【単なる退屈しのぎの手段ではなく、情報収集と思考鍛錬のためのツイッター】

『何となくのフォローをやめる』


自分の好きなアカウントや興味のあるアカウント、知り合いのアカウントなどをフォローして、ツイッターを使う。そのような人が一般的だと思う。それらは明確な基準でフォローするというよりも何となく漠然としている事も多いのではないかと思う。
ここで、自分が提案したいのは「明確な目的を持った」ツイッターの使い方だ。
単純に、今のままツイッターを楽しみたいという人は見る必要はないだろう。これから使う人やこれまで使う人の中でも、「どうせ使うなら役立つ使い方をしたい」と思っている人への提案の文章だ。
何よりも先に提案したいのは、「何となくのフォローをやめる」という事だ。


『なぜ、何となくのフォローをやめる事を提案するのか?』


人は、何となくフォローをしていると偏った情報や自分好みの情報などを提供するアカウントを選んでしまいがちになると思う。せっかく多くの時間を使ってツイッターのタイムラインを見ているのに、自分がすでに知っている事や自分がすでに考えている事などの情報が流れるよう状況が生まれる。そうなると、自分の価値観が世の中の主流派である、というような考え方が意識的か無意識的かに関係なく強まってしまうと思う。それでは、新しいアイデアなどは生まれず、ただ、同じアイデアを再生産し続ける事に時間を使う事になってしまう。端的に言って、もったいない時間の使い方だと思う。
どうせ時間を使うなら、新しいアイデアを生み出し、それを生活などに活かしていきたいと思う。そのためにも、再生産的なアイデアを生み出す原因となりえる「何となくのフォローをやめる」事が第一ではないか?と思う。


『戦略的にリストを使う』


ツイッターには、リスト機能というものがある。例えば、「読書家」というリストを作ったとする。ツイッターで「読書家」で検索して、出てきた人間の中で興味のあるアカウントをこの「読書家」リストに入れる。こうすると、何が起こるか?「読書家」リストに入れたアカウントの情報だけがリアルタイムで見られるようになる。
このリストが便利なのは、何個でもリストを作る事ができるので、自分の興味のあるジャンルをいくつか考えて、それぞれのジャンルの名前をリスト名にして、それぞれのリストに適したアカウントを検索しては、リストに入れる作業をすれば、いわば「自分用のメディア」というものを作る事ができる。こうすると何が良いかといえば、単純にフォローするだけだと、様々なジャンルのアカウントがツイートする事になるので、ごちゃごちゃしやすい。しかし、リスト管理すれば、ある程度、整理して情報収集が可能となる。
ちなみに、リストは何もしないとリストへ入れた人間に気づかれるが、非公開にすれば相手にバレる事はないので、相手を気にする事なく、自分の興味のおもむくままにリストへ入れれば良い。


『あえて興味のない分野のリストを作ってみる』


何となくフォローしてしまうと、自分好みの情報を流してくれるアカウントしか集まらないという話をさっきしたが、それは、興味のあるジャンルのリストを作っても同じような問題が起こる。
そこで、さらに提案したいのが、「あえて興味のない分野のリスト」を作ってみる事だ。ニュースに興味ない人は、あえて「ニュースリスト」を作ってみたり、読書に興味ない人は、あえて「読書家リスト」を作ってみたり、人文科学に興味ない人はあえて「人文科学リスト」をつくってみたりする。
そして、定期的に、そのリストを眺めてみる。そうすると、今までは興味がなかったが、すごく興味が惹かれるツイートに出会う事ができるかもしれない。これまで興味がなかった分野から新しい興味が生まれると、新しい価値観を得る事ができる。新しい価値観を得たら、そこから新しいアイデアを生む事ができるかもしれない。


『リストのツイートを批判的に分析してみる』


批判的に分析するというのは、「相手のツイートに難癖をつける」「相手のツイートを攻撃する」などの事ではない。批判的な分析とは、「相手の言っている事は本当なのか?」「他の解釈では成立しないだろうか?」などと吟味してみる事である。ツイッターは1ツイートは140字しか打てないので、基本的には、要約された内容や一番伝えたい事に凝縮されている。だが、それによって、重要な論点が抜けている事もありえる。また、相手の思い込みだけで語られている内容かもしれない。それらを念頭に置いて、ツイートを眺め、そこから疑問点などを挙げたら、自分で思考してみるか情報収集をしてみる。
そして、最終的に、自分のアカウントで140字に要約してツイートしてみる。もし、納めきれなさそうなら、リプとして続けても良いし、無料のブログなどに投稿しても良いかもしれない。
このように意識してツイッターを使えば、「批判的な分析」「思考力」「情報収集能力」「分かりやすく整理する力」などの能力を磨く事に使える。


『自分自身の発見にも使える』


日々、思考力や情報収集などを行い、ツイッターに自分のインプットや思考の結果をツイートする事を続けたら、振り返ってみる事も参考になるかもしれない。一週間や一ヶ月ごとに自分のツイート内容を俯瞰して、その日その日に自分が「どのような事に興味を持ったのか?」「どのように考えたのか?」などを考えてみる。ツイッターの良いところは、自分がツイートした内容が残り続ける事だ。頭の中で思った事や感じた事などは、すぐに忘れてしまう。そして、ツイートの大まかな流れを捉える事で、自分自身について少しずつ理解できるようになる。


『長期的な計画を立ててツイッターを使ってみる』


自分自身について理解できるようになったら、今度は、「一週間や一ヶ月の間に、何をするのか?」などをリストアップして、その通りに実行してみると良いかもしれない。「理想的な自分の像とは何か?」「現状の自分はどのような人間か?」を考察して、「少しでも理想的な自分に近づくためには何が足りないのか?」を具体的に考える。そして、一週間や一ヶ月で出来そうな具体的な行為を書き出し、PDCAサイクルとして回していく。実際に行ってみて、定期的に振り返ってみる。反省と改善などを繰り返して、理想的な自分へと近づいていく。
「今月の目標」というツイートをして、固定ツイートにする事で、ツイッターを開いている時は、常に目標が見えるようにすると、モチベーションのアップに繋がるかもしれない。


『最後に~シンプルほど応用が効く~』


ここに挙げた意外にも、ツイッターの便利な使い方はあると思う。道具は実際に使いこなせてこそ意味がある、と思う。「知っている事」と「実際に出来る事」は違うと思う。ツイッターは明らかに知っているだけでは十分に活用はできない。様々な利用方法を実際に試して、自分に適合するようにカスタマイズして、使っている内にふと便利な方法を思いついたら、それも試してみる。そんな小さな気づきと改善の繰り返しで、どんどん使い方をマスターしていく。「完成したと思ったら、そこで成長は止まってしまう」そうはならないように、常に改善の余地を探しながら使う事が良いのではないかと思う。

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