花京院典明になれなくてかなしい

すなおに気持ちを書いてみようと思う。結末がどうなってもいい。
私はかなしい気持ちだ、今日は予定がなくてゆっくり家事をして過ごしていたからかもしれない。

日常はやるべきことで埋め尽くされている。私にとってのやるべきことといえば、おいしいものをたべることと、料理と、掃除と、部屋の片付け。怒り出すと5~7時間ほど怒り続ける私の親は、怒り始めると決まって部屋の片付けをしろと言ってきたので、部屋の片付けは本当に苦手だ。掃除は片付けに似ているけど、親にはそれほど指摘されていなかったので今はそんなに抵抗がなくなってきた。でもつかれているとできない。

料理は本当に好きだ。おいしい、あたたかいものをたべると安心する。私の親は私を叱ると元気がなくなって(そんな長いこと怒ってたらそりゃそう)、自分の分も含めごはんをつくらなくなった。冷凍食品を、お弁当を、レンジであたためる様がとてもこわく思うことがある。あたたかい色をした庫内灯がとてもつめたいように感じる。見捨てられた気がする。お前は手料理なんて作るに値しない人物だと言われているような気がしてくる。だからなのか、ごはんの仕度と料理はとても好きだ。きみが大切だと伝えられる気がする。私って料理上手なのでおいしいものが出来上がるし。最近腎臓の療養食に飽きていたねこちゃんのごはんには、腎臓に配慮されたおやつをまぜこんでいる。これたべない? と差し出したおやつを彼女が手からたべて、これ混ぜとくからねといつものごはんに混ぜるのを見せたら、よくごはんをたべてくれるようになった。こんなにうれしいことはない。ふるさと納税の返礼品においしそうな豚肉が大量に届いたし、最近KALDIでチーズやパスタ、トマト缶や調味料を買うことを覚えたし、ねこちゃんの腎臓配慮おやつは調べると種類がたくさんあるし、どんどんおいしいものをつくっていきたい。

もっとこまめに掃除がしたい。休日にゆっくりと掃除機をかけたり、お風呂場や洗面所、キッチンを磨いたりしている。トイレ掃除はなんとなくこわくて億劫だったけど、今日やってみてそんな恐れるものでもなかったことがわかった。ぴかぴかのトイレは気持ちがいい。
キッチンの水あかを落としたくて、100均でクエン酸を買ってみた。ペーストをつくって水あかに塗るとなかなかよく落ちた。これはいい。調べてみるとトイレ掃除にもクエン酸水は効果的だとあって、今日つかってみたら思ったよりずっと簡単に、安全にトイレ掃除ができた。これを使ってこまめに掃除ができたらどんなにいいだろうと思った。気が向いたときに、スプレーボトルなんかでシュッとしてササッとトイレシートで拭いて、そのクエン酸水は1~2週間で使い切って。なんて素敵な生活なんだろう。掃除や片付けは、自分が過ごしやすい環境をつくることだ。それは紛れもなく自分を大切にすることだ。今まで自分を大切にすることも、掃除も片付けも、いろんなことができなかった。怠惰とかじゃなくできないんだよ。できるようになってわかったけど、あの頃の私にはそれらが全く不可能だった。両方経験しないとわからないと思う。

片付けは本当に嫌い。やると気分が落ち込み出す。完全に、関連付けられてしまっている印象のせいだと思う。苦労なく、気分よく片付けができるようになるまでどれくらいかかるだろう。

私はそんな、日常のやるべきことに押し潰されるような気分になることがある。次に何をするか、選択できない。おなかがすいてなにかたべたいのに、コンビニでなにを買えばいいかわからなくて泣きそうになったり、やるべきことではなく娯楽として本が読みたくて図書館に行ったときでさえ、なにを借りればいいかわからなくて泣きそうになったり、なんとなく無音な部屋が嫌でなにかおもしろい番組を観ていたいのに地上波か、Youtubeか、録画か、その中でもどれを観たらいいのかわからなくて泣きそうになる。

花京院典明なら、こんなときもあたたかい紅茶でものみながら、自分のほしいものを選び取れるのかな。持ち前の優秀さをもって理知的に、的確に、冷静でいて穏やかに、できるのかな。

ちゃんとしなさいと言われていた小さい頃の私は、ちゃんとできなかった。ちゃんとってなんだろう。できなきゃいけないのに、できない。なんでできないんだろう。できないと変な子だと思われるってかあさんは言った。できない私は変な子で、なんでできないのか理解できない様子だった母は私を気味の悪い生き物だと思っていただろう。私自身も、叱られているときに感じていた、どうしようもないくらい他者と解離している自分がとても気持ち悪かった。

花京院典明は私の憧れだ。私は彼とは違いすぎてあまりにも遠い。遠すぎてかなしい。親や、友達や、他人に感じる自分との違い、チャレンジャー海淵より深い隔たりが、誰しもと途方もない距離を作る。花京院だったら、幼い彼には友達が少なかったにしても、元よりの気持ちのいい素質を持っている花京院だったなら、彼と承太郎やアヴドゥルやポルナレフやジョセフがそうだったように、誰かとそう遠くない心地良い距離感で関わり合えたのだろうか。

花京院 典明(かきょういん のりあき)
『ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース』の登場人物。承太郎の通っている高校に転校してきた高校生。17歳。身長178センチメートル・体重65キログラム・血液型A型。アヴドゥルやポルナレフ同様に、生まれつきのスタンド使い。端正な顔立ちをしており、旅の途中で出会った女性を、ときめかせたこともあった。
幼い頃から「スタンドを持たずスタンドを見ることもできない人間とは真に心をかよわせることはできない」と考えていたため、承太郎たちに出会うまで友人は全くいなかった。
冷静沈着な性格であり、敵の策略や敵のスタンド能力の正体をただ一人看破するなど洞察力にも長けている。一行の中では性格は比較的控えめで礼儀正しいが、一般人をも巻き込む凶悪な敵スタンド使いには容赦がない。また、ポルナレフと共に下ネタギャグに興じるなど俗事にも通じている。チェリーが好物で、食べる時に舌の上で「レロレロ」と転がす癖がある。テレビゲームが得意で、特にレースゲーム『F-MEGA』はかなりやり込んでおり、自身のスタンドであるハイエロファントグリーンを使ってのスピン攻撃を使うなど、高い腕前を持つ。

wikipedia

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