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「富岳」の飛沫シミュレーションから考える、本当の感染予防に必要な対策とは何か

コロナ禍となって既に1年強。

未だにワイドショー見て、感覚でコロナ対策を語っている場合ではない。
「科学」から紐解いていきましょう。



ノーマスクピクニック

SNS界隈をはじめ一部で炎上?騒ぎとなっているこれ。

4/20現在、あまりの批判から中止となったようです。

開催の意図について「お互いの表情が見えないことで心身に影響が出ている子ども達(たち)、マスク依存症になってしまった子ども達、今まさに顔認知を養っている赤ちゃんのために、マスクのない世界に少しでも居させてあげたい。これが企画者・賛同者の想(おも)いです。コロナ騒動に疑問を持たず、過剰な感染症対策を受け入れることは、子ども達の成長に大きな悪影響を及ぼすと考え、今回のイベント発起にいたりました。

なるほど、そういう背景があったのですね。
このマスクだらけの生活が顔認知という副作用を(真偽は別として)生むということはまったく知りませんでした。


とはいえその意図が大勢の人には伝わることなく、SNSでは大炎上。
同時にそれを報じたYahoo!ニュースのコメント欄は、まさに宗教戦争とも呼べるような、

「屋外だからってマスク無しでいいわけないだろ」派
 VS
「まだそんなこと言ってるのかマスクなんて意味ない」派

罵詈雑言の応酬。


ちなみに自分は(おそらくマジョリティである)前者派なのですが、
あくまで感覚的に「良くないよなあ」と思っていたぐらいだったので、

「屋外でマスク外して飲食するのって実際どれほどマズいの?
 実はそれほど感染拡大に影響しないのでは?」

という疑問が湧いてきました。



屋外で飛沫感染はする?―「富岳」のシミュレーション

こういう話は感覚でしては収拾がつきません。

というわけで科学研究に頼ってみよう、と検索したところ、
下のような記事を見つけました。

漠然と屋外は安全だと思いマスクを外しがちだが、「安全とは限らない」という結果も得られた。特に屋外の飲食では開放的になりがちだが、屋外は風がなければ屋内と同じといえる。また、風が吹いていれば問題ないというわけでもない。強風であれば飛沫はすぐに拡散するが、毎秒0.5~1.0m程度の微風が発話者(しゃべっている人)の背後から吹いた場合、正面だけでなくその周りにいる人への飛沫到達量も増えるという。

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つまり、強風下でない限りは、
屋外でマスク外した飲食のリスクは、屋内と同じorやや高いと。

しかも屋内より声が大きくなりがち=飛沫飛びがちなので、
ノーマスクピクニック、思ってるよりも全然アウトでした。



「お気持ち」ではなく「富岳の結果」を

今まで飛沫はダメだとか、マスク無しでの会話がヤバいとか、そういう話だけは知っていましたが、やはりデータは大事ですね。
説得力が違う。

ちなみに先ほどの記事、「マスクの有無でどう飛沫を防げるか?」というシミュレーション結果もあります。

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・マスクがあると大きい飛沫は防げるが、
 マイクロ飛沫(エアロゾル)にはあまり効果なし
・マイクロ飛沫の方が器官の奥に付着しやすく
 COVID-19は喉などの上部ではなく奥の方で発症する
・マイクロ飛沫が乾燥すると感染力を失う。
 空気感染(≠飛沫感染)はほとんどしない。


あとはこちらの、
「マスクが飛沫飛ばすのをどれだけ防ぐか?」の結果。

ざっくり言うと、
マスクをぴったりフィットさせない場合はめっちゃ漏れる



まとめ

・屋外だからってマスク無しで会話していいわけではない。
 むしろ場合によっては屋内よりやばい

・マスクで防げないマイクロ飛沫(エアロゾル)の方が
 発症の原因になりやすくてやばい。
 ⇒マスク越しでも近くでの会話はかなりリスク

マスク(不織布の場合)をちゃんとつけてないやつは
 結局飛沫が飛びまくる
ので周りが注意するべきレベル。


⇒結論:近い距離で人と会話するな。マスクは「ちゃんと」つけろ


今回のデータからの結論としてはこのようなところでしょうか。
他のシミュレーション結果とかも見ていけばまた新しい知見が得られそうです。



唯一の疑問

こんなにきっちりとしたデータを出してくれてるのに、
なんで自分は今になるまで知らなかったんだろうかと。

少なくともテレビでこういうニュースをやってくれていれば…、

やってて見逃してただけかもだけど、
それならもっと重点的に特集してくれればいいのに。

なんというか、テレビでこういうデータを基にした定量的・定性的な議論って本当に見ないね。なんでなんでしょうね。

こういうしっかりとした情報をもとに、みんなが過剰になりすぎるでもルーズになりすぎるでもなく、きっちりと感染対策をしていけるようになりますように。


おわり。

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