エロティクス・エフ

『マンガ・エロティクス・エフ』は太田出版の漫画雑誌で山本直樹をスーパーバイザーとして広く官能的・刺激的な漫画を扱っていました。直接エロ漫画というよりは耽美だったりプラトニックから少しだけ性に踏み込んでいたり恋はあるけどノーセックスだったりと多様ですね。2014年廃刊。執筆陣を見ると山本直樹を始め私が読んでる(好きな)だけでもオノ・ナツメ、今日マチ子、中村明日美子、志村貴子、柘植文、古屋兎丸、よしながふみ、朔ユキ蔵、沙村広明、山田参助等々かなり豪華だ。すげえ。

雑誌に引き出しも何もないんですが印象的な名前の出方をしたのでnote書きました。


ナケナシムカンシンラジオ

永久保存さんという方(面識がない)とふちかわさんという方(面識がある)が録音されているラジオを拝聴しています。

話題のひとつで「永久保存さんと五能ファイアさんが組まれているコンビ・ニルギリのコンビ名候補として『エロティクス・エフ』(ラジオの音声情報のため正確な表記は不明)というのがあったが男女コンビということでボツにした」という旨の話をされていておおエロティクス・エフじゃんと思いました。

放送回リンク↓

https://radiotalk.jp/talk/854462

意味は強いですが確かにインパクトがあるかつ独特でしっとりしたうつくしい響きですよね。濁点もないし。私も初めて知った時「えろてぃくす…えろてぃくすえふ…えふ…」と舌に乗せたのを思い出しました。

ニルギリ(茶葉の品種)にも深い意味があると勝手に思ったのですが響き・略せないこと重視で決められたそうです。かっこいい。

落研や大喜利の方でラジオやツイキャスなさっている方が何人かいらして羨やんでいます。学生時代に一度誘われて公的な電波でやれるかもという話もあったんですが私以外の人になったんですよね。私も生活や趣味や考えをべろべろ露出したいもんだ。


舞城王太郎『堀江果歩』(『淵の王』)

かなり好きな短編小説です。『淵の王』自体、善良な人間が真っ黒で理不尽な怪異に飲み込まれていく短編集なんですが『堀江果歩』は特に努力家でひたむきで淡々としながら情熱的な主人公の描き方が大好きです。だからこそ怪異の理不尽さが引き立つんだよな!

堀江果歩はテニス少女だったんですがある時からマンガにのめり込むようになり、大学生のころは漫画を買いまくっていたよ、という描写にエロティクス・エフが出て来ます。

月曜日にジャンプ・ヤングマガジン・ビッグコミックスピリッツ
隔週の火曜日にアクション
水曜日にマガジン・サンデー
木曜日にモーニング・ヤングジャンプを立ち読み
毎月九日の別冊マガジン、十二日のコミックビーム、十三日の別冊マーガレット、十九日のウルトラジャンプ、二十五日のアフタヌーン、二十八日のフラワーズ、隔月でエロティクスFを購入
単行本を月に10冊近く購入

エロティクスFが他のに比べてちょっと特殊かなと思うんですがそんなことないのかな。フラワーズも?この時もエロティクスエフじゃん〜と思いました。舞城王太郎が執筆陣好きだったのかな。

舞城王太郎の怪異ものは『淵の王』含めて全部いいですが現代の百物語『深夜百太郎』が特におすすめです。友人全員に読んでもらって『深夜百太郎』の好きな会をずーっと話す会がやりたい。ハッピーバッドセーフアウト&どれでもないけど生きていくエンド各種そろい踏みの怪談集で最高ですよ。貸すから読んでくれ〜。


特集 オノ・ナツメという魔法

中学生くらいからオノ・ナツメが大好きになってそこから青年系の漫画・漫画雑誌にいくつか触れており、『マンガ・エロティクス・エフ』もその一つでした。

2011年に「オノ・ナツメという魔法」という特集をやるということで、ものすごく欲しかったんですが当時中学生?で流石に『エロティクス』なんて名前の雑誌を親に買ってと言えなかったんですよね。そもそも買うという発想もなかった気がするな…。でも欲しかった。今年6月くらいに「え、今なら買えるじゃん」とAmazonで在庫を買いました。大人になったなと思いましたね。『ドロヘドロ』一気買いした時もTSUTAYAから帰りながら大人〜‼︎と感じました。私の大人は漫画を買うことしかないのか。

漫画雑誌はあまり買ってなかったんですが、WEB版コミック連載は結構読んでいました。なんならエロティクス・エフの出版社の太田出版のサイトも見ていて『分校の人たち』とか中学生の頃読んでたっぽくてあー完全にだめ道具出てるじゃんと思いました。ゾーニング難しいね。

北海道出身なんですが結構文化が届かなかったり憧れている展示やイベントとは遠く隔てられていて文化は眺めるものと思っており、「手に入れる」「行く」という発想自体があまりなかったかもしれません。進学で関東、就職で東京に来て、行こうと思えば様々なイベントに行けることに本当に感動しました。

中学・高校生は特に学校が世界の全てみたいなところがあったのでよりその思いが強かったのかもしれませんが、友人で札幌や東京のライブに行っている人もいたし、私も高校2年の時卒業式を休んで東京に『穂村さんとジプシー』観に行ったりしていたんで案外やろうとすれば手は届いたのかもしれませんね。少女の私に「案外手は届くよ」と教えたい気もしますが「折角東京いるのに大してイベント行ってねえじゃねぇか毎週美術館行け阿呆が」と言われるだろうな…。すみません…。


『マンガ・エロティクス・エフ』の引き出しでした。『関根くんの恋』『分校の人たち』『青い花』『U』あたりちゃんと読んでみよう。

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