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風をめざして

plenty、解散しちゃったけど今でも大好きなバンド。2011年が始まって間もなく、たまたま流れてきた曲「人との距離のはかりかた」にひと耳惚れ。

当時よく流していた音楽チャンネルから聴こえてきた歌い出しに、思わず画面に注目してしまった。
わかりすぎる歌詞に、中性的な声と見た目。
インパクトが凄かった。

その年の春、
大阪城野外音楽堂が初plentyとなるわけで、
そこで高橋優さんと出会うわけで。
言うなればplentyは恩人なわけで。
♩アーアーアアアアアー♩(北の国から)

plentyの歌詞はどこまでも内省的。
内省しつつ、外の世界を丸ごと拒絶するかのような冷たさも感じる。
そして、同じくらい自分のことも嫌い。
主人公はその状態から這い出ようともがくのではなく、諦めの感情と共にそこでプカプカ浮いている。
そんな感じ。

どこまでも淡々と、俯瞰した感じも好きだった。
「君が髪を切った キレイだった すごく似合ってた 問題は君を好きなのかどうか」
すごく捻くれてるけど、めちゃくちゃ共感。笑

そんなplentyの歌詞も少しずつ変化していき、
気づけば大切な人への想いなんかを歌ったりするようになっていったのもファンとしてはグッとくるポイント。

地元、茨城で結成されたplenty。
ボーカルと曲作りを担当する江沼郁弥氏、
しかし当時まだボーカルではなかったそうで。
その後メンバーの脱退を経てフロントマンとなった彼。

ライブには必ず足を運んでいたけれど、そこまで密に江沼氏のこと掘り下げてたファンというわけではなかった自分。
でもそんな私でさえが薄々感じるくらい、江沼氏は何かしらいつも憤り悩み壁にぶち当たりながらplentyを続けていたように思う。
私にはよくわからなかったけれど、彼の中では何かが違うんだろうな‥と思いながらいつも見ていた。

ライブのMCは無いに等しく、ほぼノンストップで淡々と演奏を続けるplenty。
ファンとしては、そこでしか聞けない話や生の声を聞きたかったけれど。
演奏しながらの煽りも一切なかった。
それでも本編ラストに向かうにつれて、どんどん上がってゆく熱量。
メンバーからの煽りなどなくても、聴いていて自然と自分の内側に火がつく。
そんなライブだった。

2016年に解散してしまったのは残念だけど、
でもずっとは続かないかもなという予感もあったので驚きというより「ついに、か。」と思った。

ラストライブはチケット落選。
高値で売りに出す転売ヤーのような人たちを横目に見ながら「絶対こんなやつから買うもんか。」と思った。

ソロで始動したのは知っていたけれど、なかなか自分の中で動き出せずタイミングも合わず。

去年の夏、ようやくソロの江沼郁弥氏に会えた。
plenty時代には見たことがなかった満面の笑み。
あんなに喋るのも初めて見た。
「お客さんの距離感から、plentyの時の僕がいかに気を遣わせていたかがよくわかった。」と自虐ネタで笑いを誘っていた江沼氏。
「わかってるやん。」という空気が会場に流れていたのは言うまでもない。笑

新たにバンドも結成した江沼氏。
アイドルのバックバンドなんかもやったりして。
なんだかとても伸び伸びとやっているようで、本当によかった。よかったね、江沼くん。

タイトルの曲は、解散直前にリリースした曲だったと記憶している。
折れそうで折れない、芯の強さ。
大好きな一曲。

そろそろまた、会いに行きたくなってきたな〜。
エヌマシ〜!(リジョンヒョクシ〜!的に)



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