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NIKEの購入体験の変化

数年前からかな、スニーカーブームが到来してからあちこちで転売も盛んになった。

今では、高騰が予想されるスニーカー販売日に全く興味のない人まで購入チャレンジを行い、争いは熾烈を極めている。

自分は趣味に関する情報収集はTwitterで行っていて、トレンドの確認もTwitter。その中でも、コンテンツごとに界隈というものが必ずあって、その界隈での少数の有力者層とそれを支持する多数の人で成り立っている。

日々、その界隈に入り込んでROM専を続けているとやはり全体の動きが分かってくるわけで、全く関係のない界隈がコジ活目的でスニーカー界隈に動いてくるのが見えてくる。それに気づいたのが一年ちょっと前かな。

それからはすぐだった。人気のスニーカーの倍率は跳ね上がって、正規でNIKEから定価でスニーカーを買うことが宝くじを買う感覚になってしまった。

ほしいスニーカーの抽選が外れて、何分後かにメルカリを見てみる。そうすると今まで子供用品を売っていたお母さんアカウントが突如としてNIKEのトレンドスニーカーを高値で売っている。そういった事が当たり前になっていた。

界隈の規模バランスを簡単に認識してもらうと、スニーカー界隈なんて本当に狭いもので、実際少数とされる有力者も本当に少ない。対して最近流行っているコジ活界隈というのは、ちょっとやそっとSNSを見ているだけでは全体を把握できないほど規模は大きいし、今でも新しい有力者を発見することもある。

その大きい規模の方でスニーカー転売が儲かるなんて上から下に流されたら、応募の簡単さからそれはもう沢山の人が殺到するわけで、先述のようなメルカリ転売が多発する。

NIKEの目指す購入体験は、いくらNIKEの会社の方でどういった素晴らしい言葉を並べたところで、消費者の自分からしたら品薄商法だ。

欲しい人全員には行き渡らせないようにして、だからこそ手に入った時の優越感が増す。実は自分もこれは立派な商法だと思う。ただ大切なのはバランス。全員には行き渡らせないそのバランスが本当に大事なポイントだと思っている。

比較的少数のスニーカー界隈でのみ盛り上がっていたときは、かなり良いバランスで品薄商法が働く需要と供給だったと思う。ただ今ではNIKEが想定していないバランスになっている気がする。

このバランスが崩れると市場はどうなるか。実は答えは過去に同じ商法を行った企業が示してくれていて、ほぼ必ずオワコン化する。

オワコン化するとコンテンツとしての伸びもなくなって、既存の支持層も離れ、それは終わりを迎えてしまう。

だからこそ今後の動きに注目している。正直言うとブーム再燃というのは厳しいと思う。ただスニーカーが好きなものとしてはそれは寂しいわけで、どうにかなんないかなって思う。

NIKEが自信を持って推し続ける購入体験は明らかに変化を辿っている。大きな会社として品薄商法の前例を書き換えてくれるのか、楽しみだし不安だ。



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