【ぶんぶくちゃいな】作家余華インタビュー「日中関係は良くも悪くもならない」

10月、『中国では書けない中国の話』著者、小説家の余華氏が来日した。同書については、すでに「読んでみました中国本」でご紹介したが、来日の際に行ったインタビューの一部をここで公開する。

――最初の訪日は2006年、今回で日本においでになるのは6回目だそうですが、なにか日本の変化に気づきましたか?

余華:最初の訪問の時が最も印象的だった。初めてだったし、あのときはいろんな地方にも行ったので。2回目以降はいつも東京で仕事ばかり、終わると北京に帰る。以前と違う点といえば、ぼくの本を出す出版社が以前は1社だったのが、今は4社になったことくらいかな(笑)。

――でも回数を重ねて、日本との接触も増えたでしょうし、日本の印象は変わりました?

余華:空気が北京よりいいってことはわかる(笑)。世界の大都市で北京より空気の悪いところはないからね。どこの都市でも北京よりマシ。

北京がやっているのは、「緑化」といいつつ「草皮」(芝のシート)を敷くだけだった、そして1年経つと、またそれをすっかりと交換する。というのも、「草皮」っていうのは根っこから植え付けるんじゃなくて、レンガのようにそこに並べて置くだけなんだ。だからすぐに枯れてしまう。だからコストだけかかってる。

東京はちょっとでも空いた土地には木が植えてある。あとで気がついたんだけど、ぼくの故郷の杭州もそうしていた。最近になってやっと、中国の地方都市も中国的な「緑化」に対する考え方を変え始めた。樹木を植え、「草皮」を敷くことをしなくなった…そこは最初に東京に来た時に印象深かった点だな。

●日中間の根底にあるものは変わらない

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