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NATOってなーに?

皆さん、こんにちは。
丸谷元人Officialサイト運営事務局です。

早速ですが、皆さん、NATOってご存知ですか?

はい、北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization)だと学校で習いました!という声が聞こえてきそうです。

このNATO、ウクライナ戦争が始まってから、本当によく聞くようになりましたね。

ロシア vs ウクライナなのになんでNATOがしゃしゃり出てくるの?と頭の片隅でチラリと疑問に思いつつ、「今更聞けない・・・」と数秒後にスーッと頭から抹殺された方も中にはいらっしゃるかもしれません。


NATOの基本

NATOは今から75年前の1949年4月に設立されました。

「いくつもの国を集めて、それぞれが互いを守り合える」体制づくり、言い換えるなら欧米西側諸国による「集団安全保障システム」の構築が設立の目的です。

つまり、加盟国のだれかが第三国(つまり加盟国以外の国など)から攻撃を受けたら、その加盟国全体が攻撃を受けたと見なし、団結してその敵と戦おうという仕組みですね。

その本部はベルギーのブリュッセルにあり、現在の加盟国はアメリカ、カナダ、欧州29か国の計31か国です。

結構たくさんの国が加盟していますね。

確かに「北大西洋」って北米の東側と欧州の西側にサンドイッチされた部分なので、「北大西洋条約機構」という名前、何となくいいですね。


特徴その① NATOの恐ろしく巨大な兵力

これだけの加盟国があるとなかなかの規模になり、事実、NATOは世界で最も強力な軍事組織です。

アメリカも加盟しているわけですから、その兵力は莫大でなんと約350万人(兵士+職員)にも上ります。

2020年の段階で、世界のなんと約57% (!) もの軍事予算を占めている恐ろしく巨大な軍事同盟機構なのです。

特徴その② 弾丸の統一

色んな国の兵隊さんが一緒に戦うためには、弾を同じものにしておくと効率がぐっと上がります。

NATOでも自動小銃や拳銃などの弾のサイズを同じ規格にしてあり、その名も「NATO弾」と言います。

大きいものから12.7mm、7.62mm、5.56mm、拳銃用では9mmなどの口径があるのですが、実は我が国の自衛隊もこのNATO規格の弾を使ってるんです。

NATO弾

当然ながら、日本はNATOのメンバーではありません。

ではなぜ規格を合わせているのかですが、それは「アメリカ軍と一緒に戦うから」なのです。

NATOに合わせていると言うより、NATO規格の弾を使う同盟国アメリカに合わせているわけです。

例えば、一緒に隣で戦っている他の加盟国の兵隊さんが撃たれて銃が使えなくなったとします。その時にその方と同じ規格の弾を使用していれば、その弾を自分の銃に入れて引き続き使えるというメリットがあるわけです。

戦場の生々しい話ではありますが、そういうことなのです。


NATO設立のきっかけ

NATOの設立は1949年と先述しましたが、その時期はズバリ冷戦がスタートした時期にあたります。

NATOは当時のソビエト連邦率いる共産主義陣営の国々(後に「ワルシャワ条約機構」に加盟することになる国々)からの脅威に対抗することを目的に作られた組織なのです。
ここで新しい「ワルシャワ条約機構」という言葉が出てきましたね。

ワルシャワ条約機構とは

ワルシャワ条約機構は、1955年から1991年までの間、ソ連と東欧諸国によって結成されていた軍事同盟のことです。NATOの設立6年後に対抗するために作られました。(NATOが先だったことを意外と知らない人が多いです)

1955年に西ドイツが再軍備してドイツ国防軍を持ち、なおかつNATOの仲間入りするということが決まった際、これを脅威に感じたソ連と共産主義陣営と言われた東側諸国の間でポーランドの首都ワルシャワにて条約が調印されました。

加盟国はソビエト連邦、チェコスロバキア、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、東ドイツで、北朝鮮がオブサーバーでした。(アルバニアは5年くらいで脱退)

NATOに対抗すべく作られた軍事同盟でしたが、米ソ首脳による冷戦終結宣言により存在意義を失い、1991年に正式に解散しました。そしてその直後にソ連も解体したのでした。

※ では一方NATOはどうしたのか?それについては後述しますね。


AKシリーズで未だ愛される「ワルシャワ条約機構」規格と言えなくもない標準弾

先ほどNATO弾について熱く語ったばかりですが、それではワルシャワ条約機構の加盟国同士でも同じ規格の弾薬を使って効率化を図ったりしていたのでしょうか。

答えは半分YESで半分NOです。

皆さん、AK-47(別名カラシニコフ)という自動小銃をご存知でしょうか。

ソ連のカラシニコフさんが開発した、未だに「最も信頼される銃」として名高いアサルトライフルです。

この銃がとんでもなく素晴らしく、加盟国間で広く使われていたため、それがNATO弾のような正式な共通規格ではなかったものの、結果としてワルシャワ条約機構弾と呼ばれてもおかしくないような位置づけで出回っていました。

※ このAKシリーズは未だにとっても人気です。またどこかで熱く語りたいと思いますw

この自動小銃では、例えば7.62mmx39mmの弾が使われています。しかし先程紹介した同じ7.62mmのNATO弾とはまた少し形状が違います。

NATO弾が51mmとスッとスマートな雰囲気なのに対してこのワルシャワ条約機構弾は39mmとやや短い。短い分だけじゃっかん丸みもあって親近感が湧きそうな見た目ではありますが、その威力はめちゃくちゃパワフルです。

しかも安い!

NATO弾が素材に真鍮を使っているのに対し、こちらは鉄を使っています。それが低価格の理由なんです。ただ、鉄だと少し錆びやすいので、ちょっとコーティングしたりする工夫もされています。実際、ロシア軍が前線にその弾を送るときは濡れて錆びてしまうために缶詰の中に入れて送るなんて話すらあるくらいなんです。


冷戦後のNATOの存在意義

NATO設立のきっかけとなった冷戦が終わり、共産主義陣営からの脅威もなくなれば、当然「NATOも要らないんじゃない?」という話が出るわけです。
ところがこのNATO、ワルシャワ条約機構が解体された1991年、「新戦略概念」というものを打ち出し、それを新たな存在意義に生まれ変わったのでした。

NATOの「新戦略概念」 in 1991

このあたりで「ああ、ウクライナ戦争でのNATOの出しゃばり方を理解する第一歩になりそうな話の流れだな」と感じるスルドイ方もいるかもしれません。

そうなんです。

この「新戦略概念」は、「新しい脅威」として周辺地域での紛争、あるいは加盟国の域外(中東、アフリカなど)の紛争の予防や危機管理まで新たな仕事にしようというものでした。

その概念が発足した翌年1992年にはあのボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が起こりましたが、ここで初めてこの「新戦略概念」に基づくNATOの介入が行われました。

1995年には軍事介入のみならず、国連との停戦監視団にも参加するようになりました。
また、1999年のコソボ紛争で初めてセルビアに空爆したのはNATOなんですが、その時なんとNATOは国連安全保障理事会の決議がない状態で空爆を行ったのでした。

アメリカ主導感が強くなるNATO

NATOは本来、国家を超えるような意思決定組織ではないはずなのですが、この1999年のコソボ紛争あたりから実質的にアメリカ主導を感じさせるような雰囲気がにわかに出始めたと言えます。

この頃からNATOはアメリカが海外で戦争をする際になんとなく後ろからついていくような存在になり、そして徐々に中東、アフリカ、南アジア(アフガン)にまでNATOが手を広げているような事態が報道されるようになります。

こうなってくると、アメリカの支配下とすら見えなくもない状況ではないのか?と言いたくなります。

もちろん、「それは言い過ぎだろう」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

たしかにそういう形態にはなっていないのですが、事実上NATO全体としてアメリカに追従する事になってしまうことは否めません。

冷戦時代の設立当初はソ連の脅威に対抗して、NATO加盟国全体を守るのが目的だったわけですが、今や、アメリカの外交政策を補完させられるような集団になってきた感があります。

一応、加盟国は2024年までにGDPの少なくとも2%を防衛予算に充てる(または維持する)という目標に合意しており、どんどん軍事力の強化が進んでいます。しかし、ここにはやはりNATOで最も力のあるアメリカの意向がかなり入っているのは間違いないでしょう。


防衛予算2%のインパクト

では「防衛予算2%」ってどのくらいのものなんでしょうか。
こういう話の時、感覚でつかめるようにしておくというのは大事です。

日本の場合、今までの防衛予算は概ねGDP1%前後でした。つまり、例えば日本のGDPが500兆円だったとしたら、うち5兆円ぐらいが防衛予算ということになりますね。

それがたまに上回ったり、最近では0.95%に下がっていたこともありましたが、今回この岸田政権にて2027年までに防衛予算を倍増(つまり2%)にするということになりました。

それによって、国内でも増税について様々な議論がなされ、大きなニュースとなりましたね。そこから分かるように、防衛費1%を2%に倍増するというのは国家財政に大きなインパクトを与えるものなのです。

ですから、話を元に戻すと、NATO加盟国も各国このくらいのインパクトがあることに合意しているということになります。

インパクトの大きさを、何となくでも感覚で捉えられてもらえたでしょうか。


冷戦末期の「東方不拡大」という約束

改めて、ソ連という脅威がなくなった今、なぜまだこんなにNATOという言葉を我々は耳にしているのかという疑問に答えてみたいと思います。

それはドイツの完全独立を拒みたいアメリカの思惑が背景にあると言えば、あなたは驚くでしょうか?

ここでもう一度冷戦末期に時計の針を戻してみましょう。

冷戦末期、中央・東ヨーロッパ、とくに東ドイツにおいて反共産主義運動のデモが起こった際、これを機にドイツを再統一すべきではないかという議論が持ち上がりました。

反共意識が高まる中、急速に力を失ったもののまだ影響力が残っていたソ連させ、ドイツ東西統合とNATOへのドイツ吸収を願っていたアメリカはそこでソ連に対して「NATOをこれ以上ソ連がある東方に拡大させない」という約束をしたのでした。

その中で交わされたのが、かの有名なベーカー米国務長官の「1インチ発言」です。

(米)ベーカー国務長官
(ソ連)ゴルバチョフ書記長

当時、ベーカー国務長官はゴルバチョフ書記長に対し、NATOを1インチも東進させないという条件下でドイツを統一させるという案を持ち出し、合意に至りました。その際このベイカー国務長官ははっきりと「我々はドイツの中立(つまり独立)は望んでいません」と述べています。

アメリカはドイツが軍事的に独立することになれば、潜在的に核兵器を持とうとするに違いないと思っていたことが分かる発言ですね。


日米同盟に見るアメリカの本音

この構図は日米同盟でも見られます。

アメリカの外交政策の一環で、戦後の日本も未だに真の独立国にさせてもらえていません。

第二次世界大戦であれだけの戦いを見せたドイツも日本も、アメリカにとっては叩き潰しておかねばならない脅威なのです。少しでも油断すると必ず核武装して軍事大国になる危険分子、そう常に警戒されているわけです。

「日米同盟」という耳障りのいい言葉の底には、日本という国を 在日米軍の駐留によって暴走させないようにしておこうという含みがあるというのは、1990年 の在日米海兵隊ヘンリー・C・スタックポール司令官(少将)の「瓶のふた発言」に集約されています。

その発言で彼は米軍の撤退により日本が再軍備する可能性を示唆しており、故に米軍は(軍国主義の暴走を防ぐために)駐留しているといったものでした。

これがアメリカの本音です。


約束を反故にしたNATOの東方拡大

先述のとおり、「1インチも」東に拡大しないとするアメリカの約束はついぞ守られることはありませんでした。実際、冷戦終了後もNATOはどんどん加盟国を増やしていき、東方つまりロシアの方に拡大していきました。

1999年にポーランド、チェコ、ハンガリーが、2004年にはスロバキア、ルーマニア、ブルガリア、バルト三国などが、最近ではフィンランドが加盟し、次はスウェーデンだという話が上がっていますね。

これがいかにロシアにとっての脅威かは想像に難くないでしょう。


NATOのウクライナ戦争への関わり方

そもそもこのウクライナ戦争はどのような事情で始まったのでしょうか。

元々ゼレンスキー氏はロシアと欧米のバランスをとる政策を掲げて、大統領に当選したはずですが、政権を取った後に反ロシア、親欧米の路線に舵を切りました。

そして、ウクライナのNATO参加を強硬に主張し始め、それを絶対に容認しないと発言していたプーチン大統領との対立が深まっていきます。

NATO諸国から戦争前でもウクライナに対して武器が搬入されていたことが確認されており、ロシアとしては手遅れになる前に手を打ったというのが本音だと思います。

いずれにせよ、この戦争で凄まじい存在感を見せつけているNATOですが、実際にはロシア軍と直接戦闘したことはありません。

ただ、ウクライナに積極的に軍事支援や情報提供を行っており、当然武器やパソコンなどのハードウェアなどもどんどん送っていますね。

NATOの鉄則として加盟国が攻撃されたら集団で反撃することができるのですが、ウクライナは加盟国ではないため、直接的な参戦ができないわけです。

覚えていらっしゃる方も多いかもしれませんが、2022年の秋、ポーランド国内にロシア製と思われるミサイルが着弾し、ポーランド人2人が亡くなったという事件がありました。

これがもし本当にロシアからの攻撃であったとすれば、1949年のNATO設立以来初のNATO加盟国への外国勢力による物理的な攻撃がなされたということになるわけです。ですが、現在ではウクライナのミサイル誤射だったということでほぼ落ち着いています。

ゼレンスキー政権は自国によるミサイル誤射を認めておらず、あれはロシアからの攻撃だったと主張していますが、どう考えても、あれはウクライナ軍のものだったと言える証拠がいくつも出てきています。

これが実際に誤射であったか、それとも意図的なものであったかは分かりませんが、その背景にはこの事件を利用して、NATOが対ロシア全面戦争に参戦して一緒に戦ってほしいというウクライナの強い願いが見え隠れしていたようにも思えますし、だからこそ当時は世界中がこのニュースにかなり緊張したということなのでしょう。


なぜウクライナはNATOに加盟できないの?

では、そのウクライナがなぜNATOに加盟できないかというと、やはりそれはロシアと国境を接しているウクライナがNATOに加盟したら、ロシアとNATOの全面戦争の引き金になりかねず、NATOはどうしても慎重にならざるを得ないということなのでしょう。

さらには、ウクライナは現在戦争中であることも理由に挙げられます。すでに紛争している国を加盟させようものなら、加盟した途端にNATO全体で参戦しなければならなくなるわけです。
そのように、ウクライナを正義感だけで支援する加盟国はいないのではないでしょうか。

また、もう一つの特筆すべき理由として、ウクライナという国は政府も軍も凄まじい汚職体質だという事が挙げられると思います。

この話はウクライナ戦争前までは結構西側メディアによって報じられていました。しかし、戦争が始まってからその話がされなくなり、また2023年の夏ぐらいから少しずつトーンが変わってきて、 また昔のように腐敗や汚職が暴露されるようになりました。

いずれにせよ、ウクライナというのは、「腐敗も汚職NG」「透明性ある 民主主義」といった欧米の基本的な価値観とは相いれないようなレベルの腐敗が横行している国であり、そんな国を加盟させるのは、実際のところかなり難しいと言われているわけです。


NATOに加盟するメリットは?

NATOに入ると確かに心強い反面、他の国の戦争に巻き込まれてしまうリスクもありますね。そんなリスクを背負ってまで、なぜ加盟する国があるのかと疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

冷戦の時代はソ連を始めとする共産主義陣営を西側に侵攻させないためのNATO同盟だったわけです。しかし、冷戦が終わった後の欧州の国々からすれば、今のロシアは天然ガスのようなエネルギーを安価に安定的に供給してくれる非常に重要なパートナーなのです。

とは言え、ロシアは巨大です。現実問題、軍事的にはかなり脅威でもあるわけです。

ですからもし自国に侵攻でもしてこようもんなら集団で対抗してしっぺ返しを食らわすぞという牽制の意味でNATOに加盟するメリットはあると言えます。

さらに、例えばトルコに見られるように、NATOのメンバーになれば、一応「民主主義陣営」の仲間入りと見なされて、様々な経済的メリットも享受できる国もあるでしょう。

ここで少し違った例を出しますが、我々が旅行するときにもお世話になるジェット旅客機にエアバスというのがありますね。

アメリカがボーイングで、ヨーロッパはエアバス。

NATOなくしてそのエアバスもなかったのではないかと思うことがあるのです。

皆さん、エアバスってどこの国の会社だと思いますか?

フランスと思ってる方も多いかもしれません。しかし、実際はフランスと西ドイツがメインで、更にそこにスぺインとかイギリスも協力してできている会社なのです。

あのテクノロジーを見ると、あの素晴らしい工業力を誇る西ドイツが入っているというのがしっくりくるのは私だけでしょうか。

これもNATOという枠組みの中だから相互協力できたと言えるのではないかと思うのです。


加盟国同士で喧嘩はしないの?

加盟国が30か国にもなると、常に足並みがそろっているわけではないでしょう。時には意見の対立などが発生しないのでしょうか?

はい、実際に加盟国同士の揉め事が起きたことがありました。

そしてその時のNATOはどう対処したのでしょうか?衝撃の事実ですが、その時のNATOはと言うと、

なんと、、、何にもできなかったんです。

例えば、地中海にあるキプロス島。ちょうどレバノン西の沖合、トルコ東部の南の沖合に浮いている島です。

ここには、紀元前1600年頃から多くのギリシャ系住民がいたのですが、1571年にオスマン帝国が成立して以来、もともと遊牧民であったトルコ人が多く流入するようになりました。

その中で、トルコ共和国の成立や第二次世界大戦後の国際的な枠組みという時代環境の中で、トルコ系とギリシャ系住民の対立が紛争に発展し、それが1955年から1975年まで激しく続きました。

これが「キプロス紛争」です。

名目上は現在も続いているこの紛争で、トルコ系が勝利して北キプロスという、国際的にはトルコしか承認していない国を作りました。

この紛争の中ではトルコ情報機関が、キプロス島のトルコ系武装組織の組織化と能力構築、戦争準備と武器弾薬支援、さらに作戦計画と実施の支援までを秘密裏に行い、成功を収めています。

トルコは1952年からNATOの一員ですが、それが同じNATO同盟国のギリシャに秘密戦争を仕掛けたという構図になるわけですが、NATOがこのいざこざにはまともに対処できず、怒ったギリシャはしばらくNATOから脱退するということも起きたのでした。

これが時としてNATO=No Action Talk Only(口先だけで何もできない)の略称じゃないかと揶揄される所以なんです。


まとめ

冷戦時に共産主義勢力からの脅威に対抗するために設立されたNATOですが、冷戦以降はアメリカの外交政策を更に補完するために、ますます軍事力を強化している実態があると言えます。

そして同時にドイツの軍事的独立を許したり、好き勝手させたりしないぞという強い意志が見えるわけです。米軍が最も多く兵力を置いているのがドイツであり、そこには44,000人ほどの駐留米軍がいる事実からも、それが感じられます。

このようにNATOの歴史的背景と今に至る事情を理解することで、学校でテスト前に暗記しただけのNATOという単語は、急に現実味を帯びて我々の知識として脳に組み込まれます。

BRICSの台頭で、欧米の経済的な力が相対的に弱まりつつある今、日本もNATOに加盟するべきだという意見が出てきていますし、NATO東京事務所設立の話も未だに生きているのではないでしょうか。(冒頭にNATOは北大西洋の国々から成るわけだから、いい名前だと褒めました。日本は全く関係ないはずですよね。)

こう考えると、我々日本人にとって、NATOは欧米主導のどこか遠いところの組織ではもはや済まないと気づかされます。足元を揺るがしかねないこれらのニュースを敏感にキャッチし、自分なりに咀嚼することは、これからの世の中を生き抜くためにとても大事な事です。

日本人として自分の問題としてきちんと考え、正しく取捨選択し、納得のいく未来を自ら形作るために、これからも身近なところから一歩一歩一緒にインテリジェンスの力を鍛えていきましょう!

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