領袖になれない習近平

■北京の横断幕
中国の10月13日、北京で習近平への抗議が行われた。横断幕は武漢ウイルス対策への批判・独裁を拒み選挙権を求めるものだった。習近平はゼロコロナ政策を掲げているが不満が大きく成功していないことを示した。中国共産党は党大会を行うが横断幕は習近平の政策を全て批判した。

習主席に抗議の横断幕、共産党大会控えた北京で異例の抗議運動

 習近平は強引にゼロコロナ政策で都市封鎖とPCR検査を行うが終りが見えない。さらに経済活動が停滞し外国企業は中国から撤退する動きが止まらない。習近平が行ったことは国民を苦しめるだけで利益が無いことを示した。

■領袖になれない習近平
 裴秀は少年ながら才能を知られた人材。領袖は衣服の上にある襟と袖。このため後進のための上に立つ人材と見なされ“後進の領袖”と呼ばれていた。裴秀の母の出身は正妻ではなく身分が低かった。だが裴秀の才能は身分を破砕していた。裴秀の母が来客対応をすると、客人たちは裴秀の母に対して敬意を表して立ち上がったと後世に残されている。

 裴秀は勉学だけではなく人徳にも優れていたと思われる。何故なら勉学だけ優れていても手本となる道徳・倫理が無ければ拒絶される。だから周囲は少年の裴秀を評価した。それだけではなく次の世代の長として下の者を導けると見たのだ。

 領袖とは周囲から認められた者がなれた。だが北京の横断幕では不要領袖要選票と書かれている。“領袖はいらない選挙権が欲しい”との抗議では、“独裁者は要らないから選挙権が欲しい”との意味になる。この意味で裴秀と習近平は真逆の存在。比較対象の裴秀に失礼だが習近平は領袖にはなれない人材。抗議者が領袖の意味を知っていると仮定すると習近平への皮肉が含まれている。

 現代で言えば裴秀は政治家・官僚・地理学者。それぞれの分野で領袖になったが独裁者ではない。王を補佐する事をしたが国王ではない。それよりも国の安泰を選び地図の分野で功績を残している。だから抗議者の不要領袖は習近平への皮肉になる。

■習近平の功績
 習近平は独裁者として君臨している。東トルキスタンでウイグル人を強制労働させ、人件費ゼロで商品を作らせている。これで世界に商品を売れば安くても利益が得られる。中国で武漢ウイルスが蔓延するとゼロコロナ政策で国民を閉じ込めた。“不要核酸要吃飯・不要封控要自由”。抗議者は武漢ウイルスの検査よりも食料を求めた。さらに都市封鎖の解除を求めている。

 都市封鎖をするなら食料の提供が必要だが餓死するまで追い詰めている。習近平は安易に都市封鎖を選んだが実行後の食料提供は考えていなかった。都市封鎖すれば物流が止まるのだから、欧米では食料・医薬品などを提供するのが基本だ。だが中国の都市封鎖は餓死の恐怖が付き纏う。これは習近平が最初から国民を餓死させることが目的としか思えない。

 何故なら人が集まると易姓革命の種になる。ならば人が減れば易姓革命の種が減る。習近平は根本的に易姓革命を恐れているから、ゼロコロナ政策を看板に国民を抹殺しているとしか思えない。

 20世紀末のインターネット普及とグローバル・スタンダードは中国を変える。中国は安い人件費を武器に世界から工場を集めたので世界の工場になった。これで中国は短期間で豊かな国に変わる。見た目は豊かになった中国だが国民を豊かにすることを怠った。さらに国民を軽んじることは変わらなかった。

 安い人件費を武器にすることは国を豊かにした。これは国民を犠牲にした繁栄であり、今ではゼロコロナ政策で政治に関心を持つ国民抹殺を行っている。習近平は豊かになった中国を土台に己の欲望で政治を動かすから、チベット人・ウイグル人・香港人を問わず中国の覇権に組込まれた者は神と奴隷の関係。だから習近平は平気で抹殺を選べるとしか思えない。

 香港は一国二制度を約束されていたが習近平は破棄。これで香港から香港人は追い出されるか消されるかの二者択一。その後香港には中国人と中国の文化が侵食している。香港人から選挙権は奪われ民主主義は消された。代わりに香港には習近平による独裁支配が与えられた。つまり習近平の功績は中華思想の拡大と拒絶する者の抹殺。

■都市封鎖と反中派の増加
 基本的に都市封鎖は未知のウイルスを確認しワクチンが無い時に採用される。さらにPCR検査と移動制限はワクチンが無い時に採用される。副作用が有るとしても武漢ウイルス・ワクチンが作られた。さらに武漢ウイルスは弱毒化して風邪レベルまで脅威は低下した。これが知られているのに、習近平はゼロコロナ政策で都市封鎖とPCR検査を採用している。

 結論から言えば習近平がしていることは無意味。武漢ウイルスに感染しても気付かないレベルならPCR検査をしても永遠に続く。治療が必要なレベルならば病院でPCR検査を行えば済む話。その後治療をすれば良いのだから都市封鎖は不要。これで都市封鎖すれば経済活動を止めるから生産・輸送は停滞する。実際に中国に工場を置いていた外国企業の撤退が止まらない。

 習近平の悪政は徽宗と同じとするのは言いすぎだろうか?徽宗はイエスマンだけを集めて独裁を行った。これで反乱が多くなり水滸伝のモデルになった。習近平は豊かになった中国を使いアメリカを打倒するために一帯一路構想を採用したとしても反中派を増加させていた。

 習近平がしたことは中国を豊かにするのではなく逆に衰退させている。しかも国内外で嫌われることをしたのだから日本とアメリカから見れば習近平は最強の援軍になった。実際に習近平が国家主席になってから中国とアメリカの対立が精鋭化している。これで日本はアメリカと連合して中国に対応できる事になったので、今の日本政府が親中派だとしても自衛隊は対応できるのだ。この意味で領袖になれない習近平の功績を評価できる。

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