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悩んだときは。

夏の暑い日で、暑さと緊張で額から汗が垂れてくる。汗を拭きたいけれど、介助中でそれどころじゃない。でもそのまま放っておけば、お客様に汗がついてしまう。「焦るな、落ち着いて、ゆっくりでいいから確実に」と心の中で呟く。10年前、入社当時のぼくであります。

それからは次第に技術も身につき、場にもなれて、焦ることはずいぶん減りました。

できなかったことができるようになったとき、決まらなかったことが決まったとき、心はおちついていきます。新人時代の焦りも、人生の悩みも、それらが解消されるタイミングは「自分で大丈夫だと実感できた時」なんですよね。

では、いつそうなれるのか?前者について言えることは多少ありますが、人生の悩みについては正直わかりません。ですが、経験上、こうした方がいいだろうと思うことがあります。それは、「焦らないこと」「待ってみること」、この二つです。

なぜかと言いますと、物事ってそんなに急な変化はしませんし、困った状態もすぐには解決しないことの方が多いわけです。ところが、人の気持ちは日々変化していきます。なんとなく前よりも悩まなくなったり、環境の変化によって気にならなくなったり。あるいは、予想もしなかった出来事によって状況が好転することだってありますし、しっかり睡眠をとるだけでも頭の中がぜんぜん違ってきます。なので焦らずにちょっと待ってみた方がいいと思うのです。

それと、「よくしようとしすぎない」。これが意外と大事な気がします。よくしようとしすぎると、どういうわけか、よくならないことがあります。むしろ、かえって悪化させたり長引かせたりすることもあるくらいです。仕事、人間関係、料理、体のことなど、いろんなことに共通するのではないでしょうか。よくしようとしすぎるあまり、バランスが崩れたり、大切な軸を見失ったり、アンテナが敏感になりすぎて逆に辛くなったり。

人はいい結果を過剰に目指すと苦しくなる生き物です。そうではなくて、「ちょっといい方に向かっている」ということが意識できたら、ほんとうはそれで充分かもしれないですよね。なぜなら、それは前進している証拠なのですから。


「悩み」って、きっとあり続けるものです。なので完治を目指すよりも、寛解と再燃を繰り返すものだと思って生きる方が健全な気がします。良い時もあれば、悪い時もある。そしてそれは決して自分だけじゃない。だから、ひとりで抱えこまないようにすること。

そういったことをぜーんぶひっくるめて、「焦らないこと」と「待ってみること」なんですよね。ぼくも。

(小林)


【今月の一言】
悩みはあって当たり前 それは生きている証 (松下幸之助)

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