それはお前の手柄ではない

「手柄」って現代だと事件解決とか大きい活躍の時にも使いますが、小さいことについての主体的功労者?の意味でも使いますよね。

落語研究会にいた時、高座でうけるのは全部自分の手柄って感じが好きでした。もちろん何か面白いものを考えたりやったりするとき、先人の落語や周囲の人の影響とかもあるんですけど、「見える部分」っていうのはわたしだけなので。

シチュエーションとしてはもっとありそうですが、明確に「手柄」と使っているやつをあげました。


ヤマシタトモコ『縞々々』(『裸で外には出られない』収録)

それはおまえの手柄じゃない それは

自分でもよくわからないがなんだか気になっている女性がいる主人公(女性)が彼氏に愛撫されながら「いつから気になっているか」を思い出すシーン。きっかけを思い出した瞬間の自分の反応で、気持ちを自覚した主人公が彼氏に「お前すげー乳首立ってるよ…へへへ」と言われたときのモノローグが『それはおまえの手柄じゃない』ですごく印象的だった。

ここ手柄以外でも意味的には入るんだけど、好きな女のこと考えてゲームしながら彼氏に乳首転がされてる女のモノローグとして「手柄」使うの最高にしっくりきて好きです。あととてもヤマシタトモコっぽいなと思う。ばっさりしているけど繊細な手つきと、男ってこういうところあるんですよの絶妙さがいいですよね。

前戯というか愛撫という二者間でのやりとりで「手柄」って言葉を使ってんのも面白いと思います。「功績」でも近いけど、「手柄」の方がより大げさで少し下品な感じがあって良い。「お前の手柄で感じてんじゃねぇよ調子乗んな」が伝わって来ていいなと思います。


空前メテオ M-1グランプリ 2021 3回戦[京都]

「俺らの手柄にならんやろ」

掴みのフレーズなので配信期間中なら是非観て欲しい…。

ここでは手柄→笑いを取ることです。落語で私が感じてた「手柄」とおんなじだな。掴みなのでちょっと規模感が小さいのも面白いな。

掴み一息で言うんじゃなくて区切ってたっぷり言っているのもいい、最初何をやっているのかわからないのが、ツッコミで初めて輪郭を持つからわかりやすくしてるんですね。こういう形式のボケとツッコミ好きなんだよな、東京ホテイソンのネタもそういうのありますね。

空前メテオかなり好きです、去年の掴みも相当よかったな。Youtubeチャンネルも少しづつ観ています。2020年から好きだったって言っても青田買いにならんかなあ。もう豊穣かしら。応援してます。


お笑いだといくつかありそうですね、どっちかというと平場での「それでうけているのはお前の手柄じゃないだろ」ってツッコミというか指摘というかが。

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