バロット

※ゲテモノやグロテスクな食べ物が苦手な方は読むのちょっと注意です。


バロットは孵化する直前のあひるの玉子をゆでた食べ物です。

しっとり湿って一部が不完全な鳥の雛を食べる感じ。グロテスクな食べ物として有名ですね。


西原理恵子の鳥頭紀行

中学生くらい?の頃読んだ。すげー下品で率直な内容だった。バロット食べてうおえ羽とか骨とかあるうううみたいな感想だった気がする。ベトナム編だったかな?


panpanya『グヤバノ・ホリデー』

ひょんなことからグヤバノジュースを好きになった著者がこれまたひょんなことから原産地フィリピンへグヤバノを探す旅に出る。メイン軸はグヤバノですがバロットを食べるシーンで「あれ、めっちゃうまい…」となるのに驚いた。ジューシーな茹で卵、親子丼みたいな感じ…。とのこと。まじで〜?先のイメージでグロい、食べにくい、ゲテモノのイメージがあったのでかなりびっくりしました。

作品自体もおすすめです。普段日常の延長線での不思議な話を描いているので、一瞬グヤバノも架空の果物か?と思ってしまうのも味。


迫稔雄『嘘喰い』

密葬課の課長・真鍋匠の好物で籠に入れて多量に携帯しています。真鍋匠は強そうではありますが大人しそうな美青年で作中では比較的常識的な見た目なんですが、登場初期に殻を割って喉をそらしドロリと落ちてくるそれを口で受け止める様から「こいつはクセモノだ〜」と思わせるいい演出です。たまに初登場で変なもの食べててそれでキャラを示す演出ありますよね。『グヤバノ・ホリデー』では売ってる段階で冷めてるのは良くない、とされてたんですが、真鍋が食べてるのは基本冷めてるやつですね。

しかしその後の(過去回想以外の)真鍋の登場シーンは流通の限定された孤島になるので以後は普通の鶏卵の生卵やゆで卵を食べています。いいのかそれで。

真鍋本当に本当に強い、作中5本の指に入るくらい強い化け物なんですけど途中でなんか可愛い感じになるのが嘘喰いのいいとこですね。紫音と絡んだから…。


おまけ

九井諒子『ダンジョン飯』

これは本当のバロットではなく、バロメッツという成長したら羊のようになる植物(魔物とも)の実を割ったら中に胎児のような幼体の羊が入っていた、という描写で、その後実と仔羊で作った料理を「バロメッツチョップあるいはバロメッツのバロット」と呼びます。言い得て妙。マルシルたちが「倫理的に無理…!」と抵抗を示すのもバロットならではですね。


ただのゲテモノ、虫とか蛇にさらに「孵化直前の子供」という抵抗感も加わるので一層苦手意識が強いんでしょうね。仔羊の、とかだったらおいしそうと思うけど乳飲み仔羊のだったら「うっ」と思っちゃうの人間の業だなーと穂村弘も言ってましたね。

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