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和レゲエ数珠繋ぎ-第42回-白川大晃

和歌山県 白川大晃
アーティスト名 面影ラッキーホール
曲名 360°ノーマル
発売年 1999年


1998年デビュー(浜崎あゆみと同年)のファンクバンド。
彼らとの邂逅は大学時代。友人が2008年発売の作品『Whydunit?』収録の『おみそしるあっためてのみなね』という曲を教えてくれた時でした。たしか、曽我部恵一がレコメンドしていたとか、そういう話だった気がします。
すぐにファンになった僕は、過去作もiTunesに入れて聴きまくり、ことあるごとに友人にお勧めしてきました。

2012年に京都のボロフェスタというイベントで初めて体感したライブはとても印象的で、未だに人生で体験したライブベスト3にランクインし続けています。

そういえば、主要メンバーの一人であるsinner-yangが、石丸元章と対談した記事は、ネットで少し話題になっていた気もするので、見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、僕も楽しく何回も読みました。

さて、そんな思い入れのあるバンドの1999年発売のアルバム、『音楽ぎらい』に収録されている『360°ノーマル』という作品が、僕の紹介する1曲です。
おそらく彼らの作品の中では唯一のレゲエチューン。ヴォーカルのaCKy節全開のトースティングと、本格的でヘヴィなサウンドがカッコいいですね。

ところで、非常に好みが分かれるリリックかと思いますが、「○○が流行ってるってね」という一節は
1987年Tokyo Soy Sourseで披露されたMUTE BEAT江戸アケミのステージにおけるフレーズへのオマージュかもしれません。

※Mute Beat guest 江戸アケミ from じゃがたら - Organ's Melody
(3:50あたり〜)

そういうところも踏まえて聴くと、味わいが増してさらに楽しんで聴けますね。

このアルバムは2016年にレコードになっています。僕も数年前にAmazonで新品をゲットすることができましたし、探せば出てくる気がします。もしよければディグってみてください。この曲以外にも魅力的な曲がたくさん収録されています。

もちろん配信もありますので、この記事を読み終えた方は是非チェックしてみてください!すぐに友達に勧めたくなるかも・・・!

♨︎

白川さん、ありがとうございました!ラヴァーズロックバンド・Bagus!からまさかの登場です。昨年末、白川さんからメールをいただきまして…Bagus!への想いは一旦抑えて第42回を始めます。

今回のアーティストは面影ラッキーホール。このアルバムは聴いたことがなく…まずは聴きました。

その上で思うのが、白川さんの書いてくれた江戸アケミの考察が興味深い。「360°ノーマル」はトランペットから始まるダビーなレゲエ曲。考察をふまえて聴くとまずイントロでMute Beatを感じます。

アルバムを順に聴いていくとキャロル・キング、ロッドスチュワート、萩原健一と絶妙の差し込み方。となると江戸アケミの一節が余計に気になってきますね。

これらは一例に過ぎず、面影ラッキーホールの音源は魅力的な要素が満載なんですが…今回はレゲエ曲を探すことを優先し、Mute Beat&江戸アケミから広がる和レゲエの輪を探検していきます。

オマージュ元となったであろうライブが行われた1987年に、江戸アケミが所属するバンド・じゃがたらはアルバムをリリースしています。タイトルは「南蛮渡来」その中の1曲「もうがまんできない」がレゲエ

この曲は江戸アケミの盟友である前述のMuteBeatこだま和文や、THE FOOLS・ブルースビンボーズ伊藤耕もカバーしています。

ブルースビンボーズに至っては、収録アルバムジャケットからレゲエ色がすごい。タイトルは「THE HARDER THEY COVER
ジミークリフのカバーも入っています。オリジナル曲の「宇宙のどこかで」もレゲエ

ブルースビンボーズのアルバムジャケット

違うラインだと昨年、ラジオでよくCMが流れていた大人計画の舞台のタイトルも「もうがまんできない」でした。
ラジオCMのバックミュージックはやっぱりじゃがたら、CM動画のバックミュージックも然り。結果的にここでもレゲエが…。

最後に個人的なオマージュの思い出を。

約20年前、京都のWHOOPEE'Sにて。BLACK SMORKER土俵ORIZINという当時の東西を代表するヒップホップクルー2組の出演するイベントに遊びに行った時のことです。土俵ORIZINのラッパー・INDENが歌っていた曲のサビがブルースビンボーズの楽曲「太陽のまばたき」へのオマージュでした。

土俵ORIZINのスタイルは鋭いアブストラクトヒップホップだったので、予想外のオマージュに驚きました。INDENの楽曲は音源化されていないはず。

今回もありがとうございました!

そして次回もなんと白川さんが登場。実は3つ記事を寄稿していただき全3回となっております。珍しく週1更新で3週連続いきます。Bagus!ファンの皆さまはお楽しみに。


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