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モーションアクターというお仕事

皆様初めまして。今回の記事を書かせていただきます、広報員のAです。オタク語り極まりない乱筆乱文ではございますがお付き合い頂けますと幸いです。

今回はモーションキャプチャ、モーションアクターについて紹介するとともに、今後の在り方についても考察していけたらと思います。早速ではありますが皆様、モーションアクターをご存知ですか?3DCGの普及によって声優と並んで需要が高まっているお仕事ですので、一度は耳にしたことがあるという方も多いかもしれません。

『THE FIRST SLAM DUNK』プロのバスケ選手がモーションアクターを担当したことで話題になりました。
『ONE PIECE FILM RED』紅白歌合戦での歌唱もモーションキャプチャの技術あってこそですね。
『シン・ゴジラ』ゴジラのモーションアクターは野村萬斎さんが務めています。

いくつか例を挙げてみました。我々はモーションアクターさんの演技を無意識のうちに目にしているのですね。


1.モーションアクターとは

まず、モーションキャプチャとはなんでしょうか。Wikipediaには「現実の人物や物体の動きをデジタル的に記録する技術。」と書かれています。うーん、なんか分かりづらいですね。
要するに現実の人間の動きが2次元に反映されるというわけなのです。
もちろん様々な技術は必要となりますが。

そしてモーションキャプチャに反映させるために、殺陣やダンス等の演技を行うのがモーションアクターのお仕事です。
モーションアクターが着る特殊なスーツには「マーカー」と呼ばれる反射テープのついた玉がつけられています。マーカーは撮る映像によってつける数が変わるそうで細かいモーションが必要な時は、指の関節にまでつける場合もあるとのこと。

2.昨今のモーションアクター事情

私が思うモーションアクターさんの魅力はただの裏方ではないという点です。
元アイドル、元バックダンサー、振り付け師、中には声優も存在します。
声優がモーションアクターもやっている例ではナナニジ、プリティーリズム、ラブライブ!などがあります。

最近ではクレジットにモーションアクターの名前が載るようにもなりました。

私がモーションアクターという存在を初めて意識したのはアニメ『トライブクルクル』がきっかけでした。この作品は「主人公の飛竜ハネルがライバル達とダンスバトルを繰り広げることで、ダンスで人とつながること、表現することの意味を知っていく」というのが大まかなあらすじとなります。

作中で使用されるダンスは日本ストリートダンス協会(JSDA)が監修を行うなど本格的なストリートダンスアニメを指向しているのが分かります。

そのようなこだわりはモーションキャプチャにも表れています。こちらをご覧ください。

見て分かる通りモーションアクターを担当されているのは著名でハイレベルなダンサーさんばかりです。(レベルたっっっか)

この動画が公開されたのは約9年前なので、この頃は「モーションアクター」という職業は世間的にほとんど知られていなかったように思います。この時点で私自身が理解していたのも人間の動きがキャラクターたちの動きの元になっているという点だけでした。

さらにモーションキャプチャの使い方が特異的なコンテンツとして22/7(ナナブンノニジュウニ)を挙げたいと思います。こちらは秋元康総合プロデュース、Sony MusicとANIPLEXがタッグを組んだアイドルプロジェクトとなっています。2017年にはアニメ化もされているのでご存知の方も多いかもしれないですね。

彼女たちの冠番組『22/7 計算中』ではモーションキャプチャが使用され、MCとキャラクターが実際に会話しているような番組に仕上がっています。

撮影風景
実際に放送された映像

上の2枚の写真をご覧ください。動作をしっかりとキャプチャできるようにグリーンバックの特殊な部屋で撮影していることが分かりますね。

また、キャラクターを演じられている声優さんは、実際にモーションアクターとしての活動も行なっているのです。番組だけでなくMVのダンスも声優さんが担当しています。

アクターVer
キャラクターVer

声優の活動、アイドルの活動、さらにモーションアクターとしての活動…。表舞台に立つ方々は本当にマルチな才能を求められるのですね。このあたりからモーションアクターという職業も少しずつ知名度を広げていきました。

そして最近は『アイドリッシュセブン』でのモーションキャプチャの活用が素晴らしかったように思います。2023年5月20日より公開された『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』は全編3DCGを利用した作品です。ライブに参加しているような臨場感が特徴的で、私たち観客もペンライトや応援グッズを用いての鑑賞が可能でした。(ここで映画館がカオスと化し、トンチキ上映という言葉が生まれたり生まれなかったり…)

2022 BLACK or WHITE

映画の大部分がライブパートということでモーションアクターさんの仕事量も半端では無かったと思います。さらに私が感動したのはモーションアクターさんが表立った活動をなさったことです。動画をご覧ください。

 こちらはソリッド・キューブ所属のモーションアクター、奥山敬人さんのダンス動画です。モーションアクターと言えばこの方!と言えるほど様々なコンテンツに携わっている、いわばモーションアクターのパイオニア的存在であると私は思っております。アイドリッシュセブンでは主に主人公である七瀬陸のモーションを担当しており、さらに楽曲の振り付けも行なっている方です。

ダンスオタクの立場から言わせていただくと、奥山さんのダンスって本当に素晴らしいのです。シルエットの線が綺麗でクセがないのに、動きはダイナミックでパッと目を惹きつけるこの感じ…。端的な言葉で申し上げるならモーションキャプチャ映えがレベチです。

そしてこの動画が公開されたことでモーションアクターの凄さがより多くの方に伝わったのではないかなと思います。風向きが変わってきたというか。この感じは数年前の声優さんに似ていますよね。人前に出るお仕事ではあるけれど、やはり裏方でプロフェッショナルな感じが特にそう感じさせるのかもしれません。今となっては声優さんが地上波の番組に出演することも珍しくないように、モーションアクターさんもさらに注目を集める日が来てもおかしくないですね。

3.モーションアクターのこれから

では、これからモーションアクターの世界はどう変わっていくのでしょうか。私の意見としまして「色々なお仕事と結びつくのではないか」と考えております。先ほども申し上げた通り奥山さんはモーションアクターとしてだけではなく、振付師としてもご活躍なさっているのです。そして驚くべきことに、声優にも活躍の幅を広げ『フットサルボーイズ!!!!!』や『新テニスの王子様』など人気作にも多数ご出演なさっています。

そして2023年バンダイナムコアミューズメントから「ポラポリポスポ」という作品が展開されました。物語は、それぞれの夢の実現を目指して活動する2つのバンド「WAKAZO」と「chirp×chirp」を中心に描かれます。

そしてこちらのコンテンツは非常に興味深いキャスティングが特徴です。なんとキャラクターボイスとモーションアクターを兼任している方が多数いらっしゃるのです。普段は声優を本業とされている小松昌平さんや川島零士さんが、モーションアクターに挑戦するということで注目が集まっています。

このように振付師×モーションアクター、声優×モーションアクターといった他の職種と結びついても違和感がないくらい、モーションアクターというお仕事は求められるものが多いのだと思います。また、他のお仕事と結びつくメリットもあります。それは演技の統一性です。声で演技することと動きで演技することって、もちろん通ずる部分は沢山あると思いますがアプローチが異なることも少なくないと思うのです。そういった部分を考えると声も動きも同一人物が演じるというのはやはり強みになりますよね。

4.終わりに

長々と語ってしまい申し訳ございません。そろそろ締めの言葉とさせていただきます。いや、モーションアクターってすごいお仕事ですね!!!(ヤケ)これからどんどん市場が拡大していくであろうモーションキャプチャ、モーションアクターにぜひご注目ください!

そして少し気が早いような気もしますが、WASKへの入会を考えてここまで読んでくださっている方っているのでしょうか。 もしかしたら皆無と言っても良いのかもしれませんが…笑
私は入学前からこのサークルに入ろう!と思って学祭のイベントに参加したり、もちろんこちらのnoteも拝見したりしていたのでまさか自分が執筆する立場になるとは思ってもいませんでした。今回は裏テーマとしてWASKに興味を持って下さった方々に何かしら刺さるような構成にしたいと思い記事を書かせていただきました。
このサークル、すごい方々ばかりです!推し作品、推しキャラ、その他諸々への愛が!笑 それぞれ違った愛をお持ちなので、私自身も沢山刺激を受けています。そしてその愛をしっかり成果として残せる環境が整っている点も魅力の一つだと思います。ここら辺語ってしまうと、それだけで一本記事が完成してしまいそうなので、もし少しでも御興味をお持ちの方はHP等も覗いてみてくださいね。

それでは長くなってしまいましたがここまでお付き合いいただきありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。

【参考資料】


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