見出し画像

一問一答・資料共有

 近年、地方議会のwebを活用したLIVE配信が増え議場へ行かずとも議会を傍聴することが容易になった。また、LIVE配信している議会なら全国どこの議会でも傍聴可能になったことにより筆者は時々「議会傍聴ネットサーフィン」している。この2年の新型コロナウイルス感染拡大の間にリアル傍聴が出来ないためLIVE配信する議会が増え傍聴可能な議会が急増している。

 そんな折、昨日は世田谷区議会(代表質問)と熊本市議会(厚生分科会・委員会)を自宅から傍聴した。

 音声も途切れず、映像も乱れず受信自体にストレスは感じず聴けたのだが、世田谷区議会の場合は一問一答方式ではなかったため「わかりやすさ」という点では課題を持った。

 各会派の代表者がそれぞれ10項目程度を首長はじめ関係部署長へ質問していくのに約40分~50分程かかっていた。映像画面の隣に質問項目の見出しは表示されているが、さすがに最初の質問内容がどうであったのかを詳細に記憶しているのは難しい。質問後に区長が答弁したのだが、質問内容の記憶が曖昧になっているので区長が何について答弁しているのか、その要点が不明瞭になってしまった。

 質問を聴いている時には「なるほど」と聴き入る点が多々あり良い質問だったにもかかわらず全ての質問項目をいっぺんにつらつらと聴いていくため、傍聴者にとっては焦点がぼやけてしまい残念だった。なんのためにweb配信しているのか?「住民を含め議会関係者以外の人に広く知ってほしい。見てほしい」という意図かと思う。それならば、傍聴する側の立場に立って「わかりやすさ」改善を議会として検討されてはどうでしょうか?今や一問一答方式の地方議会が増えているのは、こういう視点からだと思う。

 つぎに熊本市議会の委員会を傍聴した。質問する議員の発言と答弁する職員の発言内容については良く聞こえたのだが、委員会で議論されている資料が掲載されていないため(掲載されているのかもしれないが、それがどこに掲載されているのか探し出せなかった)、ただ聴いているだけになってしまった点が残念だと感じた。この点についても全国の地方議会では議案資料や関係資料を議員が持つ資料と同等レベルのものを公表している議会が増えているので、熊本市議会にも是非導入を検討いただきたいと感じた。

 地方議会のやりとりをみれば、新型コロナウイルスの感染対策、ワクチン接種の状況など地域によって様々な背景や事情が異なっていることがよくわかる。また、それぞれの地域で何が問題となっていて、今、どのような取り組みが求められているのかが比較できる。アーカイブ動画の掲載をする議会も増えているため、自分の住んでいる自治体の議会で今何が課題として話し合われているかを知るという事はとても有意義だ。子供達の社会の授業で、高校生や大学生の研究など様々な学びの機会としても活用できそうである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?