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気球で宇宙を目指す@岩谷技研

実現すれば世界初となる気球による「宇宙遊覧」体験旅行が、年内にも北海道から始まる。航空機が飛ぶ高さの約2・5倍、高度25キロの成層圏まで上昇し、青い地球と漆黒の宇宙を眺めるフライトだ。

今日取り上げるのは「気球で宇宙遊覧を提供する岩谷(いわや)技研」です。岩谷技研は宇宙遊覧の参加者を募集しており、1人2400万円で気球に乗ることができます。

1人2400万円と値段が高いのは、気球に乗れるのが操縦士と乗客のそれぞれ1人ずつだけだからでしょう。今後、運用頻度を増加させ、キャビンに乗れる人数が増えると価格は下がっていくと思います。アメリカの宇宙船もマーキュリー、ジェミニ、アポロと段階を踏んで乗員人数を増やしてきました。

そして、岩谷技研は宇宙遊覧を目指していますが、そもそも宇宙というのは明確な境界線があるわけではありません。ではどうやって宇宙を決めているのかというと、実は人が勝手に決めています。

よく宇宙空間の定義として使われるのが高度100km以上という基準で、これは国際航空連盟(FAI)という組織によるものです。他にもアメリカ空軍は高度80km以上を宇宙と定義していたりします。

岩谷技研の気球が飛ぶのは高度25kmの成層圏と呼ばれる場所で、100kmのちょうど4分の1にあたります。ここに向けて北海道の十勝地方から出発し、2時間かけて目的地まで到着し、1時間滞在します。十勝地方にはJAXAの気球船実験場もありますから、もしかしたら、その近くから出発するのかもしれません。

気になるのは安全面ですが、岩谷技研は気球の打ち上げ実験を300回以上、有人の飛行試験も10回程度重ねており、万が一に備えて気球をパラシュートに変形させるなど何重にも安全策を施しているそうです。また気球は(ロケット違って)燃焼による推進システムで飛ぶのではなく、空気より軽いヘリウムガスの浮力を使って飛び、バラスト(おもし)を捨てたり、ヘリウムガスを抜くことで高度を調整するので、その点においても安全だと言えます。

気球による宇宙遊覧の価格が下がり、誰でも自分の目で地球を見ることができる世の中になると良いですね。岩谷技研さん、応援しています!

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