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イメージ戦略を裏返せ

WOWOWで放送された、白石晃士監督の新作ドラマ『オカルトの森へようこそ』を全話みました!

予告編からして、チープなPOVホラーだな、という印象だったのですが、予告通りそのままのチープなPOVホラーを楽しむことができました!面白かったです!

予告編の印象を全くはみ出ないかというとそんなこともなく、何処か人間の生々しさが出ていたり、ケレン味があったり、チープさだけではなく、ちゃんと白石晃士監督らしさも出ていたように思いました。

ただ、怖さは全く無いと言ってもいいくらいだったので、そういうホラーを期待すると、なにこれ?という気持ちになるかもしれません。

映像の性質上、長回しのカットの多さから、『カメラを止めるな!』を連想しないでも無かったのですが、カメ止めは映像の拙さ自体が終盤のフリとして機能するという面白さがあったのに対して、『オカルトの森へようこそ』では長回しでもそこまで不自然に感じるところが無かったので、「ちゃんと長回しホラーをやるとこうなるんだ」という、『カメ止め』とは別の面白さがあって、そこは新鮮に映像として面白かったですね。

特に、取り憑かれていると(?)傷口か血が出ない、みたいな要素が、低予算でも整合性の取れた映像(取れてるか…?)を撮るための工夫を感じたんですよね。

これも、映像のチープさ(ナイフで切った“フリ”をしてることが丸わかり)に対するエクスキューズとして機能していて、そういう面でも、ただチープなだけじゃなく、チープさに理由を与える設定がちゃんと設けられていた点も、なんか新鮮で面白かったですね。

それから、本作でも白石晃士監督作品によく出る「霊能力者然とし過ぎていて胡散臭い霊能力者」とか、「霊能力者のステレオタイプを無視するが故に一周して胡散臭い霊能力者」が登場するのですが、本作では後者の霊能力者を、仮面ライダーエグゼイドの主演、飯島寛騎さんが演じていて、エグゼイドの頃とはまた違った演技で、そこも良かったですね。

なんか、ライダー俳優って煙草吸って良いんだ、と思っちゃった。なんとなく、ライダー出身の俳優にはクリーンなイメージがあるので、その印象が裏返って、なんかいけないものを見てるような気分になってしまった。

『おかあさんといっしょ』のお兄さん・お姉さんも、引退してもクリーンなイメージがあるじゃないですか、中には全然クリーンじゃ無い人もいるけどね。そういう枠にライダー俳優も入っちゃってるんですよね。ぼくの場合は。

そういうクリーンな人だけを集めた、めちゃくちゃバイオレンスな殺し合いの映画があったら見ちゃうかも。ギャップで腰抜かし続けるかも。そういう映画ってある?あったら教えてください!!!さようなら!!!

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