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DNAの塩基配列解析方法

今回はサンガー法と呼ばれる塩基配列の解析手法について紹介していこうと思います。

サンガー法ではまず、調べたいDNAを一本鎖の状態で準備します。そしてこのDNAを鋳型として相補的なDNA鎖を合成します。相補的というのは鋳型となるDNAの塩基と水素結合する塩基を持つDNA鎖のことです。

サイガー法でDNAを合成する時には材料となる物質を2つ使います。通常のDNA複製でも使われるデオキシリボヌクレオシド三リン酸と呼ばれる材料とこの材料の糖(デオキシリボース)から酸素(O)を一つ取ったジデオキシリボヌクレオシド三リン酸です。ただしジデオキシリボ三リン酸は少量しか使いません。

新しいDNAが合成される際にジデオキシリボ三リン酸を取り込んだDNAは次のヌクレオチドのリン酸が結合できずにそこで合成が止まります。この合成が止まった場所によって様々な長さのDNA断片ができるため、あらかじめ塩基ごとに異なる蛍光色素などをつけておいて電気泳動すると、その結果から塩基配列が分かります。この方法では約500塩基の解析しかできないため、ゲノム全体など長い塩基配列を解析したい場合には、まずDNAを500塩基程度に小さく断片化し、それぞれのDNA断片の塩基配列をサンガー法で解析します。最後に解析した情報を統合してゲノム全体の塩基配列を決定します。

参考文献:嶋田正和ほか22名,「生物」,数研出版,(2017).

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