2024 『高松宮記念・日経賞・マーチS・毎日杯』 レース回顧
メイケイエールの引退式が行われました。G1タイトルこそ掴めませんでしたが、全7勝の内6勝が重賞という素晴らしい成績を収めました。ゲートと道中の折り合いが大きすぎる課題でしたが、それが逆に(7.0.0.11)という破壊力の塊誕生に繋がりました。
3/24(日)【高松宮記念】
<レースのPoint>
・予報以上に雨が降り、今年も道悪の高松宮記念に
・G1での前半3F《34.9秒》は超Sペース
・上位2頭は内ラチピッタリ
・外枠の差し勢には出番なし
<1着・②マッドクール>
過去には道悪での勝利実績もありますが、このメンバーに入っても上位の持ち時計があるだけに、道悪はマイナス材料です。それでも内枠や展開などが噛み合ったことが勝因となりました。また、+18kgの馬体増は回復分ですし「まだ緩さを残している段階でG1を勝てたし、まだまだ伸びしろがある」という坂井騎手のコメントからは今後の更なる活躍を期待できそうです。
<2着・軸③ナムラクレア>
先行馬に断然有利の展開を4コーナー10番手から《アタマ差》まで差し込んできました。一番強い内容を残したのは間違いありません。今回も惜しすぎる敗戦となってしまいましたが、秋のスプリンターズSではなんとかタイトルを取ってほしいところです。
<3着・穴⑩ビクターザウィナー>
すごいダッシュ力でハナに立ちましたが、押し切らないといけないラップでした。直線で内ラチ沿いを通らなかったことが敗因。完全な騎乗ミスです。ただ、初の左回り・直線の急坂・遠征競馬を全てクリアしての好走は評価できます。
<4着・穴⑬ウインカーネリアン>
1400mすら走ったことがありませんでしたが、初の1200mでも番手が叶いました。大きな展開利はありましたが、外枠からよく頑張っています。
<6着・⑤トウシンマカオ>
「この緩い馬場ではいつもの走りができなかった」(ルメール騎手)
<7着・穴①ビッグシーザー>
絶好枠でしたが、G1の壁に跳ね返された形。現状ではこれが精一杯でした。
<8着・⑭ママコチャ>
「暖かくなってこないと本来の走りができないのかなという印象」(川田騎手)
<10着・ア⑥ルガル>
今回も課題のゲートを決めたにもかかわらず、ここまで負けてしまうのは意外でした。敗因も分かりません。
<14着・穴⑧ソーダズリング>
「距離よりも馬場、のめって走っていた。最後は嫌気がさしていた」(武豊騎手)
3/23(土)【日経賞】
<レースのPoint>
・1000m通過《60.0秒》1000m〜2000m《61.1秒》
・横山典騎手の奇襲もペース早くない
<1着・⑥シュトルーヴェ>
結果的に重い芝・右回りをあっさりクリア。全く違う能力を要求される舞台での連勝で本格化してきた印象があります。鮫島駿騎手は「レースセンスが良く、乗りやすいし、何も癖がないのが良いところ」とコメントしています。
<2着・⑩クロミナンス>
今回は2500mへの距離延長だけがポイントでしたが、全く問題なくこなしました。良馬場も間違いなくプラスに働いていますが、前走からの充実ぶりが目立っています。
<3着・ア⑤マイネルウィルトス>
2500mへの距離延長はプラスに働いており、内容も決して悪くありませんが、「手応えほど最後は伸び切れなかった。年の割によく頑張ってくれているのですが…」と横山武騎手も満足していません。
<4着・②マテンロウレオ>
「気性が難しい。内容的には課題が残る内容」という昆師のコメントもあるように、能力を最大限発揮するのが難しいタイプのようです。最近の中では一番見せ場を作っていますが、押し切っていいペースです。
<5着・軸⑨ボッケリーニ>
G1以外で崩れたのは2021年の中日新聞杯以来です。浜中騎手は「返し馬からもいつものボッケリーニだった」と振り返っていますが、走りは物足りません。さすがに年齢による衰えが始まってしまったのでしょうか?
<7着・穴①ヒートオンビート>
石川騎手は「周りに馬がいた方がしっかり走れるタイプ。いつもと違う形になって集中力を維持するのが難しくなった」と敗因を挙げています。最内枠から前目につける最高の乗り方でしたが…
3/24(日)【マーチS】
<レースのPoint>
・1000m通過《60.9秒》(M)
・ミトノオーについて行った馬たちは失速
・上位2頭で後続離す
<1着・穴①ヴァルツァーシャル>
2着馬が押し切ろうとしているところを差し切る強い競馬を見せました。スタートが課題なので最内枠がどう出るかと思っていましたが、良すぎるぐらいのスタートでした。
<2着・⑬ミトノオー>
外枠からでもハナを切ることは予想できましたが、地方の重いダートが合わないようです。これで中山1800mで(2.1.0.0)となりました。押し切っていいペースではありますが、勝ち馬の決め手を褒めるべきでしょう。
<3着・穴⑭ペイシャエス>
前の2頭からは《3馬身差》をつけられてしまいましたが、横山和騎手は「調教では少し背腰がまだかなと思っていた」とコメントしました。良化途上に加えてトップハンデ58kgを背負っての好走は大きく評価できます。
<6着・ア⑫ブライアンセンス>
物足りない内容です。前走の東海Sは時計が早すぎただけに、重いダートに替わる点が魅力的でしたが、これでベストは良馬場の軽いダートと確定しました。
<8着・穴⑦ゴールドハイアー>
スタートで出遅れてしまいましたが、あまりにも見せ場なく終わってしまいました…
<12着・軸②キタノリューオー>
勝ち馬とは近2走で好勝負を演じてきただけに、明らかに負けすぎと言えます。
3/23(土)【毎日杯】
<1着・穴④メイショウタバル>
先週のスプリングSをフレグモーネで回避。陣営は戦前から「影響はない」と話していましたが、割引材料にはなってしまいます。それでも一瞬にして後続を《6馬身》突き離す非常に強い走りを披露しました。また、坂井騎手が「こういう馬場も好きだと思う」と振り返っているように、道悪が合っているのは確かですが、勝ち時計の《1:46.0》と上がり最速《34.4秒》は道悪の影響を感じさせません。良馬場でも十分やれるでしょう。
<2着・軸①ノーブルロジャー>
「1800mでもよく我慢してくれた。勝ち馬とは馬場適性の差が出た」(川田騎手)
<3着・ア③べラジオボンド>
「馬場は良い方がより良い」(岩田望騎手)
<4着・⑦ファーヴェント>
「勝負所でズブさを見せてしまい、手応えほど動き切れていない感じ。馬場は何の問題もなかった」と松山騎手。これまで騎乗してきた全てのジョッキーが負けても負けても絶賛してきましたが、一戦ごとに内容が後退してしまっています…。晩成型としか思えません。
<6着・穴⑨サトノシュトラーセ>
結果的に1800mは短すぎる印象。将来は長距離馬になるかもしれません。
<8着・ア⑩ニュージーズ>
「休み明けでこういう馬場ですぐに疲れてしまった」(ルメール騎手)
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