アイドル短歌25のお題
#アイドル短歌25のお題をお借りして、25首を詠んでみました。
せっかくなので一首ずつ作った背景とか31文字に収まらなかった内容を解説していこうと思います。
ちなみに具体的な誰かを思い浮かべたのではなく、「アイドル」という概念的なものを詠んだつもりです。
あえてアイドル目線にしてみました。
常々「推し」と「ファン」の関係って不思議だなと思っているんですよ。
我々ファンは勝手に好きになって勝手に応援したい気持ちになっているだけなのに、アイドルたちは「いつも応援してくれてありがとう」って言ってくれるんですよね。
何万、何十万といるファンの中で、私一人の存在なんてすごく小さいものだけど、彼らの言う「みんな」に必ず存在しているんだな、と考えると嬉しいものなんですよね~。
恋に落ちる瞬間って「魔法にかけられた」っていう表現をするじゃないですか。誰かのファンになるっていうこともそれに近しいものがあると思っています。
ただ、今のところ私は一度"推し認定"した人から担降りことなくて、「私はこの人のこと、半永久的に好きなのかしら…」って思ったことがあるんですよね。そんな気持ちを歌に込めました。
魔法はいつかとけるけど、呪いは解こうとしなければ永遠に纏わりついてくるものだと思っているので。
北極星って二等星なんですよ。
つまり、とても明るい星なわけではないけど、昔から色々な人が道標にしてきたじゃないですか。
世の中にはたくさんのアイドルがいて、私が名前も知らない人たちも大勢いると思うけど、きっとどこかの誰かにとってはわたしと同じように心の支えになっているんだろうな、というイメージで詠みました。
美しいものって花にたとえられることが多いと思うんですけど、ドライフラワーでもハーバリウムでも花って絶対に枯れるじゃないですか。美しさの諸行無常を表すためなら大正解だと思うんですけど、単に儚さとか綺麗さを表現するにしてはかなり残酷だなと思うのです。
ところで「」表記の動詞、すべて花が枯れる様子を表すものです。
桜が「散る」、椿が「落ちる」、梅が「こぼれる」、朝顔が「しぼむ」、紫陽花が「しがみつく」。
アイドルがその前線から退くとき、またはその一生を終える時、どんな表現が最もふさわしいんだろうと、ふと思って歌にしました。
人生で何度かファンレターを書こうと思ったことがあるんですけど、今のところ形になったことは一度もありません。何を書けばいいのか分からなくなってしまうんですよね…。
思っていることを言葉にすると、なんかニュアンスが違う気がして、しかもそれを向こうがどう受け取るんだろうとか、そんなことばっかり考えてしまってせっかく買った便箋はまだ一枚も使っていないんです。
もういっそ、ファンレターとして真っ白な便箋だけ送ってしまおうか。
声ってお題をいただいて思ったんですけど、私たちって推しの生の声ってめったに聞けないですよね。
コンサート行ったらほぼ本物の声なんですけど、それでもマイクを通してだし、たまにマイクなしでめちゃめちゃ叫んでくれる人もいますけど(笑)、叫んでるってことは普段の声と違うんだろうなって思ったり…。
電話越しの声でさえ、本物の声じゃなくて機械が発している似ている音だっていうじゃないですか。
彼らの本当の声さえ機械越しじゃないと聞けない…これが「推し」と「ファン」の距離か…。
「神様」ってお題で、最初は”神様みたいなアイドル”を詠もうと思ったんですけど、(わたし、自分で推しのこと神様って思ったことないな…)って思ってしまいまして。じゃあ本当の神様でいいじゃない、ということでこの歌。
どこか外国で、若くして亡くなってしまった方を「神様が自分の手元に置きたくなってしまったんだね」って表現するらしく、とても素敵だなと思った反面、なんて傲慢で残酷なんだろうと思って。
推しには当分今世で生きていただかないといけないので、うちわなりペンライトなりで隠していく所存です。
演技っていいなと思うのが、その人が素だったら絶対言わないような言葉とか、見せない表情とか、やらない仕草とかを見せてくれることなんですよね。
その最たる例が「死ぬ瞬間」です。そもそも人の命が消える瞬間なんて、現実でも見れないことなのに、ドラマや映画、舞台になれば比較的簡単に見ることができるの、あまりにも贅沢だなと思います。しかもそれを「よかったよね」って堂々と言えることも。
「カワイイ」には賞味期限があるっていう人もいますけど、具体的にはいつなんでしょうね。私は40を超えた推しにも平気で「かわいい」って言ってしまうんですけど、本人たちがどう思ってるのかなんて考えたこともなかったな、と。
オタクが発する「かわいい」が多義語過ぎて、きっと本人には正しく伝わってないんだろうなと思ってしまうこともありますよね。カワイイって言われるとぶりっ子?子供っぽい?仕草をする人もいるし。やっぱりかわいい=子供っぽいって思ってるのかな。
皆さんにあこがれの人はいますか?私にはいません。
自分が何者になりたいのかが定まっていないので、誰を目標にしたらいいのかわからないだけなんですけど、憧れの人って追いつきたいけど追いつけないっていう部分がかっこいいじゃないですか。
だから「嬉しいことに」です。あこがれの人は、いつまでも背中が見えるけど手の届かない場所にいて欲しいからね。
何かをあきらめたときって、叶えられるような力が無かったか、自分にその力が無いって思ったときじゃないですか。
私は多少何かをあきらめたところで、時々思い出して後悔するだけなんですけど、アイドル界って、自分が諦めた夢を叶えている誰かの姿を見る機会が多いんじゃないかな、とおもいまして。
諦めた夢を忘れることが出来ないのも、一種の地獄なのかしらね
これは完全に個人的なアレなんですけど、疲れたときは甘いものと好きな音楽が一番メンタル回復にいいんですよね。
ここではカフェオレにしちゃったけど、ロイヤルミルクティーでもいいし、あったかい牛乳でもいいし。
あとは大好きな人たちが歌う曲とか踊る映像とかがあれば完璧ですね。
「神は乗り越えられない試練は与えない」とか、「失敗から人は成長する」とかよく聞きますけど、すっごい綺麗事ですよね。というか、それは成功した人しか言えないセリフだな、と思ってしまうんですよ。
すべての試練とか困難を、マンガみたいに上手に克服できるわけではないってことは、残念ながら私も分かってしまうんですよね。
好きな歌の一節に「信じることに疲れて ひとり眠りたい夜」というものがあり、そこから着想を…というより後半はオマージュです。本歌取りです(多分違う)。
夜ってセンチメンタルな気持ちになるじゃないですか。あと過去の過ちを思い出しては死にたくなるじゃないですか。そういうちょっとした軽い闇みたいなことを詠みたかった。
キスシーンの時に見せる手の動きとか首の角度とか、とても素敵だと思うけど、その人の「癖」がもろに出るので、ファンとしての人格がうわぁ~~~~~って叫んじゃうんですよ。
あと個人的に、「キス」をひっくり返すと「スキ」になるっていう日本語遊びをしたかった。
鏡って不思議だなと思っていて。小さい頃から好きだったんですよね、なんか鏡の向こうには別の世界(パラレルワールド)が広がっているんじゃないかと思っていたので。空想が得意な子供でした(笑)
アイドルの人たちって、普通の男性より鏡を見る回数が多いんじゃないかと思っていて、自分だけど自分じゃない、みたいな姿って「アイドルをしてる自分」と重なったりしないのかな、という特大妄想です。
これは個人的な感じ方なんですが、人の名前を下の名前で呼ぶってすごく勇気がいることなんですよ。
女の子なら全然普通に呼べるし、私も男女問わず呼ばれることが多いんですけど、男の子の下の名前で呼ぶってあんまり機会がなくて。大体あだ名か苗字で呼んでる気がします。名前で呼ぶのって彼氏ぐらいかもしれない。
でも、推しの名前って平気で呼び捨てに出来るじゃないですか。疑似恋愛をしているって言われたらそうかもしれないけど、自担じゃなくても呼び捨てにしたりするし、ほんとうに独特ですよね。
「手」というお題を見たとき、最初に思い浮かんだのは「背中を押す/支える手」でした。もちろん、色々な人に支えられて…みたいな描写でもいいな~と思ったのですが、何より彼らを支えてきたのは彼ら自身だな、と思ってこんな感じにしました。
「弱く小さな」で幼い頃の“自分”であることを、“清らかな”で未熟さを表した…つもりです…笑
私は免許を持っていないので想像ですが、きっと高速道路を走ることでストレス発散をしてる人って一定数いると思うんですよ。
夕焼けではなく朝焼けにしたのは、雨の降る予兆とされているので、少し不穏な空気感が出ればいいなと。あとは、朝焼けってことは夜通し、もしくは日も昇らないような深夜に眠れなくて運転したことが伝わればいいな~と思っています。
旅っていうより、コンサートに連れて行ってもらう、みたいなイメージです。物理的には切符(チケット)はいるんですけど、好きでいるだけでいいよ、みたいな感じ。
「僕を信じて」は、アラジンがジャスミンを魔法のじゅうたんでのデートに誘う時にかける言葉なんですけど、あのフレーズがすごく好きで、どうしても入れたかったんですよね。
コンサートのペンライトって、自動制御じゃなければ自分の好きな色に出来るじゃないですか。そして大体の人が自分の推しのメンバーカラーにするんじゃないかな、と思っています。
特にこのご時世、ライブでさえも声を出せないから、盛り上がっている様子を本人たちに伝えるにはうちわとかペンライトを振るしかないんですよね。実際に本人たちがどう思っているのかわからないけど、少なくとも会場にいる人の内、その光の数だけ自分を好きな人がいるってことが伝わればいいな、なんて気持ちを込めました。
雑誌とかワイドショーのインタビューとかでよく「10年後、20年後の自分は何をしていると思いますか」って聞かれているのを見かける気がします。
私は、そこでリップサービスであっても「このメンバーと一緒にいたいですね」って言ってくれる人が好きです。
願わくば、解散したとしても、どうでもいい時に集まってくだらない話をする仲であってほしいというエゴです。
メンバーカラーっていい文化ですよね。ペンライトのところと通ずるんですけど、一目見ただけで誰のファンかわかる。
色のいいところは、日常生活に簡単に侵食してくるところ。バインダーとかシャーペンとか、何色でも問題ないものを買う時につい目に入って買ってしまう。いつの間にか身の回りのものが推しカラーであふれていく現象はあるあるですよね。
「さようなら」っていうお題を見たとき、絶対に「さよなら三角またきて四角」の要素を入れたいと思いまして。
彼らから別れの挨拶を言われるときって、大体ライブの最後かな。ライブって必ず毎年できるものとは限らないし、そう考えると「また会おうね!」っていう言葉は自分自身への鼓舞だったり誓いだったりするんじゃないかな。
「推し」「担当」をアイドル目線にしたので、対比として「アイドル」はファン目線(私目線)にしてみました。
割と普段から思ってることですが、私は推しを応援したり動画を見たりすることがかなり生きがいになっているんですけど、応援されている彼らの精神的な支柱って何なんでしょうね。彼らにも生きがいになるような「推し」がいたりするのかしら…と考えることもありますね。
以上、25首でした!
解説というよりあとがきっぽくなりましたが、ブログ書くのも含めて楽しかったでーす!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?