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未勝利馬 ハッピーアズラリーが1勝クラスを勝てた理由

そして、バトンは渡された

2023/10/7(土)1頭の未勝利馬が格上挑戦となる1勝クラスで見事勝利を収めました。
彼女の名はハッピーアズラリー。
名前の通りとても幸せな日になりました。

これからお話する内容はほぼ私の想像になりますので、
レースに関するお話以外は話半分でお読み頂ければと思います。


諦めたらそこで試合終了ですよ


9/2の小倉未勝利戦、3歳未勝利馬にとっては勝ち上がるラストチャンスとなる重要な1戦で、ハッピーアズラリーは健闘及ばず0.2差の3着に敗れました。
愛馬の走りを見守った金子真人オーナーはフーっと息を吐き出すと静かに呟言葉を紡ぎました。

諦めたらそこで試合終了ですよ

これは愛馬への言葉なのか、それとも自分自身への言葉なのか


ここでハッピーアズラリーの全競走成績を見ていきたいと思います。


新馬、未勝利クラスで騎乗した騎手

鮫島克駿×4
岩田望来×1
典さん×1
聖奈ちゃん×2

成績からわかることは
未勝利を勝ち上がる力は持ち合わせているということ
芝・ダート兼用であるということ
1800→1600→1400→1200と距離短縮していってるということ

未勝利のラスト2戦などは減量騎手を起用したりと勝ち上がるために色々な工夫、努力をしてきたのだと思いますが、
あとほんのちょっとの運を味方につけることができなかった

しかし、諦めたらそこで試合終了ですよの言葉通り、ハッピーアズラリーは登録抹消とはならずに格上となる1勝クラスでの勝利を目指すことになりました。


I'll be back


そこで一人の男に白羽の矢が立ちました。

横山典弘

未勝利戦で一度騎乗経験のあるこの男なら・・・

金子オーナー「なんとかならんか?」
典さん「一つだけ方法がある」


絶対に負けられない戦いがそこにはある


こうして再度コンビを組んで臨んだ9/16 阪神1勝クラス ダート1200

求められるのは勝利のみ

そこで横山典弘騎手のとった戦法は

ポツン→大外ぶん回し 6着


これには金子オーナーもブチ切れ!

しないですよね

結論から言うと、このレースは捨てレースなのです
後がないのに捨てレースってどういうことだよ適当なこと言ってんじゃねーぞてめぇ!

なんて思った人もいるかもしれませんが、後がないからこその捨てレースなのです。

詳しくは以下の記事に記載してますのでよろしければ合わせてお読み頂けたらと思います


この横山典弘騎手とポツンのお話の中で、題材としてアエロリットの桜花賞を取り上げました。
桜花賞は捨てレースで本番はNHKマイルCだと。

思い出した方もいるのではないでしょうか。

つまり長くいい脚を使えるようにするための下準備を行ったのです。

なのでこのポツン→大外ぶん回し上がり1位というのは120点の騎乗で、
ハッピーアズラリーもそれに応える走りをしてくれました。

ゴール直後に典さんはきっとこう思ったはずです。

俺はやることはやったぜ、金子の旦那ァ


絶対に負けられない戦いがそこにはあるPartⅡ


10/7
本当の意味で絶対に負けられない戦いがやってきました。
舞台は東京ダート1400。
絶対に負けられないので東京競馬場は庭でありJRAナンバーワンジョッキーのクリストフ・ルメールに勝負の手綱は託されました。

これが副題の、そして、バトンは渡されたという意味になります。
典さんが仕込んだバトン(ハッピーアズラリー)をルメールに渡す。

金子オーナー「勝てる?」
ルメール「イッパイジシンアリマス!」

結果はご存じの通りスタート失敗したのですが慌てず中段までポジションを上げていき、直線の手応えもよくゴール前できっちりと差しきり絶対に負けられない戦いに勝利しました。線と線が結ばれた瞬間でした。
そしてハッピーアズラリーの未来が開けた瞬間でもありました。

ハッピーアズラリーの1勝の為に各々の役割を完璧にこなした横山典弘→ルメールというThe プロフェッショナルのリレー

私は、やっぱ一流の中の一流はスゲーなぁとゾクゾクするのですが皆さんはいかがでしょうか
この様なドラマ性も競馬の魅力の一つですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。





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