文芸部で雑誌を作っていたころ

私は高校生のとき文芸部というクラブに所属していました。普通は文学などを読んだり書いたりするクラブだと思いますが、私がいたころは文学を読む人は少なく、アニメ見たりマンガを読んだりのほうが主流でした。まだオタクという言葉ができたころでしたが、男子校でそんなクラブにいたのですから変な人間の集まりだったのはまちがいありません。私はアニメはそんなに見なかったのですが、マンガをそのクラブに入ってから読むようになりました。少女漫画を読む先輩がいましたので、その影響で少女漫画をよく読んでいました。部室があったのですが、ブロック塀で作られた物置の並びのひとつを部室に転用したもので、夏は暑く冬は寒く、雨が降ればどこからともなく湿り気が入って来て床が湿っぽい、というそんな劣悪な環境でした。それでも昼休みや放課後には部員がそこにたまり、たわいもない話をずっとしていましたので、学校に行っているというよりは部室に通っているような気分でした。自分たちで雑誌も作っており、職員室の印刷機(リソグラフ)を借りてわら半紙に印刷し、それを製本していました。入部当初は手書きでしたがちょうどワープロが出て来ていたころでしたので、途中からワープロで原稿を作っていました。年に1回だけ外部の印刷屋に頼んで雑誌を出しており、それは活版印刷でしたから値段が高かったのですが、活版印刷もやがてなくなっていくころでしたので貴重な経験だったなと思います。そのときにしかできない経験をしたという点では良い経験でした。

(2022年2月9日、アメーバブログに投稿した記事)

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