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【ぶんぶくちゃいな】香港立法会選挙:ポケモン世代の大勝利

先週日曜日(4日)、香港で4年に1度行われる立法会議員選挙があり、市民の投票の結果、すでに報じられている通り、親中派政党から16人、民主派政党及び独立系民主派から19人が当選した。

香港の主権返還から来年で20年を迎えるが、今回はそれを前に大変興味深い変化が見られる選挙だった。その変化をキーワードでご紹介する。

●基本概念:香港立法会議員の選出方法

念のため、まず香港の立法会の構成状況について簡単に説明する。

前述の結果だけを見れば、単純にこの香港の最高議決機関では民主派優位と思ってしまうが、実はそう簡単ではない。香港の立法会は日本にはない構成になっているからだ。

前述したように直接選挙で選出される35議席は、香港を5つの地域ブロックに分け、それぞれのブロックの有権者が投票で選ぶ。

だが、立法会の議席は合計70あり、残りの35議席はいかにして選ばれるのかというと、28の産業界ごとに選出される「功能組」とされる。つまり、最高議決機関の半分は「保険界」「教育界」「漁農界」「法曹界」などそれぞれの業界の利益を代表する議員が占めているのだ。

「功能組」のうち5議席は直接選挙の基礎である地域ブロックの区議会から選出された代表である。この5議席はそれぞれの区議会傘下の住民による投票で決定されるため、一般市民は先に述べた地域ブロック議席と、この区議会代表議席の2つに票を投じる。

一方、「功能組」も産業界でそれぞれに立候補者を立て、業界団体関係者を対象に投票が行われる。そう、ここで投票権を持つのは業界団体の関係者のみで、業界従事者全体ではない。

つまり、市民の一人ひとりのレベルからいうと、投票権を2つ(地域ブロック、区議会代表)しか持たない人と、それに「功能組」を加えた3つの投票権を行使できる人が並存している。

これは明らかに不公平だ。そのため、功能組ブロックを廃止してすべて民選にすべきという声も出ているが、功能組枠は業界利益が考慮要素となるために保守親中派議員の大事な票田となっており、その廃止案はスムーズに進まない。

付け加えると、「功能組」はもともとイギリス植民地政府が植民地支配のために産業界を住民よりも重視してできた制度だ。それが1997年に「祖国」中国に戻ったはずの香港で出現した親中派も廃止しようとしないというのは大変な皮肉だといえる。主権返還時に香港人が「植民地支配の宗主国がイギリスから中国に変わっただけだ」と言ったのもあながち冗談とはいえないのが現実だ。

今年は功能組から保守親中派22人(+区議会2人)、民主派7人(+区議会3人)、独立派1人が当選。その結果、全70議席を俯瞰すると、保守親中派40議員、民主派29議員、独立派1議員と、保守親中派が過半数を超えてはいるものの、保守親中派は前回の選挙に比べて2議席失っている。

ならば、「民主派の勝利」といえるのか? そこが難しいのが今回の選挙だ。

●「香港本土派」の出現

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