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【ぶんぶくちゃいな】中国「法治」の舞台裏

政治トップが普通選挙で選ばれることのない中国では、権力者や当局が定める法律は当然のことながら「権力者や当局者に都合のよいもの」になる。そして、その「治」が権力者側にあるならば、「法治」もまた自然に権力者の側のものとなる。

8月2日、中国天津の裁判所が、人権活動家の翟岩民に国家政権転覆罪で懲役3年の判決を下した。翌日には地下教会の長老、胡石根に、翌々日には人権弁護士の周世鋒…とほぼ毎日判決が続いた。

彼らは皆、昨年7月に、「709大捜抓」(709大逮捕)と呼ばれる大量取り締まりキャンペーンで拘束された人権活動家だ。その判決と同時進行で、やはり拘束されていた女性弁護士が突然メディアに出現、インタビューで「自分の罪を受け入れる」と語り、人権派を非難した。彼女のまだ10代の息子は彼女の逮捕後に、すでに決まっていた留学先に向かおうとタイに出国したがそのまま当局に拘束されて行方不明になったままだ。そんな「背景」を知りながらも人々は、彼女の発言に驚き、動揺した。

●「見せつける」ための「法治」

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