Tinderという魔界

留学前に約5年付き合っていた彼氏と別れ、留学中に大好きだった男と終わり、何にもなくなってしまった。
その反動で、帰国したら彼氏がいない時しかできないことをするぞ❗️と意気込み、現在、Tinder歴約半年のアマチュアになった。
いろんな人がいた。陰茎の味を聞いてくる男、新築2LDKに住みBMWに乗る医学部、死ぬほど拾い画で子ゴリラのような見た目の男。彼らはヤリたいという点だけ共通しており、見た目や性格は様々だった。

Tinderは誰でも簡単に足を踏み入れることができる魔界だということは分かった。ずっとTinderは“選ばれし者”しかできないと思っていた。なんとなく自分には遠い世界のもので、アプリを入れても登録できないだろうし、登録した先のビジョンが見えなかった。しかしアプリを入れると、すんなりと登録させてもらえて、すんなりとTinder界の一員になれた。
人間はこんなにも簡単に遠い世界に入れるんだと思った。たぶんどの界隈にも言えることなんだろう。

Tinderを含むマッチングアプリがここまで栄えた理由は、日常に出会いがなくなっているということに加え、人間の選民思想を刺激するからじゃないかなと思う。
女は男を左右にスワイプし自分好みの帝国を作る。それが故に男はなかなかマッチしないから、とりあえず女全員を右スワイプする強者が多い。だからこそ女からいいねをしてもらいマッチしたら、それだけで“選ばれた感覚”を覚える。女は帝国を作り上げても女である以上すぐマッチできるから、「自分は彼に相応しい人間なんだ」と“選ばれた感覚”を覚える。

………うまくできたビジネスだな〜〜とつくづく思う。人間誰しも自分が選ばれることに快感を感じる。その選民思想をうまく利用することで、失恋の寂しさや未練を誤魔化したり、自分の欲を満たしたりすることができるのだ。

マッチングアプリでの出会いが主流になった現在、これからもきっと寂しさを抱える男女がマッチングアプリで選民思想を満たし、“満たされない人間”が量産されていくんだろう、、、

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