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1から始める!ベースのピック弾きの教科書

ご覧いただきありがとうございます。
ベーシストのワサダ マサキです。

YouTubeやTwitterなどSNS経由でいらっしゃった方はご存じかも知れませんが「ワサダって誰?」という方は、まずブログのプロフィールページをご覧ください。

そして、私がピックとどんな風に付き合ってきたかを詳細に記したブログ記事もあります。

興味のある方はぜひ合わせて読んでみてください。

さて。
コチラでは、まったくの無名プレイヤーが投稿したものながら、3年間で6万回以上再生されたYouTube動画をブラッシュアップし、さらにブログ記事の一部に加筆修正したものも加えてお送りします。

新たに作成した画像や解説動画も盛り込みまして、他ではなかなか手に入らないピック弾き教則テキストの決定版になったと自負しております。

これからベースを始める方にも、今まで指弾きをやっていて、新たにピック弾きを始めようと考えている方にもきっとお役に立つはずです。

※見出しをクリックすることでその内容へジャンプすることが出来ます。
   必要ないと感じる項目はスルーしてくださいm(_ _)m

■ピック弾きのメリットとデメリット

ピック弾きについての解説に入る前に、まずはそのメリットデメリットを見ていきます。

このパートまでは無料で読めるようになっていますので、ここを読んでいただいて

「おっ、ピック弾きって面白そうだな」
「ちょっとやってみようかな」

と感じた方は、ぜひ購入していただきご活用ください◎

逆に、

「ピック弾きってイマイチだな…」
「自分には必要ないな~」

と感じた方は、そっと画面を閉じてくださいませ(泣)。


それではメリットからいきます。

■ピック弾きのメリット

ピックならではのエッジの効いたサウンド!

何はともあれ、やっぱりコレでしょう。わたしがピックを使う主な理由もこちらです。

「この曲はピックの音が欲しいな~」という時がピックの出番!というワケですね。

ピックサウンドの特徴としては、指では出せない「点」で出る硬質なアタックです。「ゴリゴリ」と表現されることもありますね。

また、カリッと明るいヌケ方をするのもピック弾きの特徴的な魅力です。

ピックは硬いプラスティック的なモノですので、弦に当たる面積の影響で指弾きよりも低音が控えめになる傾向があります。

そのため輪郭がハッキリし、ヌケの良さが際立つのだと言えます。

そして、点で出るアタックを連続させることにより生まれるドライブ感

ストレートでテンポが速い、ロックな雰囲気の曲などにぴったりハマります。

意外と幅広い音も出せる

が、しかし。

ゴリゴリやロックだけがピックの持ち味ではございません!

右手の手刀部分で音を抑える「ブリッジミュート」を組み合わせることにより「プクッ」としたアタックで、サステインの短い音を出すこともできます。

ビートルズのポールマッカートニー御大が、リッケンバッカーやバイオリンベースなどで出している、ちょっとポコポコした感じの音をイメージしていただけるとわかりやすいと思います。

ウッドベース的とも言える、丸くて柔らかい雰囲気の音です。

このサウンドは、ロックよりもおとなしめの音楽や、バラードやシブめの雰囲気にもハマります

親指一本で弾く、いわゆる「いかりや奏法」のピック版とも言えますね。

しかしながらピックの方が親指よりも演奏時の自由度が高いし、通常の弾き方と使い分けることでピック弾きの表現力を広げることも出来るので、身に付けておくとかなり役に立つ奏法です。

コレについてはYouTubeで詳細な解説を出していますので、合わせてチェックしてみてください◎

また、ピックの材質や硬さ、形などでも出音が変わってくることを利用し、ピックのセレクトにより音色に幅を持たせることも可能です。 

この辺を試して追究していくのも楽しみだったりします。

私自身もこれまで様々なピックを試してきました。近年は特にちょっと変わったピックにも手を出しています。

YouTubeでも「変わり種ピック」シリーズとしてレビューしていますので、これまた興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。

代表的なモノを貼っておきます◎

さらにさらに。

ピック弾きではギターのようにジャカジャカとコードをかき鳴らしたり、ポロポロとアルペジオで弾いたりすることも可能。

こんな感じで、実はいろんな音が出せちゃうんです◎

コチラの添付動画で実践していますので覗いてみてください!

無機質なノリが得意

ピック弾きは硬くて細い音で、さらにアタックを均質に出しやすいという特徴から、無機質で機械的なノリを作り出すのが得意です。

例えば、特にダウンピッキングだけで8ビートを淡々と刻んだり、強弱を付けずにループモノのリフを繰り返したりする、みたいな感じですね。

逆に指弾きは、ツーフィンガーのムラを活かしてニュアンスを付けたり、リズムをハネさせたり、人間的、有機的なノリを出すのに向いています。

とっつきやすさ

それから「とりあえずベースを始めたい!」という方が最初に取り組む奏法として、ピックは指弾きよりもとっつきやすくオススメです。

というのも、わたし実は左利きでして。ベース以外の利き手はすべて左です。
そんな純度100%の左利きなわたしが、右用の楽器でベースを始めたころにピックと指の両方を試してみた結果、

「圧倒的にピックの方が弾きやすかった」という経験によります。

また、ギターが弾ける人なら当然のようにピックが使えると思うんですが、そういう人なら、ピックですぐにベースが弾けてしまいます。

そういう意味では、ギターと互換性があると言ってもいいでしょう◎

指弾き、いわゆるツーフィンガーは日常とはまったく違った指の動かし方をしないといけないので、突然「はい、やって!」と言われてできるものではありません。

ピックでももちろん特定の筋力や腕の使い方などが必要で、初心者がいきなり出来るかというとそうではないですが、指弾きと比べるとハードルが低いと言っていいでしょう◎

フィジカルの影響を受けにくい

指弾きでは、ある程度弾き慣れて皮が厚く硬くなるまでは、指先が痛くなったり、マメが出来たりと、フィジカル面に問題が出ることがあります。

私は手が荒れやすくすぐにアカギレが出来てしまうので、冬場はそれが痛くて指弾きが出来ないなんてことも…(涙)。

さらに、爪が伸びていると爪が弦に当たってしまい、良い音が出にくくなったりもします。

しかしピックなら、そんなことは起きません。

これもけっこう大きなメリットですよね。

では、続きましてデメリット編に参ります。

■ピック弾きのデメリット

ミュートの面で不利

まずはコレ。

ピックと指を比べてみないと実感として得づらいところではあるんですが、なかなかデカいデメリットです。。

ここでいう「ミュート」とは、不要な弦を鳴らさないということです。

弾かない弦に手や腕のどこかしらを触れさせることにより音が出ないようにする、ベースを弾く上で、基本的だけどとても大事なテクニックのひとつです。

指弾きでは親指を弦に乗せることもありますし、ツーフィンガー(人差し指&中指)だと、弾いていない方の指でミュートをすることも可能。

画像15

上の画像では、右手の親指を弦に乗せることにより、3、4弦を同時に触れてミュートしています。

つまりピックに比べて、右手が自然に弦に触れられるんですね。

そのため、右手でのミュートをかなり柔軟に行うことが出来るワケです。


が、ピックではこうはいかない。。

…ピンとこない方は、試しにピックで1弦を弾いてみてください。
不要な2~4弦の不要な音を出さずにちゃんと鳴らすのはなかなか難しいと思います。

その分、左手でのミュートが重要になります。

もちろん左手だけでもある程度はしっかりミュートできるし、右手も手刀部分(ブリッジミュートに使うところ)や、薬指と小指も組み合わせて工夫することで、カバー出来ます。

とは言え、ここは間違いなく指弾きにアドバンテージがある部分です。

※最近、ちょっと実感したことなんですが、左手の運指を練習する際、指弾きの方が自然にミュートできて運指に専念できるぶん、練習の効率は高いようです。

ピック弾きだと右手のミュートを意識しないといけないので、指弾きより左手の上達が遅くなることがあるかも知れません。。

ピックがないと弾けない

これも当たり前のようですが、かなり致命的なデメリットです。

忘れた、落とした、なくした、などで手元にピックがなければピック弾きはできません…!

超当たり前だけど!(笑)

ライヴ中にピックを落としたりしても大変ですよね。。

ピック弾きメインで指弾きがヘッタくそだった頃のわたくしは、このデメリットを回避するために、ステージ上ではマイクスタンドに5枚貼り付け、ポケットに1枚忍ばせ、さらに足元に1枚置いて…

などといたる所にピックを配置していました(笑)。そのおかげで油断してしょっちゅう失くしてましたけど(苦笑)。

指でも少しは弾ければ、ここまでしなくても良いとは思います。。

出音が指と比べて細くなる

上記のメリット面でも少し触れましたが、ピック弾きだとアタックがハッキリ出て音ヌケがよくなる一方、低音が出にくいため音が細くなってしまう、という傾向があります。

これを補うために、わたしも一本のライヴでピックと指を使い分けるときなどは、イコライザーの付いたプリアンプを使って補正したりしています。

また、ベース本体のトーンコントロールを活用することもあります。

トーンを少し絞ってやるとハイが押さえられ、相対的に低音が前に出てくるので、ピックのアタックを殺さない程度に使えばとても有効です。

それからピックだけで弾く時は、アンプのセッティングで少し低音を多めにしてやれば良いですね。

そんなこんなで、音作りでちょっと工夫をしてやれば解決するので、これはそれほど大きなデメリットではないかも知れません◎

右手と左手の連動が難しい

これも実際にピックと指を比べてみないと分かりづらいかも知れないデメリットです。

ここでいう右手と左手の連動とは、

「左手で押さえて→右手で弾く」
という一連の流れを行う際の、右手と左手の一体感、みたいな感じです。

特に速くて細かいフレーズなんかを弾く時に、

押さえて(左手)→弾く(右手)
もしくは、
離して(左手)→弾く(右手)

という流れが瞬間的に出来ないと、しっかり音が出ないワケですね。

このタイミングを合わせることが、指弾きよりもピックの方が難しいです。

指弾きだと右手も左手も自分の身体の一部なので、連動がスムーズにいくのかな?と、個人的には分析しています。

ダサいイメージ?

そして最後は「ピック弾き、イメージ良くない問題」です。

先日もTwitterで盛り上がりましたねぇ(笑)。

Googleで「ベース ピック弾き」と検索すると、その後に「ダサい」というサジェスト(検索ワードの候補)が出てきます。

要はそのワードで検索する人がたくさんいる、というワケです。試しにやってみてください。

(ちなみにこの3語で検索すると、私のブログ記事やYouTube動画もわりと上の方に表示されると思います)。

デメリットというとちょっと違うかも知れませんが、そういう捉え方をする人もいる事実がある、というコトですね。

また「ダサい」と一蹴されてしまうだけでなく、指弾きのプレイヤーからは何となく下に見られる、という風潮があるように感じます。

個人的な考察として、あくまで何となくなんですが「指弾きの方がピック弾きよりもウマそうに見える」からではないかと。

一般的にピックで弾かれるようなロックやパンクはシンプルなプレイで成り立ってしまうので、難しいことをする人はあまりいません。

(注:あくまで一般論です)

やや言いすぎですが、そこから「シンプル=ヘタ」みたいなイメージにつながってしまうのかな、と思います。


もう少し突っ込んでみますと。

エレキベースも、元をたどればコントラバス。弓や指で弾くものだったワケです。

で、自然な流れとして、エレキベースも指で弾かれていたのが当たり前だったのでしょう。

それをピックで弾くというのは、ある意味では邪道

邪道ゆえに、下に見られたり良くないイメージが付いたりしたのかも?というのがひとつ。

また、わたしも書いたように、とっつきやすさとしてはピックに軍配が上がります。

つまり、ピック=指弾きができない人が使うものというややマイナスな捉え方もあるのかな、と。


ま、こういうのは完全に好き嫌いとか、捉え方の問題ですけどね。

個人的にはピック弾きも指弾きも、超カッコいいと思ってます!

ベーシストはみんなカッコいいですよ~!

(笑)


さて。

前置きが長くなりましたが、いよいよここから本題です。

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