OMOIDE IN MY HEAD

向井秀徳は正直何を言ってるのかわからないけど、NUMBER GIRL、最高ですよね。田渕ひさ子、中尾健太郎、アヒト・イナザワ、しびれる。私には世界で最も好きなバンドがふたつあって、そのひとつがART-SCHOOL。なのでART-SCHOOLのライブでは中尾健太郎のベースを聴くんです、恋に落ちそうになった。かっこよすぎる。彼のソロライブにも行きました。ベースって、楽器って生き物みたいになるんだなあと思いながら音にうずもれていた。NUMBER GIRLのライブ、一度でいいから行きたかったなあ。

NUMBER GIRLの曲を聴いていると、暑い夏の赤い夕暮れを思い出す。まあ夏は透明少女の歌詞に登場するからだろう。その赤は安部公房の赤い繭の色、といった感じがする。でも少しさわやかで。楽器と向井秀徳の歌声でテンションが上がって朦朧としてしまう。でも青春と呼ぶには少し冷静で。

俺はうすく目を開けて
閉じてそしてまた開く!!

OMOIDE IN MY HEAD / NUMBER GIRL

今私は、窓を開けた涼しい真夜中の空気の中、ベッドに横たわっている。足元のオットマンには愛しのねこちゃんがいて、脚を動かすと彼女に触れてふわふわする。そしてOMOIDE IN MY HEADだけを繰り返し繰り返し聴いて、贅沢な時間の上澄みを掬っている。手軽に好きな瞬間を好きなだけ味わえるようになった現代はすごく便利だけど、真夜中にラーメンをたべるような罪悪感がある。でもやめらんないよね! 絶対に寝た方がいいけど、まだ眠りたくない。

人生も(恐らく)半ばにして佳境、生きてきて積み重なった記憶は薄くなったり突然鮮明になったりする。こういう瞬間に思い出を振り返るのは、良かったことはもちろん、つらかったこともいつかきっと昇華できる気がして、とてもいいな。

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