「嘘について」覚え書き

《嘘についての軽いアイデアダンプ》


「事実には強力な力があるかもしれないが、嘘にだって同等の力がある」
「力を持った嘘は、もはや事実と大差ない」
「高貴な嘘」「嘘も方便」「残酷な真実と優しい嘘」

《嘘についての「問い」》


・嘘はどのような場合であっても許されないのだろうか?
・それとも、特定の条件を満たしている場合、許されるものだろうか?
・もし、許される条件があるとしたら、具体的にはどのような条件だろうか?
・「嘘」と「嘘ではない」の境界とは何か?

《お父さんはお星さまになったのよ》


父親が死んだ事を子供に伝えるのは、酷だろうと思った母親が、子供に「お父さんはお星さまになったのよ」「お父さんは遠くに出かけているの」という場合、嘘と言えるだろう。果たして、この嘘は許されないか?

《大丈夫。すぐに治るわ》


末期がんになった患者に対して、その真実を打ち明けずにいたとして、医師も「余命1ヶ月だと思います」と家族に言った時に、家族が「大丈夫よ。すぐに治るわ」と患者を元気づける時、嘘だと言えるだろう。この嘘は許されるのか?

《友達を庇う嘘》


ある日、友人が突然、自分の家に駆け込んできて、「匿ってくれ」と言われたとする。すばらくすると、見知らぬ人が訪ねてきて、「ここに、お前の友達が来ていなかったか?」と聞かれて、「知らない」と誤魔化すとする。この場合、嘘をついていると言えるだろう。この場合の嘘は許されるのか?

《コウノトリが運んでくるのよ》


子供に「赤ちゃんはどうやって生まれるの?」と聞いてきた時に、両親が「コウノトリが運んでくるのよ」と答えた場合、嘘をついていると言えるだろう。この場合の嘘は許されるのか?

《「コウノトリが運んでくるのよ」と三人の子供たち》


子供Aは両親に「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」と聞いた。それを子供Bに伝えた。子供Bは子供Aの言った事を信じた。子供Bは子供Cに嘘をついてやろうと思って、「赤ちゃんはコウノトリが運ぶというのは嘘らしいぞ」と言ったとする。子供Cは子供Bの言う事を信じた。
さて、この場合、子供Bは子供Cに嘘をついた事になるのだろうか?

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