【ぶんぶくちゃいな】もぎ取られた「足」:中国配車アプリ規制最前線

シェアライド――「ニュースクリップ」で取り上げた公共自転車に代表されるように、中国では日本と違い、ある公共物を全く見知らぬ人たちと「シェアし合う」ことはとてもすんなり受け入れられる。

その最大の理由が、中国では大都市ですら消費社会が始まってまだ20年も経っていないこと。そして、広大な中国においていまだに主に経済的な事情から、「自分で買えばいいじゃん」という消費生活に馴染んでいない地域がまだまだたくさん残っているという背景がある。

それを顕著にみることができるのが、地方出身者が都会で暮らし始める大学生活だ。ほとんどの学生が寮暮らしを経験し、一部屋6〜8人とかザラ。もちろんトイレやシャワーは共有スペースだし、台所もシェア。まぁ、その分「同じ釜のメシを食った間柄」的な親しさが湧くのも事実だ。

その後、田舎出身だが都会でどうしても働きたいという若者たちは安い給料で北京などの家賃の安い郊外にアパートを集団で借り、折半し合いながらぎゅうぎゅう詰めで暮らす。最近中国からの留学生が目に見えて増えてきた東京などでも時々聞く話だが、日本でいう6畳一間に4人、時には5、6人が暮らすことができるのもそうした裏体験があるからだ。

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