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[4369]トリケミカル研究所

                         2023年1月19日版

概要
半導体用の高純度素材を製造している。半導体、太陽電池の製造に必要な高純度化合物や臭化水素が主力製品。売上規模はまだ116億円と小さいが、10年平均EPS成長率34%で高成長を続けている。営業利益率も35%と高い。レオスキャピタルワークスが7.6%の株式を取得している。

本社:山梨県上野原市
設立:1978年
事業内容:半導体等製造用高純度化学化合物事業
売上高:116億円
従業員数:237名(連結)

製品概要
1)CVD(化学気相成長法)材料
 CVDはシリコンウエハー上に膜を形成する技術で、 膜の素材に
 高誘電率材料、低誘電率材料、金属窒化膜材料が使われる。
2)ドライエッチング材料
 シリコンウエハーに形成した膜に凸凹をつけるのがドライエッチング。
 ドライエッチングには臭化水素が使用される。
3)拡散材料
 シリコンウエハーに回路(電気を通す)を形成する際にシリコンとは
 異なる材料が使われる。ホウ素、ガリウム、インジウム、リン、ヒ素、
 アンチモンなど。

主要顧客
台湾、韓国、日本

業績(2013年~2022年:10年間)

10年間の業績

10年間の分析をしてみました。

10年間の分析

10年平均ROEは17%で基準の12%をクリアし、自己資本比率も75.4%と安心できる。過去10年平均EPS成長率は34.8%で10年間で株価は45倍になった。

直近5年間の分析

直近5年平均EPS成長率を計算したところ36.2%と高い成長率率が維持されている。10年後には、株価が16.1倍になる計算。

キャッシュフローの推移

営業CFも毎年増加しており、純利益はキャッシュの裏付けがある。

まとめ
成長性の高いセクターである半導体分野で素材を製造販売している。営業利益率は35%であり、特徴ある素材であることが伺える。日本化学会のブース展示で資料をもらったが有機化合物―金属錯体という特殊な化合物であった。10年間分析の結果では安定した成長を続けている。レオスキャピタルワークスがファンドに組み入れた事も安心材料。米国金利の上昇を受けて2022年度は株価が下がり、現在のPERは15。過去10年のPER安値平均は16なので、割安と判断できる。

参考:研究発表資料
半導体製造用ALD原料に関する研究開発 by トリケミカル研究所 徐永華
https://www.tia-kyoyo.jp/npf/seminar/2021-1/profile/doc/Trichemical.pdf




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