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自分の為に科学的な英語学習をまとめてみた

 英語力をもう一歩上のレベルにパワアップさせたい!と思い、しっかり科学的に信頼できそうなweb上の英語学習方法や理論、仮説をまとめてみました。

英語力の向上を妨げる「情意フィルター」とは?
~お酒を飲むと英語がいつもより話せる?~

 みなさんの経験として、お酒を飲んだ時、「英語がいつもより話せる!」と感じたことはありませんか?それはお酒が心理的なストッパーを外してくれるからです。私たちが英語を話す際、情意フィルターという心理的なバリヤーが働いています。言語学者のスティーブン・クラッシェン氏によると、「情意フィルター仮説」とは、英語を話す際の不安や自信のなさといった負の感情が、第二言語の習得において障壁となるという仮説です。これは例えば、「自分の英語は間違っているから、どうせ相手には伝わらない」といった不安が当てはまります。このように、自分の英語力や発音に自信がなかったりすると自然と情意フィルターが上がってしまい、結果として効率的な英語習得の妨げとなってしまうのです。
 個人的な経験として、留学期間中、情意フィルターにかなり苦しめられました。私は日本ではそこそこ英語を喋れる日本人で、自分の英語力に自信があったため、どんどん英語を喋ろうと意気込んでいました。とても高いモチベーション。しかし、イギリスでは、そうはいかない。自分の言っていることは何度も聞き返される。なかなか伝わらない。伝わらなくて、自信が失われて、どんどん声が小さくなる。そして、もっと伝わらなくなる、という悪循環でした。
 上記のように、不安やプレッシャーが効果的な英語学習を難しくしてしまいます。しかし、お酒を飲むことで、この心理的な影響を減らすことができるのです。
 残念ながら、英会話の場面ではいつもお酒の力を借りられるわけではありません。それではどのようにしてこの情意フィルターを軽減させることができるのでしょうか?具体的な解決策を4つご紹介します。
①「間違った英語でもいい。伝われば結果オーライ」という軽い気持ちで臨む
 英語は地球上の67カ国で話されていて、それぞれ地域差が大きくあります。イギリスだけを見ても、スコットランドとロンドンの英語は全く違っており、ネイティブスピーカーの間でさえ、お互いの英語を聞き取れない場合があるのです。なので、ネイティブの人々は間違った英語や癖のある発音にある程度慣れていますので、間違いに対しても寛容です。言いたいことを伝えるのに時間がかかったとしても、最終的にそれが伝われば、それでいいのです。このことを理解するだけでも、自然と英語を間違えることに対する不安は減るのでは無いでしょうか。
②大声で話す癖をつける
 英語を話すときはいつもよりも2倍ほど大きく口を動かして、大きな声で話す癖をつけましょう。自分の英語が通じなかったとき、私たちはつい「自分の発音が間違っているのかも。」「間違った表現を使っているのかも」などと色々と考えて不安になってしまうのですが、実はただ単純に声が小さくて相手が聞き取れなかっただけ、ということがよくあります。自分の英語が伝わっていないと感じると余計な不安が増幅してしまいますが、単に堂々と大きな声で話すだけで問題が解決することもあるのです。口を大きく動かし、お腹から声を出すようにして大きな声で英語を話せば、自然と正しい発音もしやすくなります。ぜひ意識しましょう。
③発音を磨く
「発音はそれほど大事ではない」という意見を聞くこともありますが、発音を磨くことにはいくつものメリットがあります。まず、リスニング力が上がります。自分が発音できる音は、しっかりと聞きとることができるからです。しかし、それ以上に発音を鍛えることで得られるメリットは、スピーキングに自信がつくということです。日本人が英会話に自信を持てない大きな理由の一つは「正しい綺麗な発音ができないから」というものです。「下手な発音だと馬鹿にされるのではないか」という不安が英語での発信や上達を妨げているのです。また、綺麗な発音を相手から褒められることで、より英語学習に対するモチベーションも上がります。発音を磨くことは、情意フィルターを取り除くうえでとても有効なのです。
④場数を踏む
 最終的なアドバイスはとにかく英語を話す機会を少しでも増やすことです。大学の英語サークルで日本人同士で英語を話してみたり、留学生パーティーに参加していろんな国の人と英語で話してみたり、様々な環境で英語を話す機会を経験することで、英語を話すことへの恐怖心を減らすことができるはずです。

英語を話せるようになるには何時間必要か?

 アメリカの米国国務省の付属機関、The Foreign Service Instituteの調査によると、日本人が英語を習得するためには、2200時間必要。
ほとんどの日本人は中学校、高校、大学で1000時間は英語を勉強しているので、あと1000時間の英語学習が必要ということです。つまり大学生は1日約3時間ペースで英語を学べば、英語を1年間でマスターできるという計算になります(Languages of the World ©️2007)。

英語を話せるとは?英語を話すまでの4つの脳内プロセス

 ミシガン州立大学の第二言語学習の専門家、Susan M. Gassによると、英語を話せるようになるには以下の4つのプロセスが必要らしいです。

①Noticed Input (聞き流しではなくしっかり集中してその表現をインプットする)

②Comprehended input(その表現を理解する)

③Intake(使ってみる)

④Integrate(無意識にでもその表現を使える状態にする)

Output

①Noticed Input(聞き流しではなく、学習に意識をしっかり集中させたインプット)
 短期記憶として、言語を脳内に埋め込むことが大切。聞き流すだけの無意識なインプットでは短期記憶としては残らず、効果的なインプットとはなりません。
②Comprehended Input(文章の意味を理解する)
 これは、インプットした文章の意味を理解、文法構造などを理解することです。
具体的には、例えばあなたがHow's going?というフレーズを聞いたことがあったとする(Noticed Input)。それはどのような意味を含んでいるのか、それをどのような場面で使うのか、を理解するということです。
③Intake(使ってみる)
 例えば、How's going?の意味を理解したとして、それを実際に使ってみる。使ってみることによって、その表現をあなたにとって利用可能な言語として記憶することができます。
④Integrate(無意識にでもその表現を使える状態にする)
 Intake(使ってみる)を繰り返すうちに考えなくてもその表現が口から出てくる状態になります。これがIntegrateの状態。この段階まで落とし込めた表現が多ければ多いほど、英語をより流暢に話すことができるということです。

イメージとしては、仮に最初のインプット量が1だとすると、最終的にアウトプットに活用できる量は 1(インプット)× 0.8(気づき)× 0.8(理解)× 0.8(内在化)= 0.5(統合)と減っていくような感覚です。つまり、第二言語を効率的に習得するためには、インプットの量を増やしつつ、各プロセスの掛け算もできるかぎり高める必要があるということです。

視覚と聴覚を両方使う

 「産業教育機器システム便覧」(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)によれば、人が情報を知覚する割合は味覚1.0%、触覚 1.5%、臭覚 3.5%、聴覚 11.0%、視覚 83.0%となっており、視覚がもたらす影響が大きいことが分かります。そのため、リスニングのトレーニングをするときは音声教材よりもYoutubeやNetflixなどの動画教材を積極的に活用することをおすすめします(https://englishhub.jp/sla/input-importance)。

アウトプットは逆効果?

 日本の英語教育に対して「アウトプットが少なすぎる」という批判が多く挙げられます。他国の教育現場と比較すると、日本の学校ではアウトプットの機会が決定的に足りていなく、改善する必要はありますが、同時に懸念しなければいけない点があります。というのも、第二言語習得研究では、基礎的な能力がない初期段階でアウトプットを強制することをすすめていません。なぜなら、十分に文法や知識が理解できていない段階で無理にアウトプットをしようとすれば、単語や文法が上手く使えずに「変な英語」になってしまうからです。また、その「変な英語」が脳に残り、身についてしまう恐れもあります。「変な英語」を身につけないためにも、学習を始めたばかりの初期段階ではインプットに重点を置いて基礎を固め、レベルの向上に従ってアウトプットの量を増やしていくのがベストです。インプットも単に単語や文法を覚えるのではなく、英単語の意味は日本語に訳さず英語で覚えるなど、英語を英語で考える「英語脳」を鍛えながら進めるのがコツです。そのような練習を積み重ねることで、アウトプットの準備が整っていきます(https://englishhub.jp/sla/input-output-balance)。
 ただ、個人的にはアウトプットを積極的に推奨しています。ほとんどの大学生は受験時に十分な英語の知識をすでに学んでおり、すでに英語でコニュニケーションをするための能力があると考えています。すでに持っている知識を流暢に使えるようにアウトプットを繰り返すと、ある程度のコミュニケーションは可能になります。また、そのアウトプットを通して、足りてない単語や表現を効率的にインプットすることができます。

5行エッセイ。ハーバード式英語学習法

「書けない文章は、話せない」

[やり方]
①結論を書く
②理由を3つ挙げる
③結論を繰り返す

[例]
①結論を書く
Christmas is an important day.
②理由を3つ挙げる
Family members gather on this special day to celebrate.
We can have feasts like turkey, and cakes.
That's so fun to exchange Christmas presents. 
③結論を繰り返す
One of the most lovely days is definitely Christmas. 

[メリット]
・簡単
・様々な事柄に簡単な意見を持てるようになる

ハーバード式英語学習法について詳しくはこの本で
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01917C8MA/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B01917C8MA&linkCode=as2&tag=harch2015-22&linkId=98e37c4d53956b7a39820ce5a80928f2

留学で英語力は伸びるか?問題

留学経験から感じた、個人的な意見。
「直接的には」留学で英語力は伸びない。
その理由。
・意味をしっかり理解した効果的なインプットを行わない限り、使える英語力は身につかないから。
・(英語学習初心者が留学する場合) 基礎的な英語力が無い状態で留学に行っても、現地の人間とコミュニケーションが成り立たちにくく、人間関係の構築が難しい。結果として、英語を話す環境を作れずに終わってしまうケースが多い。
「留学すれば、英語力は伸びる」という考えは、捨てるべき。

逆に、、
留学することにより、「間接的に」英語力は伸びる。
その理由。
・アウトプットの機会が多い。外に出れば、朝から晩まで英語のみの生活。そのため、もっと単語をインプットしないとヤバイ。。。という危機感を強く感じる。
これにより、英語力が伸びる。
・日本語から逃避できる

シャドーウィング

もともとは同時通訳者のトレーニングだった英語学習法、シャドーウィング。
現在では、最も支持されている英語学習法の1つです。今日は、しゃど

[やり方]
①音声を聞く
②音声の後に続き、ボソボソと話す
③スクリプトを読んで、意味を理解する
④音声の後に続き、スクリプトを読みながら音読する
⑤音声の後に続き、大きな声で話す(シャドーウィング)

[ポイント]
・⑤の際に、意味をしっかり理解しながらシャドーウィングを行うこと
・自分の音声を録音して、正確に発音できているか確認することもオススメ
・いちおう、上記の5つのステップを踏むことが理想だが、めんどくさいときは⑤だけでもオッケー。やる気が出ないときは手を抜いてもいいので、とにかく継続することが大切。
・教材は、8割ぐらい理解できるぐらいのレベルのものを選ぶこと

[シャドーウィングのメリット]
・発音が改善されることにより、リスニング力が上がる
 自分の口で発音できない音は、聞き分けすることができないと言われている。シャドーウィングをすることで、ネイティブに近い発音で英語を話し続けることができる。これにより、正確な発音を覚えることができ、同時にリスニング力も向上する。
・英語の処理能力が上がることにより、リスニング力が上がる
 英語初心者がリスニングを行う際によく起こる現象がある。それは、流れている音声を聞くことに集中しすぎて、30秒前に何を聞いた内容を忘れてしまうという現象。
リスニングの際、あなたの脳内では2つの機能が働いている。それは音声の「処理」と「記憶」。音声の「処理」とは、音の聞き分けを意味しており、具体的には、話された単語の認識や、聞き分けなど。シャドーウィングを繰り返す事で、処理能力が上がり、文章の意味がより理解でき、それが短期記憶として脳に残りやすくなる。結果として、リスニング力が向上する。
・スピーキングの際の流暢性が向上
上記と同等の理由で、ネイティブに近いスピードで英語を話すことで、英語を話す際の口の筋肉の使い方を習得できる。

[シャドーウィングに対する批判]
・英語学習初心者は英語の音声処理能力が低い。そのため、効果的なシャドーウィングを行うだけの処理能力が無い。結果として、音声を左耳から右耳に流すだけになってしまうだけで、全く効果が無いのでは無いか?。との指摘もある。英語発音を専門に動画を投稿しているYoutuber曰く、英語学習初心者にはコピーイングがオススメらしい。

[シャドーウィングのためのオススメの教材]
・TED
・Netflix
参照:https://englishhub.jp/method/shadowing
https://www.simulacademy.com/column/tips/shadowing
https://mysuki.jp/english-shadowing-3762
https://youtu.be/HIlBJCRIvr4
https://youtu.be/eIYbR4FwB6g

オーバーラッピング

オーバーラッピングとはリスニング力を高める英語学習方法の1つ。
[やり方]
スクリプトを目で追いかけながら、シャドーウィングをする
[メリット]
ネイティブスピーカーがどのように単語を発音しているかが、理解できるようになる
参照:https://englishhub.jp/method/overlapping


サイトラ

[方法]
1つの文章を(/)を入れながら意味のかたまりを作りながら訳していく
[例]
I am writing about sight translation bacause it is the best way to improve English skills

この場合、下記のようにチャンクごとに文章を区切り、これを前から声に出して訳していきます。訳すときは、英語→日本語、英語→日本語、という順番でチャンクごとに英語を読んでから和訳をしていきます。

I am writing / about sight translation / bacause it is the best way/to improve English skills(私は書いている/ サイトラについて/なぜならそれはベストな方法だから/英語力を伸ばすため)

これだけ。非常にシンプルです。文章のどの部分に(/)を入れればよいのか?と疑問に感じた方もいると思います。基本はチャンクだけで意味が理解できるが大前提になります。

たとえば、「I am/writing about sight translation bacause/ It is the best/ way to improve English skills」のように(/)を入れた場合、効果的に意味のかたまりを作れておらず、とても理解がしにくいです。(/)を入れるときは「自分が理解しやすくさせるための意味のかたまりづくり」を意識していきましょう。

[メリット]
英語を頭から理解できるようになるので
・英文読解力の向上
・リスニング力の向上
が期待できる
参照:https://englishhub.jp/method/sight-translation


参考



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