーの運営への負担も軽減されることと思われます。

[出入り自由の”ゲストハウスの共有スペース”的なデザイン]
 ゲストハウスにチェックインして、その夜にゲストハウスの共有スペースでのんびりするのっていいですよね。いろんな国からいろんな人が集まって、そこで会話するのが結構楽しい。こんな雰囲気をしばふにも作れたらいいなって思っていました。2019年前期はCそんと僕が真ん中に立って、始まりの挨拶だったり、グループ分けをしていましたが、それがなんとなく堅苦しく、英語の授業っぽい雰囲気を作っていたのかもしれません。
 一つの実験的なアイディアとして、”チェックイン方式”を試してみてはいかがでしょうか?手順は以下
(はじまる前)
・GCCメンバーは、15分前にはしばふに待機
・話題カードを散りばめて、座るエリアをわかりやすく作っておく
・目立つところに机を移動させて、チェックインカウンターを作る
そして、参加者が到着次第、参加者のチェックインを行う。参加者シートに名前を記入してもらい、自由に席を選ばせる。また、「チェックアウトは自分の好きな時間に自由に出入りできます。」と伝える。
友達を連れて複数で来てくれた人には、「友達と一緒のグループにしますか?」と聞く。
(流れ)
・終了の時間が近づくと、「Let's take a picture in memory of today」と言って、グループの誰かのスマホで写真を撮ってあげる(これにより参加者同士が、連絡先を交換するきっかけ、そして友達作りのきっかけになる。また、写真を撮ることによって、その写真をSNSに投稿してもらうきっかけになり、しばふの広告につながる)
・勝手に解散させる
・話題カードの回収
(メリット)
・運営が楽。作業が少ない。
・ゆるい雰囲気を作れる。授業っぽくない
・参加者数の記録を確実に行える
(デメリット)
・グループチェンジしにくい


[リピーターをいかに定着させるか?]
 顧客の分類で述べたとおり、しばふの参加者数を安定させるためには、しばふの満足度をあげ、リピーターを増やすことが非常に大切です。そのリピーターを増やす方法としてブランディングが有効です。

ブランディング

 ブランディングとはブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つらしいです(ウィキペディアより)。
そして、ブランドは2つに分類できるらしいです。それは
ブランドアイディンティティーとビジュアルアイディンティティー。
簡単に言うと、ブランドアイディンティティーは内面。その組織の哲学や方向性、ビジョン、目標、雰囲気などのことです。
一方ビジュアルアイディンティティーは外面。装飾やロゴ、提供するコンテンツのデザインのことです。つまり、ビジュアル化されたブランドということ。
これは人に例えることもできます。例えば、ブランドアイディンティティーはその人の思想や嗜好、哲学、将来の目標など。そしてその人の思想や嗜好にもとずいて服装や行動、などのビジュアルアイディンティティが決まってくるということです。

具体例を紹介しましょう。
格安量販店、ドンキーホーテーのブランドアイディンティティーは「宝探しをするようなワクワク感、魔境感」です。
そして、ビジュアルアイディンティティーは、例えば、天井までものが積み上がり、景色が遮られ、ものが溢れている感じが魔境っぽいこと。他のお店では売っていないようなレアな商品を見つけることができる宝探し感。変なペンギンのデザインや、店の前の熱帯魚の水槽などなど。
ブランドアイディンティティーである「宝探しのワクワク感、魔境感」というコンセプトがビジュアルアイディンティティとして統一されていることがわかります。

[ブランディングの知識をしばふに当てはめると?]
 まず、現在のしばふには明確なブランドアイディンティティが言語化されていないこと。そしてそれがメンバー内で共有されていないことが課題の一つです。そのため、ビジュアルアイディンティティが統一できていません。

しばふのコンセプト・存在目的・雰囲気をもう一度考えてみると
・しばふのコンセプトは「日常に海外を」
・しばふの存在目的は、少しでも多くの学生が英会話の継続を行えるような場を提供すること。
・しばふの雰囲気はカジュアルでゆるい雰囲気
かなと、個人的に思います。

そこからしばふブランドアイディンティティを勝手に考えてみました。
[個人的に考えた、しばふのブランドアイディンティティ]
<コンセプト> ”日常に海外を”
<設定> 夏休み、大学2年生の女子3人はグアムに旅行をしに来ている。近くの屋台で夕食を食べた後、泊まっているおしゃれなゲストハウスの共有スペースで今日の旅行の話を振り返ったり、写真を見てリラックスしていると、そこに、海外からのトラベラー3人が話しかけてきた。そこで英語で、今日行った場所の話や、自分たちの国の文化や、自分たちの大学生活などを話して盛り上がり、仲良くなった。

これはあくまでも例ですので、参考にする必要はありませんが、ここまでの説明でブランドアイディンティティとは何か?が理解できたのではないでしょうか。それは、サービスのコンセプトや目的、雰囲気をもとに、顧客にどのような体験を感じてもらいたいか?を考えるということです。

上記で挙げたしばふのブランドアイディンティティのキーワードを書き出すと、、
「海外女子旅」
スウィーツ
可愛い服
写真・動画(フォトジェニック)
愚痴、恋話
美味しそうな料理
くだらないボケ
パスポート
麦わら帽子
サングラス
BGM
おしゃれなカフェ・レストラン・ゲストハウス
などなど。。


そしてこのブランドアイディンティティをビジュアルアイディンティティに落とし込むとこうなります
・グアムっぽいデザインで統一する。例えば熱帯の植物のレプリカを置いたり、グアムの写真やアートを飾ったり。ゆるいBGMを流したり
・自由に席を決めれたり、友達と一緒のグループで会話ができたり。
・ゲストハウスのようにチェックイン型にする
・あえて友達同士を同じグループにする
・世界の写真のアルバムを置いておく

要するに「細かな設定を作って、デザインや運営方法に統一感を出す」ということが大切ということです。これにより、顧客が実際にグアムでゲストハウスでゆんたくしている擬似体験ができるのです。

(個人的な意見)
 ブランドアイディンティティは女性向けにつくることで、幅広い支持を集めることができると感じます。女性向けのブランドアイディンティティでも、男性はいとわずに利用してくれるものです。現在のブームをみてみると、例えばインスタ、タピオカ、テラスハウスなど、もともと女性にウケるようにデザインされたものでしたが、実際には男子も気にせず楽しんでいる場合が多いです。逆に、男性向けにデザインされたものは女性は利用しにくい場合が見られます。例えば、カメラ、マラソン、コーヒー、バイク、ジムなどは、かつては「男臭い趣味」として考えられ、女性の間に浸透するのに時間がかかったらしいです。


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