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近藤誠一の麻雀はなぜ魅力的なのか


こんにちわせりん、わせりんです。

少し記事の間が空いてしましましたね。全国のわせりんファンとアンチの皆様ごめんなさい。

Mリーグ史上でも屈指の名場面が生まれました。皆さんも嫌と言うほど目にしたと思います。

タイトルにもなっていますが、近藤誠一プロの奇跡の倍満ツモです。

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私が、Twitterを見ている限りではここまで大きな熱狂を生んだのは初めてかと思います。それくらい熱気がすごかったです。


探せばどんどん出てきます。枚挙にいとまがありません。

私自身も、素直にすごいと思いました。

ファンに怒られそうですが私は近藤プロの麻雀を強いとは思っていません

正確に言うと、基本的にはめっちゃ強いんだけど適当なところが多すぎて全体としては強くない

と思っています。

こんなことを言うと、近藤プロは私たちの理解できない次元で戦っているとか、近藤プロは何か得体の知れない強さがあると言う人が出てきます。

その通りだと思います。

私も、近藤プロの牌譜をたくさん見るのはもちろん、最近でた本も早速手に入れて読ませていただきました。天鳳の成績も調べました(全体で安定段位7.4くらい。いい成績ではないですね)。

私は記事を書いているので論理派と思われがちですが、ガチガチの感覚派で考え方は近藤プロに近いです。

言ってることは理解できるところがたくさんあります。

それでも、麻雀はそんな簡単なゲームじゃないです。細かいロジックをきちんと考えて要所で感覚を信じて決断する人間と、大雑把に打牌しつつ要所で感覚を信じて決断する人間では大きな差が出ると思っています。

名前を挙げるのは恐縮なのですが、多井プロや堀プロと近藤プロには天地ほどの差があると感じます。

ただ、近藤プロの打牌が私たちを魅了し感動を与えてくれることは確かです。

少し話は変わりますが、

実は、この近藤プロの奇跡の倍満ツモに全く反応していないMリーガーが1人だけいます。

多井隆晴プロです。

他のリーガーはタイムライン上で絶賛していたにも関わらず多井プロはノータッチ。一番盛り上がった場面なのになぜ多井プロはダンマリを決め込んだんでしょうね。それは、ある思いがあってのことだと思います

その点も含めて、近藤プロへの賞賛とMリーグに関わる人たちへの苦言を最後に書いています。

楽しみにしててください。

いつも通りの、Mリーガーの観戦記事なのですがメインは最後の近藤プロのまとめになります。

そのため、観戦記事は全部無料で見られる様になってます。麻雀にしか興味がない人は無料部分だけ読めばいいと思います。全国の無料ラバーの皆さんよかったですね。

今回取り上げる試合は、

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3月4日に行われたこの試合になります。

え!?近藤プロの奇跡の倍ツモの試合じゃないじゃん。

と思われる方もいると思いますが試合としてはこちらの方が勉強になる部分があったので。

おまけとして、さらに近藤プロについて取り上げてるって感じですね。

ぜひ、最後までご覧ください。


◉はじめに

近藤プロと明暗を分けた選手がいますね。

朝倉プロです。

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[Mリーグ成績速報(Twitter:@mleague_results)様より引用 ]

これは、この試合前のチームスコアなんですが、残り6戦でカットライン付近のチームが4チームでひしめき合ってます。

ずっと苦しかった朝倉プロ。この試合だけはトップをなんとしてでも持ち帰りたかったでしょう。ですが、願い叶わず大一番でラスを引いてしまいました。

Mリーグでの朝倉プロは自分に都合の悪いデメリットの部分だけを抽出するのが上手くなってしまって、勝つつもりがないんだろうな思いながら見てるのですが、

その思考の性質がある分、手が入らなかったりどうしようもないときの立ち回りは非常に上手です。

変に手が入ると、ここぞと言うときにデメリットを多くカウントして謎の押し引きを披露するのですが、逆に手が入らなくてラス目などになったりするとデメリットを考えても意味がなくなり、強引に上を向いて頑張るしかないので朝倉プロの本来の力が発揮されます。

この試合も、ラスこそ引いてしまいましたが内容自体はここ最近の中ではかなりよかった方だと思います。

明暗の「明」の部分を取り上げる人もいれば、「暗」の部分を取り上げる人も必要でしょう。

今回の観戦記の部分では、朝倉プロと近藤プロの両方に注目して書いています。


今回の記事も

田中航プロからお借りしました。私が作ってと言ったら作ってくれる顔イケメンの私と真逆の心イケメンです。皆さんフォローしてください。

いつもは200円くださいと言ってますが、今回の記事は麻雀部分は無料で読めるのでとりあえず読み進めましょう。

と言うことで、元気よく日本一ためになる、Mリーグ観戦記事に参りましょう。

それではどうぞ。



◉事件簿1:近藤プロ、適当に切る(40/100)

今回のミスレベル:40/100(大阪でマックはどこですか?と尋ねてしまうレベル)

近藤プロが12mを切った場面。

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こう言う部分が、めちゃくちゃ大雑把です。

大きく打つと言うスタイルからペンチャンがあってもリーチのみになるかもしれないのでペンチャンを外して字牌を抱えているのでしょうが、仮に字牌を残しても打点的に高くなりません。

しかも、今回は浮き牌にくっつくだけでリーチをするためのターツが揃うので、どうしても字牌を残したいと言う場合であっても1p切りの方がいいです。

まあ、そもそも字牌一個切ればって話ですが。

細部を気にせず自分の理想の打ち方をするってのは聞こえはいいかもしれませんが、到底トッププロとは思えません。

まあこう言った細かい部分を気にせずに打つから、大事なところでの判断が研ぎ澄まされたりってのがあるのかもしれませんが。


◉事件簿2:朝倉プロ、ターツ選択を間違う(20/100)

今回のミスレベル:20/100(教科書に蛍光ペンでマーカーを引くだけで満足してしまい、全く暗記していないレベル)

朝倉プロがターツ選択で45pを切った場面。

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難しいですね。枚数としては69sが一枚枯れているだけなのでほぼ互角。

となると、場況や打点と和了率のバランスを考えて打牌しなければいけません。

もちろん、和了率を考えると36pよりは69sや69mの方がいいので45pを切ることになるのですが、和了率を考える上でもう一つ大きな考え方が抜け落ちています。

それは、ダマにできるかどうかです。

通常のフィールドであればそこまで考慮しなくていいのですが、相手がきちんと守備をしてくると、どうしてもリーチの時の和了率が下がってしまいます。

Mリーグの平均放銃率は11%ほど。これは通常のフィールドよりは守備の傾向が高く(天鳳でも天鳳位ですら放銃率は12%弱あります)、リーチが少しだけあがりづらいと考えられます。

当然ですが、相手が押してきやすいメンツであればあるほど待ちが端にかかっていることは意味が出てきますが、相手がベタオリすればするほど意味は薄くなってきます。

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この場面では45pを払ってしまうと、全ての入り目でリーチをするために良いターツを残して和了率を上げるメリットが少なくなってそうです。

78mか78sを払えば、6mや6sを引いたときにタンピンイーペーコ赤のダマのマンガンに取ることができます。

ダマにできる分和了率はそこまで変わらないと考えると、打点が45pを残した方が高くなりやすいので今回は78mか78sを切るのがいいと判断しそうですね。

まあ、そもそもタンヤオがつきやすい方を残すのが基本なので平面的にも45p切りだけは無いです。

78mと78sのどちらを切るのがいいかは微妙ですね。

私は、9sが一枚枯れているので、シンプルに78sの方を払うことが多そうです。

まあ、これはどちらでもいいかなと。


◉事件簿3:朝倉プロ、難しい判断(0/100)

今回のミスレベル:0/100(レジ袋を勝手につけてくれたレベル)

朝倉プロが、4pを切った後に發を鳴いた場面。

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チートイとメンツ手を見て4p切り。トイトイかチートイにしないと打点がないのでどちらかにはしたいですね。ドラが浮いているのでチートイの価値は上がっています。

その後、發をポン。

これはかなり難しいですね。

トイトイにすれば打点は確保されるのですが、ドラが大体使えない形になることと、すでに8pが一枚切られていることがネックでしょう。

ただ、發をポンしておくと69p引きでの1000点のテンパイにも取れるのでそれはメリットですね。

朝倉プロもMリーガーの中では鳴く方ですが、それでも副露率は22%くらいなのでポンしたのは意外でした。

私は、ドラが浮いているのでチートイが強いことと、ポンした後にアンパイのないノーテンの状態で守備をしなければいけなくなることを嫌ってスルーしそうです。

8pがション牌ならトイトイになりやすいと見てポンしそうですね。

正直、どっちがいいかはわかりません。


◉事件簿4:近藤プロ、アンパイを持っておかない(30/100)

今回のミスレベル:30/100(サラダチキンを食べすぎて太るレベル)

近藤プロが1pを切った場面。

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切る候補は、4sか1pですが安全度はどう考えても1pが上です。4sを切らないとしたら考えられる理由は4s引きでのタンヤオの変化を見ていたか、4sを下家に切りたくなかったかのどちらかですが、

2344sの4sを引いて、78sのターツが678sになってやっとタンヤオになるくらいですので現実的ではないですね。

下家に4sを切りづらいかってことになりますが、下家は4p→ポンして5pとリャンメンを払っているのでトイトイが見えるような形である可能性が高いですね。

普通のメンツ手であればリャンメンを払った時は赤やドラが絡んだ、それ以上のリャンメンターツがあることが多いのですが今回は發のポンを挟んで45pのリャンメンターツ落としが入っています。

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もし、45pよりもいいリャンメンターツがあるなら45pもより良いリャンメンもどちらも採用すればいいですよね。

この瞬間テンパイしているとしたら、

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このようにリャンメンよりも發を含んだ対子を優先して残していることになるのでおかしいです。

稀にリャンメンよりも發を残す人も居ますがほとんどないでしょう。

つまり、この瞬間は4sはかなり通りやすいです。

自分が2枚持ってて、当たるとしたら大体リャンメンの形ですがリャンメンに当たるのを45p落としが否定してくれています。

まあ、そこまで読まなくても自分の手がイーシャンテンなんですからシンプルに危険牌を先に切って、アンパイを残しておけばいいですね。


◉事件簿5:朝倉プロ、妙手を打つ(0/100)

今回のミスレベル:0/100(お好みで調味料をたくさんかけられるタイプの店に入るレベル)

朝倉プロが9pを切った場面。

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この日のベスト打牌はこの9p切りだと思います。

下家からリーチが入った一発目に何を切るかですね。

候補としては宣言牌の中筋のドラ4pを切ってイーシャンテンに受けるか、完全にオリに回って發を落とすかの二択に見えます。

しかし、朝倉プロが選択したのは無筋の9pの対子を一枚切る選択。

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8pがワンチャンスなことももちろんあるのですが、9pを切っておけば發が暗刻になった時にペン7pでのあがりが望めそうなのが大きな理由でしょう。

そもそも、7pの場況がいい上に、7pが宣言牌にも関わらず誰も合わせていないので山にかなり残ってそうです。

さらに、發をポンした後や發が暗刻になった時にテンパイ時に切る牌がドラの4pになっているために7pを他家が止めづらくなってます。

あがりがかなり見込めるため、おそらく發はポンして4pを切ったと思います。

例えば、

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のような形なら、同じペンチャンが残るとしても和了率がガクッと下がるために發切りでのベタオリを選択していたんじゃないかなあと。

無理しない範囲でギリギリまであがりを目指す、柔軟な打牌ですね。朝倉プロっぽいです。


◉事件簿6:近藤プロ、押しすぎる(70/100)

今回のミスレベル:70/100(自転車を出すときに隣にぶつけてしまい、そこから奥の自転車が全て倒れてしまうレベル)

近藤プロが北を切った場面。

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直感が大事と言うのもわかりますが、誰でも止められるような牌は止めましょう。

愚形だけのリャンシャンテン。6sがアンパイになった。

オリですね。説明するまでもないです。

基本的なことを疎かにしてはいけません。


◉事件簿7:近藤プロ、浮き牌選択をきちんと行う(0/100)

今回のミスレベル:0/100(初めて入社した会社が定時で帰れる会社だったレベル)

近藤プロが5mを切った場面。

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通常であれば8mを切りたいですが、ラス目のこともありますし5m周りの関連牌が切れているのでドラ7mを受けれる8m残しの方が良さそうです。

5mにくっついて良形を作る4mと6mが目に見えて2枚ずつしかないので、8mを残した時に良形になる4枚あるドラ7mを見た方が打点的にもいいから得って考え方ですね。

愚形になった時の差ももちろんありますが、比較としてはこれで十分でしょう。

いい打牌だったと思います。


◉事件簿7:近藤プロ、運がいい(0/100)

今回のミスレベル:0/100(全ての神社で大吉を出すレベル)

近藤プロが、リンシャンカイホーをあがった場面。

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ラス目、親番の赤赤。当然ポンですね。

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南を暗刻にしてテンパイ。上家の南は・・・

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打点を上げるために当然のカンです。

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リンシャンに7mがいてマンガンになりました。

すごい!とか強い!ってなりますか?まともに打てる人であれば誰がこの場面に座ってても同じことになってるはずです。文句を言いたいわけではありません。

しかし、このリンシャンもそうですがこの後最後に紹介する倍満ツモもただ手なりに進めていったら出来あがったものです。

それが、ベストバウトだ!とか最高の試合だ!みたいに言われるのには違和感があります。

見ている人が、そう感じるのはいいんですよ。どちらかというと、盛り上げているMリーガー側に違和感があります。

これに関しては最後に詳しく言いますね。



◉事件簿9:近藤プロ、きちんと先切りする(0/100)

今回のミスレベル:0/100(テストの選択肢から選ぶ問題で、三連続で「ア」なんてことあるか?という誘惑に打ち勝ち見事に正解するレベル)

近藤プロが6mを先切りした場面。

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いいですね。全員に両無筋は中盤以降は先切りして方がいいでしょう。

よく、あがりたい手ならブクブクに構えた方がいいって人もいますがそれは間違いですね。例えばこの牌姿でオーラスのラス目の親番だったとしましょう。

その場合でも先切りが有力だと思います。

と言うのも、6mと5sの縦受けが残ってることによるテンパイ率の上昇って一回のツモあたり3%(麻雀牌34種類のうち1種類に相当するため)くらいの上昇です。

それに対して中盤以降の誰にもワンチャンスでもない6mのような両無筋は大体15%くらいの危険度があります。(詳しくはこちらを参照してください)

となると、自分は一巡で3%しかテンパイ率を上昇させないのに、誰かがテンパイしたら15%くらい放銃してしまうってことになります。

9巡目以降って平均で一人はイーシャンテンになってますから、どう考えても損です。

序盤はイーシャンテンの人が少なく、6mが放銃になるようなテンパイをする他家が少ないという点で自分がイーシャンテンなら持っておくことが許容されますが、中盤以降はイーシャンテンのアドバンテージが少ないので切った方がいいってことですね。

例えばこの手の和了率が30%くらいあるとしましょう。誰かがテンパイしたときに15%で放銃する牌を持っておくと全体の100%のうち15%が放銃になってしまいます。

残りの85%のうち30%あがれるわけですから和了率は25.5%で4.5%低下しています。

毎巡、テンパイ率を3%上げるために誰かがテンパイした瞬間に4.5%の和了率が低下する牌を持ちますかって話です。

持たない方がいいですよね。

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また、今回は完全アンパイと言っていい北との比較で先切りが有力ってことなので、例えばこれがション牌の字牌とかだと完全イーシャンテンにとった方がいいことが多いでしょう。→参考文献

厳密にはまだ加味する要素があるのですが、あがりたいからブクブクに構える方がいいんだ!ってのが間違いであることが認識できればいいです。

実戦では中盤以降の鳴きが使えない手はアンパイが持てるなら両無筋はどんな時も先切り!で覚えておくといいと思います。


◉事件簿10:朝倉プロ、難しい押し引き(10/100)

今回のミスレベル:10/100(神社でお賽銭を投げたら跳ね返って向こう側に落ちてしまうレベル)

朝倉プロが8mを押した場面。

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受け入れ最大の無筋の2sを切らずに、受け入れを減らす無筋の8m切り。

これはドラが6mなら、677mで持っていたら7mはドラ固定のために先切りされるので当たりづらいよねって読みですね。

手としては愚形残りの安手のイーシャンテンなので全部押したくはないですが、8mくらいは打つと言う判断ですね。いいと思います。

次巡、

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4p引きで2s押し。リャンカンになって受け入れが増えたので2sを押しましたね。もうここら辺からは何がいいのか正直わかりません。

点数状況的にはトップが抜けており三人が同じくらいの点数を持っているので平場と同じ押し引きで問題ないとは思います。

ただ、これにチームポイント的な要素も入ってくるとは思うのでどうした方がいいかは分かりません。

多分世の中にわかる人いないんじゃ無いですかね笑

ただ、私は対面の捨て牌が比較的に派手なので7mが関連牌の可能性が高く、7mを残すとなると単純な677mでは無い以上、556778mとか56778mなどの複合系になるので、そうなると自分の4446mの部分のテンパイ率が低くなっている&相手の打点が高そうと考えてオリを選択することが多そうです。

 3巡後、

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9pもプッシュ。

私は同じ理由でオリそうですが分かりません。

強いて言うなら、なんでもできる時にポイント稼ぐリスクを負わず、みんながポイントが最下位のチームを狙い出すときにリスク負って勝負しようとするパイレーツが悪いです。


◉事件簿11:近藤プロ、場況に依存しすぎる(30/100)

今回のミスレベル:30/100(お風呂を沸かしたのを忘れてもう一度追い焚きするもまた忘れてしまうレベル)

近藤プロが1pを切った場面。

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もちろん、ペンチャンよりもカンチャンがいいよ!ってことは近藤プロも知ってるに決まってるでしょうから、これはカン2pとペン7sの場況を考えての打牌でしょう。

確かにソーズの上は切れているので7sは2pよりもよく見えます。

しかし、それでも今回は89sを落とすべきでしょうね。

まず、純粋に7sが一枚枯れているのが大きすぎます。

ただでさえ4枚しかない愚形なのですから1枚の差をひっくり返すのって相当大変です。

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今回で言うと、確かに上家は7s持って無さそう、下家も8sツモ切り→6s手出しなので7s持って無さそうですが対面に関しては分かりません。

とすると、2pを上家と下家で1枚くらい使ってるとしてやっとトントンくらいの枚数です。

ただ、枚数以外にも場況がいいと他家が使えないことが多いのでまだ7sを残すメリットはあります。

しかし、今回はもう一つ重要な要素があります。

それはマンズの部分が11123mであることです。

11234mなどと違って、愚形部分を縦引いた時に差が出すぎます。

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今回で言うと、13pを引くか89sを引いた時に差が出るのですが、ソーズは場況がいいのと引き換えに縦受けが死んでしまってます。

13pは両方とも目に見えて生きているので縦受けの枚数に差がありすぎます。

以上の理由から、今回は場況でソーズがいいとしてもピンズ残しが勝るでしょう。


◉事件簿12:朝倉プロ、素晴らしい一局(0/100)

今回のミスレベル:0/100(机から落とした消しゴムを空中でキャッチできたレベル)

朝倉プロが8pの対子を落とした場面。

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8pが場に2枚切れたのを見て、8pがメンツにならないのでこの時点で8pの対子を落とします。アンパイを持って先切りしつつ8sやピンズからメンツを作りに行く打牌ですね。

また、白を切らないことで近藤プロや寿人プロへの絞り的な意味もあるでしょう。自分の手がどう見ても間に合っていないので奇跡的なあがりを見つつ、たろうプロの連チャンも期待する。

オーラスでなければ6pを切っておいて本当に奇跡的にテンパイした時だけ行くこともできますが、この局で終わる可能性があることを考えるとこのような手組みをするしか無いですね。

苦しいですが、いい打牌だと思います。

そして・・・

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5m見逃し。

麻雀のゲームの性質上、たろうプロがロンしたからロンしないが出来うるのですが(あまりこの問題に関しては誰も言及してませんでしたね)、Mリーガー性善説を信じて最初から見逃す想定で得なのか損なのかを概算してみましょう。

あらかじめ言っておきますが、正確な数値は出ません。あくまでもどのように考えるのかと大枠を掴んで自分の感覚を修正するために概算するのです。

長くなるので興味がない人は飛ばしてもらって大丈夫です!

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はじめに条件を設定します。

・5mを見逃した時に残りの5mは山に一枚残っているものとします。

・たろうプロの大トップ目からのツモ切りリーチはかなり愚形率高めとみて同じく山に一枚残っていると想定します。

この二つの設定を元に概算してみましょう。

①ロンした時

リーチ棒が二本出ているのは共通なので最後に2000点プラスします。

裏が乗らなかった時には2600点の収入

裏が一つ乗ると三着に上がるので順位点含めて25200点の収入

裏が二つ以上乗ると三着に上がるので順位点含めて28000点の収入

になりますね。

裏の枚数をカウントするのは大変なので過程は省きますが、残り山が25枚あるので裏ドラ表字牌が1枚残っている毎に4%裏がのる確率がアップします。

裏が1枚乗るのも、2枚乗る牌も2枚くらい残ってそうなので各8%で計算します。

よって、ロンした時は

2600×84%+25200×8%+28000×8%=6440

ここにリーチ棒2本加えて、

8440点がこれをロンした時に得られる点数の期待値となります。


②見逃した時

これが大変です。まずは流局がどのくらいかを考えます。

計算過程は省きますが、流局するのはちょうど2/3くらいです。つまり66%くらいで流局します。

つまり、 33%で決着がつき、そのパターンは自分のツモ、相手のツモ、相手のロンの3パターンなので。

11%ずつ自分のツモ、相手のツモ、相手のロンがあるってことです。

ツモの時は先ほどと同じ確率で裏が乗る&赤も想定して、計算は省きますが大体4200点ほどのプラスになります。

相手のツモの時は4000程度の損失、相手のロンの時は10000点ほどの損失と考えると合わせて1500点程度。

見逃して決着した時に得られるこの局での得点期待値は2700点程度ってことですね。

あとは、あがった時の8440点に追いつくには5700点ほどが必要なので流局した後に5700点以上の収入が見込めるかを考えればいいです。

流局した時はその時点で1500点の収入が得られます。

1500×66%=990点が流局した時に即得られる点数です。

よって、流局後に4700点が必要になります。

流局後は供託があるために、マンガンをあがれば2着になります。マンガンをあがると着順を含めて50000点の収入になるので10%ほどでマンガンが和了できるとすると

50000×0.1×0.66=3300点

あと1400点たりません。

ここから、マンガン未満をあがって3着になる可能性や、親が連チャンしてその後にマンガンをツモる可能性等を考慮していくんですが、到底計算できません。

しかし、一つ言えるのは残りが1400点だとここから他の条件がついても厳しそうだなってことです。そもそも自分の待ちがまだ1枚あって、相手の待ちが1枚の都合のいい計算でもロンする期待値に追いつきませんから、相手の待ちが2枚いた瞬間に大幅マイナスになります。基本的にはあがった方が得なんじゃないかなとは思います。

逆に、マンガンなど必要なく次の局に何かあがりさえすれば着順が上がるなどの条件であれば見逃しが有力となりそうですね。この計算にもかなり粗はありますが、まあ概算を知るには十分かなとは思います。

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◉事件簿13:近藤プロ、アンパイを選び間違える(40/100)

今回のミスレベル:40/100(パンパンのゴミ袋の口を強引に縛ろうとしたら袋が破れてゴミが散らばってしまうレベル)

近藤プロが5mを切った場面。

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中筋になっており、対面は7mを切っていることからカンチャンもなくて通しやすいとの理由から切っています。

しかし、これはシンプルにノーチャンスで2巡しのげる9pでいいですね。気持ち悪いのはわかりますが、打点が必要な下家は赤狙いや赤5mを含んだシャンポン等があるのでタンヤオもつかずに打点になりにくい9pでいいでしょう。

対面はツモ切りリーチであることを考えると、8pが4枚見えている時点で即リーチを打たないのは不自然なんで9p待ちなんてなさそうですし、安全度だけでも9pの方が優秀だと思います。


◉おわりに

麻雀記事としては、これで終わりになります。なんだかんだでいい試合だったと思います。朝倉プロの悲しげな表情が印象的でしたね。

さて、ここからはタイトルにもあるように近藤プロの麻雀がなぜ魅力的に見えるのかを私が牌譜などを細かく見た結果、分かったことを踏まえて説明していきます。

褒めている部分もありますが、色々と苦言を含めて書いているので、近藤プロが倍満をツモった試合をいい記憶のままにしておきたい人は読まなくていいです。

あんなの運だけじゃないか!とか、感動したけどそんなに言うほどか?とか、そもそも性格が悪い人間です!って人だけ読んでください。

それではどうぞ。


①近藤誠一の麻雀は不良の更生物語と一緒

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