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棚卸SALEをする

私が運営する、革と工藝のブランドwasabi CRAFTでは
本日2024.6.26の20:30より棚卸SALEを開催します。

廃番になった過去の商品のサンプルなんかも出しています。
これっきりのSALEなので、7/7までの期間は全品対象で値下げしちゃう予定です。気になる商品があったなら、この機会にぜひご利用ください。

沢山の人のご好評いただいているこのお財布も在庫に限りお安くしちゃいます。たぶん、もう二度とSALEはしないと思うのでお見逃しなく!

ラグジュアリーブランドなんかは、SALEなんかしないがポリシーだと思います。SALEで売り切るぐらいなら廃棄してしまう。私もこのポリシーに同感です。自分が生きていく時間に生産できる量と、それを生産して届けるまでに生きるための必要な収益を推し量って提示している価格です。この価格で売れることで自分の生活が過不足なく継続できます。

そんな価格を下げるということは、生活に不足が出る。。。訳ではなく。
昨年1年で想定を上回る売上が達成できたので、その利益をお買い物してくださる人たちに還元できればな。という思いと、いつもと違う商品も使ってみて欲しいな。という気持ちで開催する運びとなりました。

それと、wasabi CRAFTではいわゆる伝統工芸と呼ばれる素材も扱っています。こんな漆蒔絵とか。

西陣織もあります。

特におすすめなのは、この樺細工。秋田の伝統工芸です。樺細工でもたたみものと言って、樹皮をミルフィーユのように重ねた積層材で、接着使う膠の玉虫色が樹皮の塊をキラキラに光らせてくれる珍しい素材。先日秋田の職人さんに見てもらったのですが、今はこれだけ厚みのある材をつくる職人はもういないんじゃないかと。気が付けば、つくってもらってから結構時間が経っていて、気づかないうちにデッドストックの希少な素材になりました。

どんどん衰退していくこれらの伝統技術をずって見てきた中で、やっぱり状況は厳しく、絶滅してしまう不安があります。
若い人たちがこの仕事に就いても、生活がままならず離れてしまう。頑張って続けてきた長老たちは順番にこの世を去っていく。この20年でこれらの伝統工芸品を流通にのせる横文字の肩書の人が沢山現れ販路が増えたはずなのに、職人たちの環境は問題がどんどん積み上がり良くなっているようには見えません。

この事実を見過ごせない。けれど大きな力になれない私が彼らに尽力できることの唯一は、今抱えている伝統技術の素材を若い人たちの手に届けること。やっぱり実物を手にしてその物の尊さを感じてもらわないと、感じてくれる人が一人でも増えないと、伝統工芸の継承のチャンスにすらたどり着けない。

何せwasabi CRAFTは効率を追求したモノづくりができないので、誰かにとってはモノの割に高いと思うのかもしれません。若い人なんかは特に手が出せないかもしれないのですが、ちょっとお安くなるこの機会に気になる伝統素材を手に取っていただけたら嬉しいです。

そして、そして。一旦ここでリセットして新しいモノづくりと伝統産業の貢献に繋げていきたいです。まだまだ知りたい・関わりたい伝統技術や素材があります。本当になくなってしまわないうちに、私ができる形で次世代に繋げることができたらいいなと思います。

もう二度とSALEなんてしない。と言ったけど、また売上が上回ったら還元祭りするのは、やる方も楽しいかも。検討しておこう。

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