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『教育のミライ』

 タイトルに惹かれて一気読み。
 基調にあるのは、現状の日本の(特に公教育)ではダメだ、という論調。そこは大いに賛成。生徒も保護者も先生も幸せではない学校生活からは何も生まれないでしょう。
 で、どうする?という話になるのですが、規制緩和してすべて民間へアウトソースしようというご意見。学校には専任教師を置かず、せいぜい管理職だけ置いて、企業人などが兼任として国語・算数・理科・社会・英語・体育・美術などを教える。もしくは企業内小学校をつくり、親が勤務する会社の小学校の授業をそこで受ける。
 で、ここで初めて気づいたのですが(遅いっ)、著者はソニーの方。「ソニー小学校」などをつくる構想がおありなのでしょう。いいアイデアだと思います。ソニーだけではなく、紀伊国屋書店小学校とか、コナミスポーツ小学校とか、民間小学校がどんどんできれば選択肢も広がる、自由度も広がる、子どもの得意を伸ばしてあげて、この「天才の芽を摘む日本の教育システム」からの脱却を図って欲しい。
 でも著書の後半はソニーのPR(笑)。ソニーのゲーミフィケーション学習、ソニーのテクノロジー教育システムをもっと使ってくれーというアピール。もちろん、教育にテクノロジーが活きることはたくさんあるが、それだけではない。情報を敢えて隔絶した山の田舎小学校でも素敵な子どもが育つ可能性はある。
 という意味で、いささかソニー感の強い本でした。

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