独特な口癖を真似て相手を挑発・小馬鹿にする

フィクションで人が人を煽っているのは面白いですね。

野田サトル『ゴールデンカムイ』

あさはてあぶいがいりもすな

口癖(方言)の人:鯉登音之進

口癖:薩摩弁の語尾「もす」

法則:ます、ですのように語尾につく

真似した人:尾形百之助

興奮すると早口の薩摩弁になりモスから

鯉登が初登場時、偽犬童を方言の会話をひねって炙り出すというくだりがあり、独特だが有能な新しい敵が登場したぜ!と思ったところで尾形が煽ってて尾形、本当に嫌われてたんだなとなるシーンです。こういう煽りは頭が回る皮肉屋がやると映えますね。

鯉登は普段は標準語で、鶴見中尉の前で緊張した時は早口の薩摩弁になるものの聞き取れないため吹き出しにぐちゃぐちゃした線で表されるので、文字として薩摩弁を喋るシーンは限られています。過去回想とかぽろっと出るとか。

あとアニメでは飛行艇上で鯉登が早口の薩摩弁に字幕がついてて「尾形てめぇ大っ嫌い〜!」みたいなことを言っていたと発覚しました。

下にあげる二点はフィクションの過剰な口癖ですがこれは現実レベルの方言で、実際にもありそうだし実際にやるとすげー嫌な奴ですね。


雲母坂盾『ボーンコレクション』

お前は「侍ではなくなった侍」だな

口癖の人:獅子野銀々

口癖:「〇〇侍」

法則:人の属性や状況についていう。形容詞や文章+侍をカギカッコで囲む。

使用例:「あいつに未練がある侍」だろうが/「嘘つき侍」ね

真似した人:阿部秋冬

秘め事は「お互い様侍」ね

四天王の一人で複数の剣を携えた隻眼長髪の美男子だが語尾、属性、自分の所属隊などで侍に固執している変な男獅子野銀々。初登場からキャラが濃くてとてもいいですね。秋冬さんが処罰対象の妖怪術使用者を見逃したことを責めた際に言い返されるシーンで「お互い様侍」ねと煽られる。

元の口癖の法則がわかりにくいけど秋冬さんの使い方が多分ちょっとずれててそれも変な口癖煽りとして味わい深いですね。

『ボーンコレクション』ギャグのテンションが変なのとキャラが可愛らしくてかなり好きだったな。


荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険SBR』

おまえへのギロチン処刑の世界を兼ねたッ‼︎

口癖の人:マイク・O

口癖:〇〇な世界

法則:〇〇という状況、〇〇という事、というようにも置き換えられる。

使用例:逃げられた世界だ…/重要なレベルの世界だ/裏切り者は「スタンド使い」の世界なのでは…⁉︎/許される世界ではない…/思い知らせてやる世界をなッ!!

真似した人:ディエゴ・ブランドー

せいぜいしっかり捕まえなよのセカイって感じだぜ このDioには関係のないセカイだしな…カスどもが……

大統領の護衛、マイク・Oの口癖。法則性がわかるようでわからないが完全にのぞいても違和感がない場合、逆にあっても文章としてぎりぎり通じる場合がある。

直接口にせずマイク・Oが立ち去ったあとの独白で片仮名の「セカイ」を使い小馬鹿にしている。使い方としては合ってそう。尾形の「モス」表記もですが本来と表記を変えたり強調するのも小馬鹿にするの特徴ですよね。

あと「世界」がスタンドと一切関係ないのも味ですね。


『坊っちゃん』でも「ぞなもし」であったと思ったけどちょっと違いました。

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