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英語多読、はじめてみる。・・・の失敗談。レベルあわせは難しい。

英語多読 (1)

スティーヴン・キングの原書が目標。

というか、読めるだろうと思って、数冊購入して挑戦して、つまずいた。その「失敗」の5か月間の様子を思い返しながら書いてみる。うしろの1か月半は「諦めて何もしていない」状態なので、実質3か月半のことになる。
(一冊を読み終えてから次の本へ手を出すのではなく、同時進行で2冊を進めていることもあった。)

5か月後の今日の時点で「キングが読めるようになりました」とはなってない。「レベルにあった本」を読むをやっと受け入れた、正しいスタートラインに立った、というのが結末。ただ、正しいレベルを受け入れるのにかなり遠回りした。その遠回り具合の経験を書いておこうと思う。いつか笑い話になればいいな。

さて、ここからが本題。

『すべての悩みは量が解決する!英語多読』という本を読み、「よし!がんばるぞ!」と、突然、原書が読めるようになりたい欲がでてきた2021年の正月。「今年の目標だ!」と決める。

私の英語力は大学生のときに日本で英検の準一級とTOEICを800点前後で取り、その後、英語の検定はうけず。23歳で結婚を機に渡米。在米約15年のアラサーになる。英語は日常的に主人との会話で使う。毎朝のニュース、ドラマ、映画などは観るものの、活字はNew York Timesのオンライン版を購読して、朝、ちゃっちゃっちゃと読む程度。ドラマも映画も英字幕を付けて9割は理解。字幕がないと5割程度になる。

キングの原書はハードルは高いとわかっていた。でも読みたい。『すべての悩みは量が解決する!英語多読』でさんざん「自分にあったラベル、2個くらい下のレベルから始めよう」と書かれていたのにその忠告を無視し、自分流で進める。内容がわかっていれば、読みやすいだろう、とドラマ化されている"The Outsider"を選ぶ。

まず、ドラマ版をHBO MAXで視聴。ストーリーを理解したうえで原書に取り組む準備をする。

ドラマはサクサク。3日で全部見終わるほどはまる。

さて、原書の"The Outsider”

全然ページが進まない。1ページごとにわからない単語が数十個あるためだと思われる。わらかない単語をスルーしていると1つの文章の意味がまるっきりわからないことも。

『すべての悩みは量が解決する!英語多読』に「辞書は使わない」とあったので、辞書は読んでいる間は使わずで読みたかった。だけど、これでは全然わからない・・・。本来ならここで「あきらめる」を選択しないといけなかったのだけど、「どうにか読む」で突き進む。

わからない単語に印をつけていったん読み終わってから辞書で調べるという方法をとってみる。10ページくらい読んだところで、明らかなるレベル違いだと気づくのだけど、「でも、読みたい」が勝り、どうにか1か月半かけて1冊を読み終える。ドラマ版と内容違うのかな?ということで、ストーリーを知りたいという意欲が、「読みたい」という気持ちを後押ししたのだと思う。


次に、邦訳版で過去に読んだことのある作品 "Duma Key/悪霊の島"ならどうにかなるだろうと原書と邦訳版を手元に置いて、スタートしてみる。

が、しかし、全然進まない。邦訳版を読んだのが数年前だったため、あまり内容を覚えていない。「内容全部知ってる」という気持ちがあってストーリーを先に進めたいという意欲がわかないからなのか、理由はいくつか浮かぶものの、ともかく"The Outsider"よりも進まない。無理やりページを進めるために、オーディオブックで気分を変えよう!と試みる。図書館でCDを予約するも、近場の図書館に届くまでに数週間かかるようなので、一旦保留にしてレベルの低いキング以外の原書に手を出すことにする。


約10年ほど前に購入していた"Twilight Saga"の4冊のセットに目を付ける。映画にドはまりして当時購入したけど、パラパラ読んで「読めた気分」になって本棚で眠っていた本。「これならいけるだろう」と始めるのだけど、やっぱり1ページに数個はわからない単語がある。スキップして読んでも内容はわかる。"The Outsider"のように文章がまるっきりわからないことにもならない。でも、「こんなに飛ばしてたら10年前と同じでは・・・」と不安になる。ここで選ぶべきは「もっと低いレベルの本にする」が正解だった。が、まだ自分流を突き進む。"The Outsider"を読んだ手法と同じく、わからない単語に印をつけて、1章を読み終えたら、単語をひく、という方法に変更。図書館のアプリでオーディオを探したところ、すぐにダウンロードできるE Audioとやらを発見。オーディオを聞きながらページを進めるという手法に即座に成功。オーディオの朗読をしてくれる女優さんが映画のベラを演じた女優の声にも重なり、声も好きでサクサクページが進む。"Twilight", "New Moon", "Eclipse"をそれぞれ2週間~3週間以内に完了。これは、レンタルの E Audioの自動返却が3週間後に強制的に設定されているため。延長もできないので、ひたすらがんばった。1章を辞書なしでオーディオを聞きながら本をめくるのに40分~60分。オーディオのほうが、黙読で読むのよりも時間がかかるのだな・・・と気づき始める。が、オーディオを聞きながら読むほうが内容が頭に入りやすいので、スピードよりも内容理解の重視ということで、オーディオを聞きながらページをめくることはそのまま続ける。その後、わからない単語を調べて記録するのに1時間。そう、このあたりからExcelに単語と意味と文章を記録始めるという手法を取り出す。何度も「あれ?この単語、どっかでみたぞ」という気持ちになり、単語を記録したいという古い勉強脳が邪魔をしてくるようになった。1章を完了するのに意味調べもあわせてると2時間かかっている。時には2時間半~3時間。が、毎日、コツコツ進めて、どうにか1冊を2~3週間で終わらた。図書館のオーディオの返却日という期限があったから、先に進める気力を保てたのだと思う。あと1冊!でシリーズ完結!(実は他にも2冊あるのだけど、手元にある本のシリーズという意味で)というところで、恋愛ものに急に飽きる。「ミステリー」が恋しいと思い始める。

恋愛ものから離れるために、「キングよりもレベルが低いミステリー」を探すにも、どうやって探していいのかよくわからない。ここで初心に戻り、『すべての悩みは量が解決する!英語多読』を読み返せばよかったのだろうけど、手っ取り早く何かないかとYouTubeを漁ってしまう。

"EnOn - English Online"というサイトを発見。原作より簡単なバージョンを朗読してくれるサイト。短ければ3時間、長ければ10時間を超える大作も配信しているチャンネル。字幕は自動のキャプションではなく、きちんと動画上に表示されている。本を一冊読んだのと同じことになるかも、とトライしてみる。まずは3時間程度の作品を選ぶ。"Death in the Clouds" by Agatha Christie。とても簡単で、わからない単語もところどころあるものの、スムーズに視聴ができ、2日かからず完了。謎の達成感に包まれる。

次は長めのものを、と、またまたAgatha Christie。"And Then There Were None” を選ぶ。"動画は6時間もあるけど、なんとかなるだろうと開始。しかし、内容が "Death in the Clouds"より難しい・・・と感じる。"Twilight"ほどではないけども、わからない単語がちょくちょく出てきて、これは聞き流す程度ではすまない。わからなかった単語を書き写して、あとからチャプターごとに単語を調べる方法をとる。手元に原文がないので、わからない単語にでくわすといったん動画を一時停止し、書き写すという余計な作業が加わった。しかも、この動画の字幕は完璧ではないようでスペルミスが時々あって、辞書で引けない単語もでてくる。一章を終わらすのに単語調べまでいれると1時間~2時間かかる。約10日かけて視聴し終わる。「内容はおもしろいけど、このやり方するなら動画じゃなくて本を読んだほうがよくない?」と思う。そう思いながらも、チャンネル内で次の作品を何にしようか探していると"EnOn"のチャンネルに上がっている作品レベルはまちまちだと気付く。概要欄にレベルは表記されているものの、私が感じるレベルとチャンネルのレベル分けが微妙に合わない。ちなみに、"Death in the Clouds"も"And Then There Were None"のEnOnの動画はどちらも同じレベルの5。私の感覚では" And Then~"のほうが、数レベル上に感じる。動画を再生しないことには自分にちょうどよいと感じる作品に出会えない。簡単すぎると「つまらない」と思って続かないし、ちょっと難しそうなものにあたると「あー、わからない単語を書き写すのが面倒」となる。しかし、面白いと思えるのは後者の「わからない単語を書き写すのが面倒」という動画になってしまうという悪循環。そこで、Agatha Christieにはまったのかも?と思って、図書館アプリでAgatha Christieの原書をEbookでレンタルするも、「あー、これはキングに近い気がする・・・。簡単レベルなんかじゃない」と数ページパラパラして気づく。「レベルの高い本をここで、新たに手を出してはいけない」と自分に言い聞かせることには成功する。しかし、ほんの一瞬でまた気が変わる。

「レベルが低い本」を探しているはずなのに、ちょうどそのころ、スーパーでキングの本が割引で売られているのを目にする。

"The Stand”。その場で図書館アプリで調べるとE Audioもあり、数日待てばレンタルできそう。ということで、購入。"Duma Key”のオーディオのCDはまだ届かないし、ちょっとは成長しただろうと試しに読んでみる。が、この本、超大作。手に取った時は本の厚さは他の本とあまり差がないように思ったのだけど、一枚一枚のページが薄く、すかせば後ろのページが見えるような薄さ。しかも、"The Outsider”の倍のページ数もある。ちなみに、"The Outsider"は560ページ。"The Stand"は1149ページ。文字も小さめ。「序章」を読むとキング自身が「この本はとてつもなく長いし、The Standの続編ではない。以前出版した本をわけあって削除した個所があり、当時のまま出版できる機会ができたので、作者のわがままで再出版したものだ。なので、The Standをすでに読んでいる読者で何かストーリー上の違いを期待して購入するのはやめるべし」と警告があり、「うわぁ・・・」と購入する前に序章を読まなかった自分を悔やみつつ、「やばいかもしれない」という思いを抱え、E Audioのレンタル期間の終了の3週間でどこまでいけるか挑戦してみる。オーディオを流しながらわからない単語は数チャプター終了後に調べる、これまでの方法でやってみる。

で、結果は・・・3週間で終えれたのは200ページ。オーディオのレンタル期限終了とともに、やる気もごっそり持っていかれ、ストーリーに出てくる登場人物が多めで、数チャプターごとに主人公が入れ替わる短編チックな進め方でもあるので、登場人物の誰にも感情移入できずにストーリー的にもレベル的にも「もういいや」と諦める。

ちょうど、"Duma Key"のオーディオCDが図書館に届いたので、"Duma Key"に心も傾いていた。

さて、"Duma Key"に再チャレンジ。前回同様、邦訳版を用意し、1チャプター読んでは単語を調べ、単語を調べてもしっくりこない文章は邦訳版を参考にして、それをExcelに記録する、という方法で読み進める。やっぱりスティーヴン・キングは難しい。"Duma Key"にはたくさんの鳥や草木の名前が出てきて、調べだすと「どんな木なんだろう?」と画像まで調べたくなり、本に向かっている時間よりも、PCに向かって記録している時間のほうが長くなっていく・・・。約200ページ進めたところで、「あー、疲れた」となる。それもそのはず・・・。”Twilight”からちまちま始めたエクセルに登録した単語は、同じ単語も含めて2700語を超えている。本を読んでいる感がなくなり、そりゃ、疲れるのも当たり前。

(↑画像はエクセルの単語登録。左から全体の単語数、重複するものを外した数、単語、文章の抜粋、ページ、品詞、英英辞書の意味、同意語など、日本語の意味。ここには載ってないけど、もっと右にいくと本のタイトルとなる)

そして、そのころ、アマゾンでオーダーしていたスティーブン・キングのビル・ホッジッスセット(3冊)が届く。

"The Outsider"にでてきた主人公(ホーリー)の前日譚ということで、わくわくしながらポチり、図書館で予約していたオーディオCDも第一作の"Mr. Mercedes"が届く。けれども「もう、スティーブン・キングは無理」という気持ちになり、本を包んでいるフィルムの封すらあけずに本棚にそっと置いておくことになる。

原書は無理だ!と諦めてから約一か月半経過したところで、"The Outsider"のホーリーの前日譚が気になる始める。

そこで、邦訳版の文庫をゲット。やっぱ、日本語で読書が一番手っ取り早い。最後の"End of Watch"は単行本しかまだ発表されておらずお値段が張るので、"Mr. Mercedes"と"Finders Keepers"の文庫を手に入れる。"Mr. Mercedes"の邦訳版、上下の2冊を5日で読み終える。しかも、毎日寝る前に1時間ちょっと読む程度ですんでいる。原作で読む苦労の100分の1で読める邦訳版、日本語万歳!と思うと同時に、やっぱり思う、「原書で読みたい」。

ということで、英語の多読をしっかり学んで、ちゃんと自分のあったレベルで原書を読んでいこう、キング作品を1年後か2年後に読めるようになればいいか、を目標に改めて決意し、記録用にnoteを書いていくことに決めたのが3日前のこと。

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