ガラスの靴は歩きにくい
そりゃそうだよねー。絶対履き心地悪いよねー。重いだろうし。しかも木靴とかと違ってヒール付きですよ。
Amazon primeオリジナル作品『シンデレラ』
骨組みと部分部分だけシンデレラで後はかなりアレンジした映画。魔法使いがドレスとガラスの靴を出してくれるが歩いてみて「もっと歩きやすくならない?痛って、よろよろする」と不平を言うシンデレラ。「無理よ。魔法って万能じゃないの」と言いつつ歩きやすくしてくれる魔法使いが魅力的ですね。
『シンデレラ』は衣装がどれもこれも凝っていて素敵で大好きでした。肝心のシンデレラのドレスが本当に繊細かつゴージャスで最高。舞踏会のみんなもグェンの普段着も好きですね。
そのあとの靴の持ち主探しのシーンで靴を自作した娘がいたのも好きだったな。
パトリシア・C・リーデ『囚われちゃったお姫さま』
この本全体がおとぎ話やファンタジーの皮肉パロディの世界観。
お姫様にとって「怪物にさらわれること」「妖精に呪われること」その他諸々の「お約束の災厄や試練」はその後幸せに結婚するための布石なので、こぞってその災難にあおうとする設定で面白い。
主人公シモリーンがドラゴン達の暮らす巣穴で出会った囚われの姫アリアノーラは自分を呪うはずだった名付け親の妖精がパーティで大満足して呪われそびれたり、魔法をかけまちがえられて歯が丈夫になったりと「お約束」がうまくできない。
ガラスの靴も履いてすぐに割ってしまう。シモリーンの「ガラスの靴って商人の娘用に作られているからそれも当然なのよね」っていうコメントがそうなの?ってなって好き。
『囚われちゃったお姫さま』から始まる《魔法の森シリーズ》は本当に面白いんだけど児童書だしページ数も多いので勧めにくいんだよな。橋賢亀の挿画も本当にいいです。ルンペルシュティルツキンの姫が名前を全く当てられないので子供を預かりまくることになってハーマンに改名するけどそれでも当てられなくててんてこ舞いのくだりとかすごく好きだ。
「ガラスの靴歩きにくいなぁ!」と言っちゃえるフィクションはチャーミングですよね。
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