猫12歳
マイヤさんと私はシアトルで出会った。
その時猫は1歳になる直前で(と、言っても、マイヤさんは保護猫でシェルターにいたため、本当の誕生日はよくわからない)、柔らかな毛皮を持った小柄な猫だった。
同じ部屋の猫が皆、キャットタワーに登り、ガラス越しに人間をみてにゃーにゃーと鳴く間、小柄な猫はたった1匹、こちらに背を向けて床に座り、水を飲んでいた。
そんな一風変わった猫を、私が引き取った理由はただ一つ。
「毛皮がめっちゃフワフワ!」
そう、私はフワフワの毛皮に目がないのである。
マイヤさんがひとり、床に座り込んでいた理由は後にわかった。高いところが怖かったのである。猫のくせに。
そして、猫社会での社交性もなかったのかもしれない。
たくさんの猫の中で、ご飯をちゃんと食べられてなかったのか、猫はうちに来てから短期間でぐんぐんと成長していった。
最初は少し遠慮深かった猫
アメリカ時代には何度かお外の散歩も
その後、人間と一緒に「帰国」。
一時期は人間について韓国に住んだり、人間の実家についていったりもした。
海が見えるベランダが広いのでマイヤさんは実家がお気に入り
こうして長いこと人間とあちこち移動させられたマイヤさんは、東京にたどり着いた。
しかし、東京に引っ越してからしばらく経ってのことだ。目から涙を流したり、目を擦って腫れさせることが続くようになり、病院へ。
たくさんの検査を経て、なんらかのアレルギーだということが発覚。こうしてマイヤさんの通院生活が始まったのだ。
一時はカラー生活に
アレルギーを抑えるために、ステロイドを飲むことになったマイヤさん。初めの頃は、春など花粉の時期だけ飲んでればよかったのだけど、次第に咳の症状が悪化し、現在はほぼ1年中ステロイドを飲んでいる。
問い:ステロイドには副作用がある。どんな副作用か。
答え : デブる
そしてもう一つ。
「糖尿病になる可能性が高くなる」ということだった。
2020年11月。
マイヤさんの尿量が異常に多いことに気づいた私は、猫を病院に連れて行った。結果、血糖値が正常の4倍になっていることが発覚。
ステロイドを中断し、アレルギーを抑える別の薬を飲ませることになったが、その直後からご飯を食べなくなり、体重の減少が始まった。
大腸と小腸のつなぎ目の部分が腫れているといい、下痢をし始めた時点で「手術をしたほうがいいかもしれない」となったのだった。
病院に連行される猫
しかし、ステロイドを中断しているため、咳の症状がかなりひどく「このままでは麻酔中に息ができなくなるかも」という懸念により、なんと手術当日にキャンセルに。
その後、ステロイドを徐々に再開しつつ、一日2回、5種類もの薬を飲みながら過ごしてきた猫。猫も人間も大変である。
この薬まっず?!
そんな生活を約3ヶ月。
一時は「本当にもうダメかな」とも思ったほどだったが、本日、病院のエコーで「腫れてるところが見つからない」とこお言葉。え、な、治った・・・?!
いや、もちろん、まだわからない。
今後、5種類飲んでいる薬を少しずつ減らして行くことになるという。
ただ、一時期は5.4キロもあった体重はじわじわと下がり続けて、本日4.35キロになってしまっていた。人間で言うと、数ヶ月で10キロも減ったことになる。動物の体重が減るのは、重大な病気を抱えてるサインだという。
現時点では血糖値も正常に戻り、見た目的にはさほど体調が悪そうでもないため、こまめに病院に通いつつ、猫がご飯をしっかり食べるようにサポートしていくことになる。
くわっ
猫も中年になり、人間と同じように病気のリスクは高まるばかり。だが、何人もの人がサポートを送ってくれたり、高カロリーちゅーるを送ってくれたりした。シアトルの田舎でポツンと床に座っていた猫は、ネットでいろんな人に愛される猫になった。
もう少し、そう、あと10〜20年くらいだけ、私とみんなに笑顔をくれる猫でいてほしい。そう願いつつ、私は病院の会計で万札を差し出すのである。
今日1月30日の写真
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