カナミック2024年Q2決算雑感

カナミックのQ2決算が発表されました。
売上高2446百万円(前年同期比40.8%増)
営業利益668百万円(前年同期比19.6%増)

と高い成長を見せた決算でした。

売上成長の源泉は24時間ジムのアーバンフィットです。
アーバンフィットは簡素な空間にマシンが並んだ多くの24時間ジムと違い、おしゃれな内装、充実したマシンなどかなり贅沢な空間だなという印象でしたが、今回の決算資料では1店舗あたりの平均会員数が公開され921名という数字が公表されました。

一般的な24時間ジムはおそらく600〜700名程度集められれば結構優秀というイメージですので、他のジムよりも会費が高い中、これだけ会員を確保しているというのはサービスが支持されているからだと思います。

また、直近でジム会員向けの健康管理アプリがリリースされ食事管理やトレーニング記録、パーソナルの予約などもできるアプリが出ています。

他の多くの24時間ジムの運営企業はスポーツや健康、インフルエンサー、フランチャイズのコンサルタント系の出身者が多く、採用、店舗展開には強い印象ですが、自社に開発部隊を持っているジム運営企業はかなり少ない印象です。アーバンフィットのように親会社がヘルステック企業でヘルスのこともテックのことも理解して様々なシステム開発ができる体制があるというのは大きなメリットではないかと思います。

内装や置いてあるマシンは真似できますが、非IT企業にはシステム開発の体制構築はなかなか真似できません。健康管理アプリは会員のエンゲージメントを強くし解約率の低下になるためかなりの強みだと感じました。

元々カナミックという企業をジム運営銘柄としてはみていなかったですが、俯瞰してみると”質の高い良質な24時間ジム領域”でトップを取れる可能性を秘めた企業だと思いました。

カナミック事業について

カナミック事業については成長産業にありながらも、大口顧客の獲得以降はなかなかIRのニュースも出てきておらずオーガニックな成長を続けているという印象です。

訪問看護領域で競合のe-wellは生成AIを活用した看護計画の作成などを発表するなどしています。

また、ジョブメドレーを運営するメドレーは2022年にオンライン動画研修サービスを運営するメディアパスを買収しジョブメドレーアカデミーというサービスを開始しています。

余談ですが、これはとても良いサービスです。

介護施設は加算などを受けるために研修計画を立てる必要がありますが、いざ研修を受けようと思っても

①研修場所が遠い
②研修時間が勤務時間と合わない
③研修の日程が自社の都合に合わない

などの問題を抱えています。
例えば岐阜県の介護事業所がBCPの研修を受けようと思っても3ヶ月後に京都で11時から開催されるものしかないなんてことがあるわけです。

ただでさえ人手が足りないのに、勤務扱いにして研修に通わせ、交通費も支給し研修を受けてもらうなんてことになるわけです。

ジョブメドレーアカデミーがあれば数ある研修動画の中からテーマに沿った研修を選択して別室で動画を見てもらうだけで完結できます。動画を見終わったら、またすぐに現場に戻ることができます。施設側も目的に沿った研修を受けられ、研修に行っている間の人件費、交通費、現場の人手不足などを浮かすことができます。

(ちょっと長くなりました)

カナミックも「かんたんWeb明細」「かんたん郵送代行」「かんたん電子決済」などクライアント企業の課題を解決するサービスを投入していますが、他のヘルステック企業の動きを見るだけでもできることは多くある印象です。主力事業の顧客の問題解決になるような取り組みでアップセルをし、業績に反映されるようになれば今よりもさらに投資家に評価されるようになるのではないかと思いました。

Ruby開発を買収したのは開発力の強化が狙いかと思いますので今後のサービス展開に期待しています。これからもIRなどを見ながらウォッチしていきたいと思います。



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