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100ページ超の同人誌を作る話

久しぶりに100ページ超の同人誌を出したので記録です。
なお全然合理的な方法で描いてないので全く参考にはならないと思います。ただただ苦行を見ていただければ…という話です つらい。

100ページ超の本を出したのは3回目ぐらいなんですが、大体4か月ぐらいかかるのでネームの時点で100ページ超えたら 本出る頃には季節変わるな……ぐらいの遠い目をします。今回も12月頃に作業始めたのですが原稿が完成したのは4月下旬、実際に本が出るのは6月でした。


今回出した本はこんな感じ
ーーーーー
・前編後編の本 後編の方全116ページ
 (前編は既に出ている) 
・A5 表紙フルカラー+特殊紙+透明箔 
 本文モノクロ
ーーーーー

なお前編は76ページの本でした ので一つの話としては全180ページほどあり、お前180ページも使って何をそんなに…って思うのですが、推しと推しがくっつくまでにはそれだけのページ数が必要なのだ…と自分を納得させ正気を失うところから始めます。




制作環境

一応制作環境を。私はipadと仲良くなれず3か月でApple Pencil2をメルカリで売った奴ですので今でも古式ゆかしきwindowsにワコムの液タブ(DTH-1320)を繋いでおります。ワコムの液タブも恒例のドライバがアレ過ぎて毎回タッチパネルを切る事が出来ず描画中に手が触れただけで電源が切れたりとなかなかの暴れっぷりですが まあ仲良くしてます 時々キィイイイイーー!!!ってなりますが 月5ぐらいで

ペンはグリップペン+無印の細軸綿棒ペンを愛用しております。



この綿棒の芯の部分を突っ込む 
全然擦り減らないので1年ぐらいフツーに使える
※もちろん自己責任で!!!!!!!!

別に無印のでなくてもいいんですが他社の試したこと無いので…
ともかくめっちゃ安い。あと適度にグリップ効いて公式ペン先より良い。フェルトペンとプラスチックペンの間ぐらいのグリップ力があります。
200本もあるので8年ぐらい持ってるし普通に耳ほじる用にも使ってる
ただ皆がエロ漫画のように綿棒や鉄棒やパスタ等をペンに突っ込んだためかワコム側が対策し 新しいペンは口が細くなって綿棒が入れられなくなってしまいました。旧式のグリップペンにしか綿棒ペン先は使えないので グリップペンの販売が終わったら私の絵人生が終わるな…って思ってるぐらいの愛用品です。
※故障リスクある使い方なので自己責任でお願いします




とりあえずネームを書く

「ネーム」ってセリフ部分なのかコマ割りのざっくりした部分を指すのか実はよくわかっていないんですが とりあえずメモ帳とかにダラダラと文章で話を書いていきます。今は外で時間がある時にでも見れるようnotes使ってたりします。

notesとても便利
「セリフだけの小説」のような感じで書いていきます

この時点ではページ数をあまり考えずダラダラと書いていきます。内容が薄ければ1日で終わりますが100ページ超となるとまあ合計して一カ月ぐらいかかったかなと…ちなみに今回単純な文字数としては10,800ぐらいでした。

間を開けている行は「コマ1つ」で、上記の場合「5コマで描く」事を想定しています。基本セリフだけですが たまーに(こういう絵にしたい)というメモをカッコでいれてたりします。
この時点で何度か読み返し おかしい所が無いかチェックし ページ数割りの作業に入ります。

ページ割り。メモ帳に移動しページ数で割っていきます
メモ帳に移動するのはnotesだと改行時になぜか
カーソルがビュンって飛ぶのがストレスだからです

大体1ページに5から7コマ 魅せコマがある場合は1ページに3コマぐらいにして大きく絵を描く という感じでページ数を頭から打って行きます。
このページは21ページ目となり 魅せコマがないため 7コマという「小さめのコマが多い」ページにしています。

そして21ページは「本を開いた時左側のページ」になります。その場合21ページの最後のコマに「次のページを開かせたい」という意図をもった「引きずるコマ」を入れないとなあ…とか考えておきます。

この時点で何ページの本かだいたい見えてきますが 印刷はA5の場合8ページ区切りなので あまりにもその区切りに合わないページ数になりそうな場合は内容を少し詰めたり逆にコマ増やしてページ数増やして合うように…等の調整をします。
後ろのページのコマがデカいのはだいたいそういう事ですお察しください。

ちなみになぜA5は8ページ区切りでB5は4ページ区切りなのかというと、オフセットの版(PS版)1枚のお値段が8ページ/4ページ分なのです。なので1ページでも範囲を超えると版を1枚増やす=1段階上の値段になる という印刷所さんが大半です。




下描きを描きます

私はクリスタと和解できす10年なので基本的には全てsai2で描いております。クリスタとは本気で2回ほど殴り合ったのですがもはや「私はタタラ場で暮らそう」の域に入っているので、使うところだけ使います。クリスタで全部やった方が絶対に楽ですので 和解できるのならした方が良いです。

というわけでsai2と仲良く作業に入ります。
下記のようなページ数分の枠がある画像を既に作ってあるので ここに先ほどのページ数割りした文字ネームメモ帳を見ながらコマを割っていきます。

600dpi/A3サイズぐらいの画像1枚に
全ページを描いていきます
各ページの真ん中の空白は「ノド」
開きで見にくい場所のため絵を入れないようにします

クリスタだとこの時点で各ページが独立していて 後々の作業的には楽なんですが、私はこの「このコマは次のページの方が良いのでは?」という瞬間にすぐ次のページにコマを持っていけるこの形式が好きです。後々の作業がドチャクソ手間なのであまりお勧めはしませんが、別ページへのコマの入れ替えや話の流れを大きく変えたりが容易なのでそっちを優先させています。

ちなみに前編の方のネーム全部はこんな感じでした
本お持ちの方は本編と見比べていただけると面白いかも。
あんまり変更しないのでホントまんまだと思います。


なお21ぺージは文字ネームには無かった1コマが最期に増えています。これは元は22ページ目の頭に入れるはずだったコマを持ってきて「21ページから22ページへの引き」を作っている状態です。ただ8コマにするとさすがに絵が小さくなってしまうため 4と5のコマを1つにまとめて最終的に7コマで納めています。
このコマ割り作業が多分一番面倒で 毎日5ページぐらい描く…ぐらいで進めます 多分一番頭を使う作業です きつい

なかなか進めない場合は好きな漫画を読んでプロの漫画のコマの流れを見たり 脳内で話を流れを何度も反芻したりします。もし動画だったらどういう流れになるか、そしてキャラクターが立っている場所のどこにカメラを置くか、を脳内でカメラをグルグル回して考えます。

ペン入れ作業中とかはアニメとか映画を流してる事多いのですが この作業中はセリフを考えつつやらなくてはいけないため 言葉がある音(歌やアニメや映画)は脳内が落ち着かないので一切流せません つらい。

「実際コマ割ったら思ったよりセリフの方がうまくいってない…」という場合もあるので、同時進行でセリフそのものを変更したりもします そのため画面上はsaiとメモ帳を並べて作業し メモ帳の方も随時変更していきます。

こうして数週間かけて全ページ描き終わったらセリフを入れていきます。




ページを分け、セリフを入れる

クリスタでB5/116ページ分のデータを作って
1枚づつ貼っていきます

セリフとノンブル(ページ数)を入れるのはクリスタが楽なのでここから一旦クリスタに移行します。クッソめんどくさいのですが先ほどの全ページ描いた画像から1枚づつコピペ→拡大でクリスタのページ通りに拡大して貼っていきます 超だるい作業なので最初からクリスタで出来る人はクリスタと仲良くした方がいいですホント。

更にセリフを入れていきます。「photoshopよりはマシ」と言われているクリスタのストーリーエディターを使います。ストーリーエディターはクリスタ2からは文字サイズ等を複数選択→形式変更が出来るようになったそうで 逆に今まで何で出来なかった…という機能なんですが この作業が終わってしまった後に導入された機能なので今泣いております。3カ月前に実装してくれれば確実に課金してクリスタ2にしてましたというぐらい面倒な作業です。
まあこの時点でこの機能はなかったので、今回は別のフォントにするセリフは1つづつ手作業で直しています。 死の行軍が続きます。

そういやこの本オメガバース本だったんですが「Ω」「α」がクリスタさんでは縦にすることができずsai上で画像として1個づつ直すというオメガバース本描く人に大変優しくない仕様であったことをお伝えしたいです みんなどうしてんのこれ??

なんで縦にできないの…

なおストーリーエディタは全ページ分のセリフをコピペすると1ページに全セリフが貼られるというビチグソ仕様なので1ページづつコピペが必要です。つまり112ページ分ぐらいセリフのコピペを112回したわけで…いや…2行開たら次のページに行くとか…できないのかな…………

…という方のためにネームチェンジャーという超神サイトがあるのですが これをなぜクリスタ本体に実装できんのか…!と長年思っております。これのおかげでだいぶ助かっておりますが本体が実装してくれんかな……クリスタさんお願いします…と思いつつセリフを全て打っていきます。だいたい3日ぐらいかかりました。

※クリスタさんは「クリスタ上でストーリーも入れるでしょ?😊」って思考で作られているようなのですが、残念ながらテキストツールとしてはメモ帳以下の使用感のためできれば「別のテキストアプリからコピペする」という思考になってくれれば…と思います…お前は絵を描くソフトなんだ、テキスト編集はメモ帳に任せろ、な???


なおこの後saiとクリスタとphotoshopとメディバンといろいろなソフトを行き来するため、すべてに共通するpsd形式で全ページを書き出します。




下書き2をする

いいキャプが残ってなかった…
中途半端にペン入れされていますが
灰色の線の方の絵の話です
なお6コマ目は前ページに似たような
コマがあったため急遽丸ごと変更

さすがに初期の黄色い線の絵は落書き状態なので もう一度だけ下書きをします(※あんまり変わってないように見えますが!)上記ページはちょうどあんまり参考にならんページだったのですが黒いペンで描き、不透明度30%ぐらいにしています。服と髪の毛は描くと逆に上手く行かないので毎回下書きでは描いてません。下書きでは全員ほぼ全裸ハゲです。
毎日のルーティンがだいたい「1ページペン入れる→次のページの下描き2をする」で1日、という感じで進めていきます。土日はこれが2ページ分という感じでペン入れ終了までの時間を予想しますが、この時点で「ペン入れ終了は4月末」という予測がができていました。ちゃんと毎日やればな…




ペン入れ

sai2の2値ペンで1コマずつペン入れしています 
ちょっと今回線が細すぎました…

ペン入れをしていきます。いろいろなスタイルがあると思いますが私は背景を含め全コマ描き切ってから次のページというスタイルをとっています。後から背景ばっかりだと鬱になるからってだけです。
3コマ目の自販機は前ページで描いたものを流用してます。スマホなどはたまーに3Dをクリスタから持ってきますが、クリスタで3Dを設定してpsd形式で保存してまたsaiに移動して…が面倒すぎて結局あんまり使わない状態になっています。




枠線を引く

フリーハンドで描いた枠に沿って描いていきます

―――そして3か月後
季節が変わり全ページのペン入れが終わってから枠を入れていきます。最初に枠線描いてから絵を描いている方も多いと思うのですが 私は枠線があると絵の範囲が制限されてしまって上手く描けないのでペン入れが終わるまでは正式な枠線をいれずに描いています。
枠線を入れるソフトはMedibangです。完全に枠線入れるだけに使っているので申し訳ないのですがsaiは枠線を入れる機能が無く、クリスタはいろいろ出来る分操作が複雑なため Medibangのシンプルな枠線入れ機能が私は好きです。
手描きの枠に沿って枠線を1つづつ入れていきます 100ページ超で2,3日で作業終了。この時点で絵のちょっとした移動や絵のサイズ変更等も行います。

頭とかはみ出るところとかの微調整

ちょいちょい絵の微調整も行っています(わからんと思うのですが4コマ目の絵とか調整しています)
ページ数が多い漫画の場合、描いている間に絵が変化していってしまうので、もう最初の方のページは「ほぼ全描き直しになる」事を覚悟でやっております…実際序盤の方のページはほぼ描き直しになっていました。めんどくさいですが必要な犠牲…と思いつつ 同時に「最初の方のページはいくら描き直しても無駄」なのでどんどん先に向かって描いて後で見直すかーぐらいでやるようになってから少しスピードアップした気がします。未来の自分がなんとかしてくれるはずだ…



トーンを貼る

トーンというかグレースケール

トーンを貼っていきます。というかグレーで塗るだけです。これは後からクリスタでトーン化させます。以下ようなトーン表を作り saiでパレットとして記録させていました。

全身が出ている絵がこれしかなかったので 
この絵でパレットを作った

体感としては印刷したら思ったより薄く出るなーという感じだったので今回の本からちょっぴり濃い目にしています。
saiはグラデーションが苦手なので(機能としてはあるがあまり実用的じゃない)一旦バケツ塗りをしてその上にマーカーで濃い目の色をトントンと足して疑似グラデ的な物を作ったりしています(上記髪の毛のトーンのような感じ)




吹き出しを入れる

どうしてもクリスタと和解できない
そして今気づいたけどシャツのボタン逆だね………

ここはphotoshopを使います。この時点で4つ目のソフトです。自分でも何やってんだろうな…と思いますがどうしてもクリスタのフキダシ機能と仲良くできないので諦めました。しかしここまでのソフトの機能を全部持ったクリスタはホント凄いなあと…仲良くできないけどな…

photoshopではシェイプ機能を使います。シェイプには既にいくつかフキダシの素材を自分で作って登録してありますので そこから選んで使います。

♥とかは最初から登録されてるやつ

シェイプの良いところはいくらでもサイズを変えれるところとフキダシのしっぽも簡単に付けられることでしょうか。フキダシくっつけたりもきれいにできます。1ページ分一気にフキダシを作ってレイヤー結合し、レイヤースタイル→境界線5px→しっぽを選択範囲+塗りつぶしで作る、という感じです。画像扱いになるので直感的に理解できてBBAの頭には優しいのです。

上記の原稿で電話音声のところは二重線になってますが ここはクリスタでしぶしぶやっております。




クリスタでトーン化する

2値の原稿が大好き

最期の作業として先ほどのグレースケール部分をクリスタでトーン化します。これは本当に便利で助かっています…ありがとうクリスタ
私はグレースケールより2値(※白黒だけの原稿)が好きなのでトーン化していますが 今は印刷技術がかなり上がったのでグレースケールの状態でも十分印刷できれいに印刷されます。でもなんとなく2値が好きなのでトーン化後はphotoshopのアクションで一気に全ページを結合→2値化→グレースケール変換→最後に紙出力までします。




紙出力してチェックする


この紙出力までくると終盤です 予定通り4月中旬でここまで来れましたが、ページ数多い分修正も多かったのは「そらそうだよな…」と思いつつやってました。
この時点でセリフの間違い トーン忘れ 絵の修正等を赤ペンでいれていきます。チェックは紙の方が発見しやすいので必ず紙出力は行います。

この時点で原稿データは「全て結合した2値データ」「レイヤー結合前のデータ」の2種がありますが 修正をどのデータからやるかを紙出力を見て判断し「修正なし」「軽度修正」「ガチ修正」の3つに分けていきます。
ガチ修正はコマ丸ごと修正とか、人物丸ごと修正とかで これが多ければ多いほど完成は遠のきます。
今回はガチ修正が30ページぐらいあって眩暈がしました…

つらいガチ修正

これをまあ1週間ほどかけてせこせこと直していき、ガチ修正があったページだけもう一度印刷してチェックしたりします。
これを繰り返し本文の原稿は終わります。 この時点で4か月経過ぐらいだったかなと…普通に冬から春になっていました。ゼルダの発売には間に合いました。よかった。


6月1日に無事に印刷されました。
いつもきれいな印刷をしてくれる大陽出版さん
ありがとうございます 細すぎる線ですみませんでした…




表紙を作る

本文とどちらを先にするか色々な意見あると思いますが 私は基本表紙は最後に作ります。単純に原稿を描き切った後の方が絵が多少こなれているからです。
こちらも基本saiで作りますが、文字はphotoshopとillustratorを使います。
今回の話のメインは本文原稿なんで表紙についてはサラっとですが 下描き描いて、ペン入れして、色塗って、ロゴ入れてという大変普通の流れで作っております。

表紙となると毎回デザインの事でウワァアア…ってなるんですが 個人的にどーにもアイディアが浮かばない時はネットで漫画や雑誌の表紙の他に「映画ポスター」なんかはよく見ます。映画ポスターはデザインや色合いが大変参考になりますのでお勧めです。

Photoshopでやろうと思えばできるのですが
illustlatorはタイトルロゴ作る時やっぱ便利
今回のロゴはひな明朝に少し手をいれてあります

最近はデザイナーさんにお願いするのもよく見かけて羨ましいな――――!と思うのですが 今んとこまあ自分でやるか…って感じでやってます。やってもらった方が良いものができるとは思いますが、まあそこを悩むのも楽しいなーと思っているので…でもやっぱプロにやってもらうとレベル違うの出来るよね…いいなあ。

なお今回は前編と後編と表紙の絵をつなげよう!!なんて安易な考えからかなりめんどくさい状態になっていました。

前編を作った時に全部の絵を描いておき 
2冊分の表紙を繋げて前編の時は上半分を、
後編の時は下半分を調整して作りました。

この為珍しく今回は先に表紙も描いてありました。ただ後編の表紙を描いてて思ったのが「半年後に半年前の絵で表紙作る気になれんの??」だったんですが まあ案の定半年後(現在)に「こいつァ…」となりギリギリ出来る限り修正をしてました。チキンなので修正めんどくさくなるからあまり前編の方に後半の絵入れないでおこう…と思った自分グッジョブ…

なお横向きの本の表紙繋げは激しくお勧めしません というのも上図を見てわかるように後編の表紙を前編の表1に繋げるとなると 後編の表4(裏表紙)が中途半端になる…という事に前編の時に全く気付いておりませんでした…ので後編の表4(裏表紙)が中途半端な感じになった上 会場で置くときめんどくさい…と今になって気付いたのでした バカめ…




箔押しだ!

前後編とも紙をOKフロート+透明箔にしました OKフロートはいわゆる「空圧し」用の紙で圧したところが凹む特殊紙です。
最初「透明箔+凹んだらかっこよくね!!!!????」と思ったんですが、印刷所さんに「どっちもは無理」というお返事をもらい じゃあまあ…透明箔だけ…とお願いした結果 前編は透明箔凹みほぼ無しで 後編はなぜかわりと凹みがしっかりした+透明箔でやってきました。印刷所さんががんばってくれたのか「アレ?意外といける?」という感じだったのかはわかりません(なので基本は無理だと思います)
もし前編後編と手に取っていただけたら是非前編と後編でへこみの差を見ていただければと思います。微々たるもんですが。

金型はこんな感じ

箔やった方はわかると思いますが 本の納品時に一緒に印刷所から使った箔の金型が送られてきます。これは再版時に再利用でき、3000円引きぐらいになります。ゆがみが生じていると再利用できないので保管に結構気をつかいますがまあ大体再利用することは無いです

ところでこの金型、多分外注なので同人誌印刷所ではないめちゃくちゃ一般の金型職人の方が「ドキッ❤スケベだらけのヌキヌキポン天国!」とかのタイトルの金型作ってんのかな…って思ったらヒュッ…ってなりました。

なおOKフロートは紙としては大好きなんですがあまりにも耐久性が無く、1度イベント出ただけで折れる本が10冊ぐらい出てしまい ちょっと次は使わないかな…という感じでした やはりPP貼ってない表紙は基本弱いなと… 同人誌はどうしても輸送を何度もするのである程度耐久性のある表紙じゃないと廃棄本がたくさん出てしまいます。PPを貼らない特殊紙使われる方は一応覚悟しておいた方がいいです(特殊紙でも強いのもありますが!)(でもやっぱりPP貼り最強)

OKフロート+透明箔 
前編も同じ仕様でしたが凹みが
強くなっており好みの仕様になりました




入稿だ!

今回は入稿まで余裕あったので2日寝かせてはもうちょっとチェックするを繰り返しいろいろ直したりしていました。しばらく置いて目をリセットすると見えてなかったダメな所が見えてくるのでおすすめです 地獄ですが。 

地味ですがタチキリ外に出ているセリフはそのままで良いなら「そのまま印刷してください」と印刷所に伝えておいた方が良いです。印刷所から電話がかかってくる率がすごく下がります。入稿時に備考欄があったら書いておくことをお勧めします。

無事に表紙の絵の繋ぎもできました。さすがに色を完璧にそろえることは無理でしたが、もうこれはそっちを合わせて肌色とかダメになるぐらいなら肌色の方を優先しようと思ったため 特に印刷所に色を合わせるように指示はしてないです。
なお前編や再版する本を印刷所に送って「前の本と色をできるだけ合わせてください」ってのはすごくアリです。印刷所も見本があった方がわかりやすく 特に再版を別の印刷所でやる場合はお勧めです。印刷所さんもその方が助かります。




おわったー!

そんなわけで入稿し 家に完成品は来たわけで。大した冊数でもないのに箱数がヤバイ事になっており100ページ超えると箱数がヤバいことになるのを久しぶりに思い出しています…
なお前回76ページで今回116ページになったんですが1箱に入る数は20冊ぐらい減っていました。私は本当にたまになので大丈夫なのですが、ページ数多い本をたくさん作ってるサークルさんは送付も保管も大変だろうなと…(ここは特に小説サークルさんが大変な部分だと思います)

しかし本を作るのって めちゃくちゃ時間もかかるしお金もかかるし疲れるし肩も腰もぶっ壊れるし 最後は部屋がダンボール箱で圧迫されるし何一ついいこと無いよな…と冷静になる瞬間もあるんですが 出来上がった本を見ると やっぱり紙の本出すのはいいよ!!!!楽しいよ!!!!!!!!と言っちゃうのはなんでだろうな…って20年以上わからないままです。

よくわかんないけど楽しい!楽しいんだよ!
よくわかんないけど!!
(※血走った目)



さて次の本の事でも考えるかぁ~





ここまで読んでいただきありがとうございました。
全ての同人誌は大なり小なりこうやって時間かけていろいろやって作ってるんだよ~という事が伝われば幸いです…


なお今回の作った本たちですのでご興味ある方は見てやってくださいませ…

★2024年現在上記の本は完売しておりますので よかったら前後編合体の再録版をご覧くださいませ↓↓ 


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