M-1GP2018霜降り明星 最終決戦 ネタ分析

皆さんこんにちは。ホスピタリ将です。

オリンピック終わりましたね。
個人的にはマラソンの大迫選手に心動かされました。これからも何かしら頑張って欲しいです。
普段は気丈に振る舞う大人の涙ってのに最近弱くなっています。気持ち悪い癖だとは思わないでね‪w

さて、この度noteで初めてのネタ分析を出します。
これまでのネタ分析はアメブロやブロガーで出していて少し文字のレタリングなどに戸惑いながらですが
ええいままよととりあえず載っけます。

今回の対象は霜降り明星さん!
粗品さんのマルチぶり、せいやさんの肝の座りっぷりが良いコラボを見せてます。
楽天カードマンのつかみネタ部分は
最速で自然に爆笑とったなと思います。

ダウンタウンの松本さんも認める実力派
とくとご覧あれ!

●分析方法●
漫才ネタの文字起こしして、面白い部分・視聴者からの笑い声が発生した部分を笑える箇所として、その笑える箇所の前後のやりとりのみ抜粋しています。(内容や視聴者の笑い声を聞いて総合的に私がウケるポイントとして判断しています。)

笑える箇所は時間軸に沿って掲載しています。(皆さんには参照映像等と共に本ブログを見て頂くとわかり易いです。)また笑える箇所・太字で協調加工しています。

笑える箇所を「ウケる技術」という本に記載がある40の技術を使って振り分けをしています。「ツッコミ」「カミングアウト」etc…などのウケる技術に振り分け、解説を付け加えています。内容によっては「ツッコミ+カミングアウト」など2つのウケる技術を組み合わせることもあります。こちらも私の主観であり、恐らく「こういった印象を与えたいだろう」と推測している内容になります。

省略のため以下の「ボ」「ツ」「ボツ」でネタの役割を表現しています。
「ボ」=ボケ役の発言
「ツ」=ツッコミ役の発言
「ボツ」=ボケ役・ツッコミ役の両方の発言

●分析対象ネタ●
M-1GP2018・霜降り明星・最終決戦
漫才時間227秒
笑える箇所55回(約4.1秒に1回発生)
ネタ前半に笑える箇所21回、ネタ後半に笑える箇所34回。

●シナリオ●
起:赤ん坊の話
承:学校と言えば給食
転:学校と言えばプール
結:学校と言えば校長室

●漫才ネタとウケるポイントと分析●

時間のタイミングと前後の文章を載せています。
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ボツ:どうもー!
ツ:霜降り明星です。
ボ:お願いします。
ツ:いきなりですが!!(ウケる技術「パロディ」:楽天カードマンの物まねでつかみの笑いを取る。)
ツ:楽天カードマンの言い方!(ウケる技術「ツッコミ」+「アピール」:物まね自体の再現度は低いが、ツッコミがあり物まねであることがわかる。粗品さんらしいツッコミをアピールする。)

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ボ:ん~!ん~!(ウケる技術「キャラ変」:急に赤ん坊の泣きまねをする。)
ツ:赤ちゃん時のお前?!寝れへんくて泣いているのは大変ですからね。
ボ:ん~!ん~!ん~!ん~!ん~!ん~~!!ねんね~ころり~よ、おころり~よ~!クゥ~。(ウケる技術「ビジュアル化」:赤ん坊の頃を再現する。おどけた感じが強い。)
ツ:セルフ!!自分で歌って自分で寝た!(ウケる技術「ツッコミ」+「アピール」:赤ん坊がセルフでネタことを説明している。粗品さんらしいツッコミをアピールする。)どんな赤ちゃんやねん。

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ボ:バスロマン!バスロマン!
ツ:ああ、赤ちゃんの時の。
ボ:バスロマン!
ツ:赤ちゃん言葉…
ボ:バスロマン!バスロマン!バスロマン!(ウケる技術「ミスマッチ」:夜泣きの話だが、そぐわないワードを連呼している。)
ツ:バブやろ!(ウケる技術「ツッコミ」:鳴き台詞の覚え方を入浴剤で間違っているのを説明している。)

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ボ:バスロマン!(ウケる技術「カン違い」:ずっと間違えて泣き方を間違えている。)
ツ:赤ちゃんはバブ―!って泣く!(ウケる技術「ツッコミ」:ふつうバブ―を入浴剤で覚えない。)
ボ:バスロマン!バスロマン!バスロマン!(ウケる技術「カン違い」:ずっと間違えて泣き方を間違えている。)
ツ:何やバスロマン!て!聞いたことないぞ?!

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ボ:えー皆、国語の教科書開いているか?
ツ:四時間目国語なんですね。
ボ:最後に段落に〇つけていくぞ。
ツ:懐かしい、段落に〇つけたけど。
ボ:はい1!
ツ:あったね。段落。
ボ:はい2!終わり!(ウケる技術「裏切り」:段落がたった2つしかない。)
ツ:ポエム!ポエムの量やないかい!今の!ポエムか!(ウケる技術「ツッコミ」+「アピール」:段落2つしかないのがポエムだと説明している。粗品さんらしいツッコミをアピールする。)

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ツ:チャイムなった、給食や!
ボ:腹減ったな~も~!(一生懸命手を洗う動作。)
ツ:あったな、蛇口捻って水道で皆で手ぇ洗う。小学校の時やりましたね。
ボ:(辺りをきょろきょろ見渡しながら、肘辺りまで一生懸命手を洗う動作。)(ウケる技術「ビジュアル化」:長時間手を洗う。腕・ひじのあたりまで入念に洗いすぎている。)
ツ:ん…お前人殺したんか!?入念に洗いすぎやろ!(ウケる技術「ツッコミ」+「ボキャブラリー」:必死に洗う様子を殺人犯の証拠隠滅に例えてツッコむ。)

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ボ:手乾かそ!
ツ:乾かすけど!
ボ:ごぉぉぉっ!(ウケる技術「決まり動作」:乾燥機をオーバーに表現する。)
ツ:私立!乾燥機が置いている!教室ではよ食え!(ウケる技術「ツッコミ」+「アピール」:乾燥機のあるなしで私立学校であることツッコむ。粗品さんらしいツッコミをアピールする。)
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ボ:手を合わせてください!(両側に手を開いて、隣の人と手を合わせている格好。)(ウケる技術「裏切り」:自分一人で手を合わせるわけではなかった。)
ツ:一人で!一人でこう合わせお前!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)
ボ:いただきます!

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ボ:食パン食べよ!(両手を広げて)(ウケる技術「ビジュアル化」:食パンのサイズが大きい。)
ツ:食パン、一斤!一人一斤食われへん!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)
ボ:ガリガリガリ…
ツ:後半トースト!何で後半焼けてんねん!(ウケる技術「ディテール化」:最初は「ガリガリ」と言っていなかったため、効果音の追加からこんがり具合に気づいて指摘している。名推理の域。)

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ツ:先生や。
ボ:ええかげんにせえよ!
ツ:怒られろ。
ボ:学校で喋るな!(ウケる技術「同調」+「ミスマッチ」:期待通り怒られたが、内容が過激だった。)
ツ:厳しすぎる!どんな教育やねん!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)

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ボ:転校生を紹介するぞ!
ツ:いつ来とんねん転校生!これですか転校生?!
ボ:シャキーン!
ツ:剣抜いて!
ボ:グサっ!(自分の頭に刺す)(ウケる技術「ビジュアル化」:脈絡なく自分で剣を頭に刺す。)
ツ:刺したでおい!!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)
ボ:サク~ん!(元気なポーズ)(ウケる技術「サプライズ」:自分で剣を頭に刺したがダメージが無い。)
ツ:大丈夫!!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)
ボ:イリュージョン!(ウケる技術「サプライズ」:手品であることを伝え、安心させる。)
ツ:プリンセス転校生や!!お前プリンセス転校生やないかい!(ウケる技術「ツッコミ」+「ボキャブラリー」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。ボケ役が天功と転校をかけている洒落もある。)
ボ:プリンセス転校生です!(ウケる技術「ボキャブラリー」:改めて自己紹介を決める。)

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ツ:何しとんねんお前!ちゃう、あと小学生いうたらプールの授業や。
ボ:あったな!
ツ:25mレースあんのよ。
ボ:タイム計るやつ!スタート!!
ツ:スタート!
ボ:(ツッコミ役から下手に離れるように端へ行き、クロールで泳ぐ動きをする。)
ツ:第1コースね、クロールで!タイム計ってますから。
ボ:(場所がツッコミ役へ近づくようにズレて、別の動きをする。)(ウケる技術「ビジュアル化」:およそ水泳とは関係のない動きを取る。)
ツ:隣のコースね、第2コース!クリオネの泳ぎ方!クリオネかお前!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)
ボ:(再度場所がツッコミ役へ近づくようにズレて、別の動きをする。)(ウケる技術「ビジュアル化」:およそ水泳とは関係のない動きを取る。)
ツ:第3コースは目ぇ泳いどる!目泳いどるだけ!!ちゃんと泳げ!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)
ボ:(ツッコミ役を超えて、今度は上手に離れるように端へ行き、別の動きをする。)
ツ:第4コースへ行く!
ボ:うわあ!うわあ!
ツ:何や泳ぎにくそうや!横から波みたいのきて泳ぎにくそうや!
ボ:(ツッコミ役から下手に離れるように端へ行き、別の動きをする。)はい!はい!(ウケる技術「ビジュアル化」:声の高い人が勢い良く行進をしている。)
ツ:第5コースでおばちゃんたちがエアロビクスしてる!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)
ボ:はい!(エアロビクスで歩くしぐさ。)(ウケる技術「ビジュアル化」:おばちゃんのエアロビ姿を再現する。)
ツ:市民プールやないかい!お前!
ボ:(ツッコミ役から下手に離れるように端へ行き、別の動きをする。)
ツ:第6コース溺れとるがな!大丈夫か!
ボ:(くるっと回転してポーズを決める。)(ウケる技術「ビジュアル化」:溺れていたのが一転、急にポーズを決める。)
ツ:シンクロ経験者!シンクロやってたん?!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)
ボ:(いろいろな動きをする。)
ツ:そして0点の演技!へたくそ!帰ってこいお前!(ウケる技術「ツッコミ」+「悪い空気」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。めちゃくちゃな演技でうまいと言えない。)
ボ:(腕を大きく振り、観客を笑顔で見ながら歩いて戻ってくる。)(ウケる技術「ビジュアル化」:演技が続いているかのように戻ってくる。)
ツ:負けてもプロ!何しとんねん!何しとんねんお前おい!違う違う!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)

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ボ:うおおおおおぉ!
ツ:違う違う、何溺れてんねんお前そんな?!
ボ:頭の中に走馬灯が駆け巡る!
ツ:死にかけとんがなお前。
ボ:(その場でくるっと一回転して)豆でか!(ウケる技術「キャラ変」地味な過去の自分を再現する。)
ツ:いや走馬灯…
ボ:(その場でくるっと一回転して)関節ならへんなあ。(ウケる技術「キャラ変」地味な過去の自分を再現する。)
ツ:いろんな思い出
ボ:(その場でくるっと一回転して)この道に出てくんねんな。(ウケる技術「キャラ変」地味な過去の自分を再現する。)
ツ:しょうもない人生!お前の人生ペラペラやないかい!(ウケる技術「ツッコミ」:走馬灯で出てくるべき代表的なイベントが日常動作レベルだった。)

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ボ:ピー!!
ツ:先生や!
ボ:おいそこ!喋れるな!(ウケる技術「天丼」:先生の怒り方が毎度過激である。)
ツ:厳しすぎる!濡れるやろ!じゃ、あと滅多に入られへんけど。

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ボ:おい銅像あるぞ!
ツ:昔の校長の銅像な。
ボ:(箸をもって口を開けるポーズ)(ウケる技術「ビジュアル化」:変わったポーズの銅像のふりをする。)
ツ:あんま飯時描写するやついない!いや飯食う瞬間の銅像ない!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)
ボ:(ツッコミ役から上手側に離れ半身でポーズを決める)(ウケる技術「ビジュアル化」:歴代の校長の銅像のふりをする。)
ツ:歴代の校長の写真ええねんおい!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)
ボ:(コマ送り気味に半身でポーズを決めながらツッコミ役に近づく)
ツ:写真並んでいるの再現いらんから!

ボ:(大きく手を使いポーズを決める)(ウケる技術「ビジュアル化」+「裏切り」:急に変わったポーズの銅像のふりをする。)
ツ:七代目ひょうきんもの!こいつの時代に学びたかった!(ウケる技術「ツッコミ」+「下心」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。ツッコんではいるが嫌いではない。)
ボ:(ツッコミを超えて寒がる様子で下手側に離れていく。)(ウケる技術「ビジュアル化」+「裏切り」:引き続き変わったポーズの銅像のふりをする。)
ツ:うーん11.12.13.14冷房強すぎる!もうええわ!(ウケる技術「ツッコミ」:ボケ役の行動の面白さが強化されるよう説明している。)
ボツ:どうもありがとうございました! 


●技術紹介●

漫才ネタ中に出てきたウケるポイントのウケる技術を紹介いたします。
なお、このウケる技術は「ウケる技術」という本の中に紹介される40の技術を参考にしています。

~空気・共感~ 【場の空気を読みその空気を拾う技術】
「ツッコミ」相手の面白さに気づいて拾う 24回
「下心」下心を口に出してしまう 1回
「同調」相手のネガティブな期待に応える 1回
「悪い空気」雰囲気の悪さを共感し合う 1回
…小計27回

~キャラ~ 【空気・共感モノとは逆に場の空気を作り出す技術】
「カン違い」物事を都合よく解釈する 2回
「アピール」自分の魅力をアピールする 4回
「ビジュアル化」体を使って滑稽な映像を再現する 14回
「決まり動作」決まり動作を場面に当てはめる 1回
…小計21回

~前後~ 【会話文の前と後で逆の関係を作ることによって聞き手の期待の逆を行く、良い意味で裏切る技術】
「キャラ変」態度を急変させる 4回
「裏切り」相手に次の行動を読ませておいて逆を言う 4回
「サプライズ」相手の期待をいい意味で裏切る 2回
…小計10回

~クリエイティブ~ 【新しい組み合わせを作る技術とベタな共感しやすい連想を展開する技術】
「パロディ」有名な歌やフレーズを会話の流れに当てはめる 1回
「ディテール化」話の細部を具体的にして転がす 1回
「ミスマッチ」話の文脈と違うものを組み合わせる 2回
「天丼」一度受けた言葉を再度登場させる 1回
「ボキャブラリー」面白さが増す語彙を会話にまぶす 3回
…小計8回

〔ウケる技術使用回数 合計66回(16種類)〕
(※笑える箇所は55回ですが、ウケる技術の使用回数が66回ということは一度に2つ以上ウケる技術が使われている部分があるためです。)

●印象●
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昔、関東の漫才はボケで発生する、関西の漫才はツッコミがあって

初めて笑いになる…なることを聞きました。

それほど、関西の漫才というのは2段階で奥が深くツッコミの人の役割に「進行役」「合いの手」以外に「ボケ役の補助」の重みがあったように感じます。

霜降り明星の漫才はツッコミありきで成り立つものです。
粗品さんのツッコミによる補助が無いと全く成り立ちません。
この漫才ではツッコミ役は「ボケ役の補助」ではなく「真のボケ役」
ひいては「裏社会のドン」「イルミナティ」と言っても過言ではありませんw

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4.1秒に一回笑える箇所があり、これはM-1ネタ分析史上最速ペースです。
過去最多のノンスタイルさん(4.6秒に1回)のペースを超えました。

ただ、この笑える箇所は必ずしも爆笑・大笑いが発生しているわけではないです。今回は一番統計に迷いました。

今回の漫才は
せいやさんが取った奇行動のみでは笑いは発生せず、粗品さんがツッコむことで笑いが発生する。
このパターンが非常に多いです、ほとんどです。

「笑いが発生していないせいやさんの奇行動はボケ、もとい笑える箇所になるのか?」
が悩みでした。ただ、ホスピタリ将、そこはシンプルに考えました。

それは「ボケなしにツッコミは発生しないやんか?はあん?」ということ。
「卵が先か鶏が先か」的な、哲学的な発想からヒントをダウンロードしたかもしれません。

だから、粗品さんのツッコミで笑いが起きる、…その一つ前のせいやさんの奇行動は
笑える箇所としてカウントしよう…と判断しました。
そのためボケ役の意図を読み取っているところがあり統計回数が増えております。
粗品さんがツッコむことで、「あの奇行動はそういうことだったのか!」と笑いがフィードバックして
思い出し笑いに似たものや、笑いが増幅することも想定できます、笑いの滝登りです。

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ツッコミ有りきか阿吽の呼吸か、ボケの行動がツッコミにだけわかっている。
せいやさんの奇行動に対して粗品さん「何でそこまで読み取れるの?」という
面白さもありますよね。

出題者のせいやさん、天才回答者の粗品さんのなぞなぞコーナー
みたいな感じでもありました。

そのおかげか掛け合いの良さもあり、リズムよく笑いが発生する。
視聴者は案外賢いんです。見ている人、会場にいる人はお笑い好きです。
無駄な解説なしに、一言のツッコミだけでわかるんです。
だから余計な説明が必要無い。

笑いの無印良品です

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この漫才、一つの「なぞなぞコーナー」
が解けたような面白さについて語らせてください。

その説明もコミコミで話しますが、今回ホスピタリ将が選んだベストオブベストシーンは
「プリンセス転校生」のくだりです。

あれこそ、せいやさんが何か変な転校生を演じだし
何をやっているか視聴者がアンテナを張り巡らせあれこれ思考し
正解をツッコミに乗せて「プリンセス転校生!」と説明する。

その結果に
「全く予想できなかった!しかも洒落!でも納得できた!むしろ一本取られた!」
というお笑い好きの視聴者が虚を突かれて、笑う心理があると思います。
洒落の笑い、痛恨の笑い、納得の笑い、わかった笑い…様々ミックスされているはずです。

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漫才中で秀でているウケる技術は
「ツッコミ」と「ビジュアル化(体を使って滑稽な映像を再現する)」でした。
これはM-1GP2020優勝マジカルラブリーと一緒です。

実はこれまでのM-1優勝者は「ビジュアル化」が多用されているものはありませんでした。
コントのような漫才、これがこれからのM-1成熟期の代表パターンになりうるかもしれません。
来年の漫才はどうなるのでしょうか。

伝統的な関西漫才と、謎解き要素、大きな動きで魅せる漫才をありがとうございました。
見事な優勝でした。

●引用文献●
小林昌平, 山本周嗣, 水野敬也(2007)「ウケる技術」新潮文庫

●参照動画●
家にあった録画動画

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