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Wadachi

2022年3月31日(木)18時過ぎ
iPhoneに「お知らせ」から始まるLINEの通知。
嫌な予感がした。
高1で出会ってからずっと応援し続けたロックバンド「SPYAIR」のボーカルIKEの脱退の知らせだった。

予兆はあった。IKEさんは日常的に毎日のようにインスタグラムのストーリーを更新する。でも、今年の1月に予定されていたイベントが持病悪化により中止なり、その頃からSNSの更新も止まった。

2019年夏に潰瘍性大腸炎という国指定の難病を患っていることをIKEさんのインスタのストーリーで知った。直前のライブで「バンドとして力を蓄える期間を設ける」という形で、事実上のバンド活動休止の報告がメンバーからされたけど、IKEさんの件で線のようにつながったのはよく覚えている。


最初知った曲は「現状ディストラクション」で、その歌声に取り憑かれた。買ってもらったばかりのスマホで数えきれないほどMVをみた。代表曲の「サムライハート」もすぐ知り、初めて買ったCDがアルバム「BEST」。そのあとすぐ、初めて好きになったバンド、NICO Touches the Walls のベストアルバムも買い、毎日のように聞いていた。

これをきっかけに初めてポイントカードを作った。Tからはじまる2色のやつだ。地元のTSUTAYAでCDを借りてはWALKMANに取り込むことを繰り返す週末がむちゃくちゃ楽しかった。この頃には両バンドはずっと聞き続けるってなんとなく思ってたよね。

大学生になって遂にライブに行くことができたのは最高の体験だった。その後も何回もライブに駆けつけた。初めてファンクラブ会員にもなった。
結果的に9回もライブに行ったけど、何一つ後悔ない。


お知らせを見た瞬間は全く腑に落ちないの極み。
けど、IKEさんの歌声が聞けない、新曲が聞けない、徐々にわかってきてその日は何も手につかなった。

でも、悲しすぎて何もできない、曲が聞けないとかはなかった。むしろ、ただひたすら曲を聞き続けている。現在進行形で。それほど自分の耳には心地いいし、ずっと覚えていたい。思い出せるようにありたい。

代表作の「サムライハート(Some Like It Hot!!)」とか「イマジネーション」以降は中々大ヒットまではいかなかったけど、去年の1月に出た「轍〜Wadachi〜」は初めて聞いた時から本当にワクワクさせてくれた曲だった。4人体制での最高傑作だと思う。

NICO Touches the Wallsが活動を終了して3年もたった。あの時も急だった。公式SNSで「活動終了」の「お知らせ」があり、すぐさまのトレンド入り。SPYAIRは形としては残るけど、青春時代を彩った2つバンドがこんなにも早く当時から形を変えてしまった。ここまで思い入れのあるバンドはもう出てこないと確信しているし、多分死ぬまでずっとぽっかり空いた穴が心の中にあるんだなと。


ただ一つ言えるのは今後もずっと聞き続けること。応援し続けること。
彼らの音楽が俺色の一部なのは間違いない。